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とりあえず、ロイじいさん

「閃炎使えるんでしょ!?」

「ツカエナイデス」

ツカツカと詰め寄ってくる彼女からジリジリと下がる。

俺の中の危険アラームが全力で鳴っている。絶対に面倒ごとに巻き込まれる奴だ。

そんな俺の心情はよそに、強気な紫の瞳に金色の髪を纏めている耳長美少女がこちらをじーっと見つめてくる。


「今さっき、閃炎の命動術って聞こえたわよ?」

「キノセイデス、エルフ=サン」

「ふーん。まぁいいわ、自己紹介してなかったわね。私はルルイの民のユカリコ。あなた、この辺じゃ見ない顔ね?」

「さっき来たばっかだかりな。ソラだ。よろしく」

「あなた、ハンター?」


【ミッション達成:ハンターとの接触】

そう言われた瞬間にハンターの知識が頭の中に流れ込んでくる。


ハンターは、ギルドから正式に任命された依頼をこなす冒険者の総称だ。街の必要物資の供給や、魔物を狩ったりするのが主な仕事だ。

その実力はピンキリで、実力が伴わない「半端物」と呼ばれるものから、称号二つ名持ちのハンターまで多種多様だ。中でも、未開の大地や迷宮を攻略する「先駆者」とよばれるハンター、冒険者ながら個人軍隊並みの戦闘力を誇る。


「まだ登録もしてない半端者だよ」

「ふーん。私は一応二つ名持ちよ。追矢のユカリコ、覚えておいてちょうだい」

「追矢?」

「ユカリコの嬢ちゃんは、風の命動術が得意でな。獲物が矢を避けても風の命動術で矢の軌道を曲げて当てるのさ」


ホーミング弾撃ちまくるエルフって事か。


「登録もしてないなら、まずはそこからだな。ギルドタグは新規作成で50レルだ。買取分から引いておくよ」

「ああ、ありがとう」

「しかし、半端者なら閃炎は使えないよな」

「そうね」

「そうなのか?」

「閃炎系はB1レベルの命動術だからな。扱うには資格がたらないのさ」

「攻撃系の術の資格は、モンスターを倒し続けると手に入るのよ」


要は、量子ナノマシンに、コマンドの権限レベルみたいなのが備えられてて、モンスターを倒すと得られる経験値みたいなものが解放条件ってことなのだろう。

しかし、量子ナノマシンといい、ライトカタナといいSFチックな世界なのに

エルフに弓ってどういうことなんだろうか?


「ギルドタグ出来たぞ、無くすなよ。」

そういって渡されたのは米軍のドッグタグみたいな金属のプレートだった。

細かい文字が羅列されている。


「命動術もしらないのにハンター志望なんて、随分命知らずなのね」

「最近出てきたんだ。山暮らしだったから世間知らずでさ」

「山の民には見えないけどね。黒髪は確かに珍しいけど」

「そうなのか。とりあえず、右も左もわからないからさ。情報集めて移動するつもりだ」

この手のある意味お約束、山育ち設定

実際のところ現在地はマップでわかるが、どんなモンスターがいるのかも調べたいし、何よりライトカタナを使いこなさないと危なくて移動出来ないのでしばらくはここにいるのだろうが。

山賊とかいた場合、俺戦えるのだろうか?

もっとも、ライトカタナで切ると、切断面が焼き切れる為血は殆ど出ないので、グロ的にはそうでもないのだが。

そうだ、宿泊するところを聞かないといけないんだった。


「このあたりでどこか泊まれる所ないですかね?一泊だけでいいんだ」

「泊まれる所か、ここはあんまり人が来る村じゃないからな、適当な村の家に泊まらせて貰うしかないな。あとは野宿するか」

むむむ、野宿はしたくないが知らない村人の家に泊まるのはハードルが高い。

こんなところでリアル田舎◯泊まろうを異世界で体験するとは。

せめて壁と天上が欲しい


「仕方ない、納屋を貸してやる」

「え、いいんですか?」

「まぁ、かまわんよ。一応この村役場の顔役だ」

ニシシと笑う爺さんは、ロイさんというらしい。

ロイさんに連れられて納屋の一角を借りる。ストレージの中にあった大きめのマントに包まると、ソイジョイもどきと水を飲んで腹を満たした。

マップを見ると近くに大きめな街がある、次の目的地を決めると、俺は意識を落として眠りについた。



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