持つべきは
翌日、リュケイオン学園に潜入した俺は、時計塔の扉を開けようと四苦八苦していた。
この時計塔の中にヴァリアンナを助けられるであろう唯一の鍵があるのだ。
「なにをやっているんだ」
背後からの声。俺は観念して振り返る。
「……かくれんぼしたくなったんだ」
レクスとヴァロが背後にいた。
「ひとりでか?」
「……こうぎをさぼってかくれんぼしたくなったんだ」
「うそをつくのがきみはへたくそだね。きのう、ヴァリアンナじょうのことをきいてからきょどうふしんじゃないか」
「みていたのか」
コンモドゥスとあれほどに熱論していた癖に。
「がくしゃになりたければかんさつがんをみがくひつようがあるのでね。で、とけいとうになんのようだね?」
「…………」
言えない。ヴァリアンナに働いたような作用がこの二人にも起きないとは限らないのだ。
俺がうっかり話した所為でもしも何かあったら、俺は……もう一度、復讐に走る。
「ふむ。くちをわるきはなさそうだな。
ならば……おしえてやろうか。このとけいとうには、あるおそろしいものがふうじられているそうだよ」
ヴァロ!?
どうして知って……いや、ヴァロなら知っていてしかるべきだ。
リュケイオン学園の理事長を代々務めるユィアン侯爵家ことセウェルス一族が、魔剣ドゥームブリンガーの封印を管理しているんだから。
――カインはヴァロの弱みを握って脅し、魔剣ドゥームブリンガーの封印を暴かせる。そして魔剣ドゥームブリンガーの持ち主になるのだ。
「『あたり』か。きみ、どうしてしっているんだい?ワガハイのいちぞくいがいで、もはやあれのそんざいをしるものはあまりいないはずなんだがね」
「……」
「まあいい。あけてやろう」
「えっ」
「きみはワガハイのいちぞくいがいだれもしらないはずのあれをしっていて、ふういんをこじあけようとしていた。ヴァリアンナじょうのことをきくまではまったくのむかんしんだったのにね。
ということは、きみはあれについてワガハイいじょうのちしきがあって、そのちしきのなかにヴァリアンナじょうをたすけるしゅだんがふくまれているということだろう?」
「……うん」
レクスが言った。
「あとで、おれもいっしょにおこられてやるからな!」




