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俺はきっと夢を見ている

 俺が15の時に家族全員が火事で死んだ。反抗期真っ盛りだった俺はその日も悪友と夜遊びしていたから助かった。

でも本当に『助かった』という言葉を使って良いのか分からないくらい、俺の人生は暗転した。

今まで悪態ばかり吐いていたのに見放さないでいてくれた親は炭化物になったし、俺を兄として慕ってくれていた弟は玄関の直前までたどり着いていたのに助からなかった。

しかもその火事の原因が最近この街を騒がせている放火魔の仕業と聞いた時には、気が狂いそうになった。葬式の喪主をしている俺を哀れみと困惑の目で見つめる親戚は、その後で俺を引き取ることを拒んだ。それについて文句は無い。金髪の不良のガキを誰が好き好んで引き取るって言うんだ?俺は拒まれても仕方ないようなクソガキだった。

俺は中学を卒業した後、一人で働いて暮らした。いつか必ずそうしなきゃならないと分かっていたのに、納骨することだけは出来なかった。酒を飲んで、毎日毎晩、骨壺の前で泣いた。

ごめんなさい。俺がいれば何か変わったかも知れないんだ。あんなに酷いことを言ってごめんなさい。本当は大好きだったのに助けられなくてごめんなさい。


……ようやく納骨する気になれたのは10年後だった。

納骨した後でネットのニュースを何の気なしに探したら、放火魔が俺の家族を焼き殺した後で自首して、刑務所でのんびりと暮らしていると知った。

俺と同じ少年だったから、法律に守られたのだ。

だから、刑期は、たったの10年。

俺の家族を殺しておいて、たったの。


 俺は復讐の計画を練り上げて、実行した。

ああ、興信所を雇ったり、色々と己でも調べたりして、やったさ。

我ながらとても上手くやった。

人道をドブに蹴り落とすような残虐な復讐をして、その後で俺も自殺した。


 ……いや、確かに死んだはずだったんだが。

現状を確認すると、俺はどうもまだ生きているらしい。

病院に運ばれてもまず助からないように、毒を飲んだ上で高い崖から飛び降りたんだが……どう言うことだ?


 俺は……貴族の家の中?にいるようなんだ。あと尻が滅茶苦茶痛い。叩かれたのか?

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