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とりあえず、目が覚める

無機質な声が聞こえる。聞いたことのない言語のはずなのに、意味が分かる。

暗闇に明かりをともすかのように、意識が浮かび上がる。

『次元転送逆移送完了。サーマルワープ終了。エンチャント設定人間』

ピコンピコンと、電子音が聞こえなくなると、意識がはっきりと覚醒するのだった。


「ここ、どこだ?」


周囲に見えるのはどうみても日本ではないアストロチックな部屋だ。

自分の服も、いつの間にか会社帰りのスーツから、見慣れない衣装になってる。

異世界ファンタジーに出てきそうな装いがまるでコスプレみたいだが、不思議と違和感を感じない。


起き上がると、目の前の机に水晶型のペンダントと、見慣れた銀色の筒がおいてあった。

「これ、微妙に形が違うけどラ○トセイバーに似てるんだよな」

手に取るとおもちゃではない金属の質感が伝わってくる。

グリップについてるスイッチを押すと、黄色の光剣が独特の音を立てて飛び出した。


「まんまじゃねぇか。え。俺映画のドッキリかなんかに巻き込まれたの?」


剣を振ると、フォンフォンと独特の効果音が聞こえてくる。

物は試しと、扉に向かって振りぬくと、バチュンと音を立てて、扉が焼き切れた。


「うぇ、本物!?」


びっくりして剣を落とすと、刀身が消失してただの銀の筒になる。

おっかなびっくり拾うと、机の上にまだ何か乗ってるのが分かった。

水晶型のペンダントだ。


指でペンダントをつまむと、空中にウィンドウが表示された。


「アイテムストレージ、ユーザー登録、マップ機能、スキルリスト、ショップ、ヘルプ?」

まるでゲームのようなウィンドウに困惑する。

カーソルは思っただけで動くみたいなので、色々確かめることにする。

ユーザー登録の処は、どう見ても自分の名前が表示されていた。

城渡空

年齢 25歳

男性

エルダーヒューマン


「エルダーヒューマン?ってなんだろ」

長押ししても何も出ない。種族名以外何も出なかった。


スキルリストのタブを開くと、まだインストールされてないスキルがいくつかあった

スタートパッケージと銘打たれたそれを触る。


「うぁっ」


☆□○○□□☆◇□□


頭の中に大量の何かが流れ込んでくる。心を猫の舌で舐められてるような感触に吐き気を催す。

一分くらいそうしてると、ダウンロードが終わったのか感覚がなくなった。


「スタートパッケージって要するに、近辺の知識や倫理観か」

お金の価格はレル。物価で言えばドルと同じくらい。

この世界では共通言語のロロイ語が主流で、ここはマルウス王国の辺境の遺跡

アナキの森にあるこの遺跡は、宇宙船の残骸が遺跡化したもの。

アーティファクトと呼ばれる、発掘装備が、この光剣とペンダント

この辺は魔物、と呼ばれるモンスターも住んでおり、法律も自治区域に一任されている天領区。

モンスターはこちらの命を狙ってきており、倒さなきゃ殺される。

一方、倒すと命力と呼ばれるエネルギーが流れ込んで来て、いわゆるレベルが上がる。


「アイテムストレージの中は、基本的な生活物資か、水とか食料品と衣類品が入ってるだけか。ロックストレージ?あ、駄目だ。開けないや」

ストレージから水とソイジョイもどきを取り出す。うん、どう見てもソイジョイです。

しかもブルーベリー味です。


「マップ機能・・・最短の街まで10キロくらいか。歩いていったらそこそこ距離あるなぁ」

不思議と落ち着いている。スタートパッケージをインストールしたあたりから元の世界に未練がなくなったみたいだ。

とりあえず、一番近いアナキの村まで行ってみるか。


ドアを剣で人が通れる大きさにくり抜くと、そこから部屋の外に出たのだった。



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