究極の2択
駄文です。
いろいろおかしいところがあると思いますが、
楽しんでいただけたら幸いです。
「うーん、どうしようかなぁ」
私は今とても思い悩んでいる。
そう今、私には究極の2択が迫っているのだ。
時は昼休みの半ば、場所は購買、鋭い目つきでこちらを凝視するおばちゃんの圧。
そして私の右手にはメロンパン、
左手にはクリームパン。
くっ、何という状況だろう。
私が両手にパンを持って2分が経った。
昼休みも半ばとなり、購買を訪れる生徒は多くない。
しかし、おばちゃんは常にいるのだ。
2分は短い時間かもしれない。けれども、購買での2分はとてつもなく長い時間なのだ。
「いつまで持ってんだよ」みたいなおばちゃんの眼差しが痛い。刺さって抜けない鋭利なトゲのようにその視線が私の胸を貫く。
分かってはいるのだ。この状況をいつまでも続けてはならないと。
しかし決めきれない。
どちらかを諦めようとすれば語りかけてくるのだ。
「私メロンパン。
やめて捨てないで。
あなたは今私を求めているでしょう?
ほら想像して私を袋から取り出したときの甘ぁい
香り。
ね?私が欲しいでしょ。
それでも足りないなら私を口にしたとき。
サクッとした表面、フワッフワの内側。
ねぇ、食べたいでしょ?
私を選んで。」
くっ、ヤメロォ。
そんな風に語りかけるんじゃない。
私の決意が、覚悟が揺らいでしまう。
これはメロンパンをとるしかないのか。
ダメだ。もう頭がメロンパンの味、食感、香り。
その全てを求めてやまない。
すまないクリームパン・・・
「まって。」
はっ、今声が・・
私の脳内に直接語りかけてくるような声が!
「私はクリームパン。
ねぇ、当然私を選ぶわよね?
あなたは私を求めているはずよ。
ふわふわ、しっとり、
滑らかな美しい光沢をもった生地。
噛んだ瞬間バニラの香りが口いっぱいに広がる
甘ぁいクリーム。
あなたそんな私が大好きでしょう?
私を選ばないなんて無理でしょう?」
くっ、お前たちは悪魔だ!
なんて巧みな誘惑なんだ。
私の心が揺らいでいる。
どっちを選べばいいというんだ。
だが、しかし決めなければ!
私は今から決断す
「由美〜、何やってんの〜?
あっ、メロンパンまだ残ってたんだ!
買わないなら私もらっちゃうねっ!
おばちゃんクリームちょうだい。」
「110円だよ。ありがとね〜。」
突如として現れた友だちにメロンパンが掻っ攫われた。
なんということだろうか。
だが悲しむなかれ。
そう、これはクリームパンを選べという天からの通告である。
私はクリームパンを
「あっ、クリームパンは私がもらうわ。
おばちゃん110円だよね?はい。」
「まいど〜。」
「由美も早く来なよ?
次移動だからね!」
友人Bぃぃぃぃぃぃ‼︎
なんということだ。
私が悩んだ時間を返してくれよぉぉ!
私はどうすればいいんだ。
この私を満たしてくれるものは・・
「俺がいるよ。」
ハッ、誰だ。まだ誰か語りかけてくる。
「俺、カレーパン
まだ、俺がいるぜ!」
そうだったんだね!
そっか君がいたんだね。
気付かずにいてごめんね。
私決めたよ!
「おばちゃん、アッパルパイちょうだい!」
「はいよ、130円ね。」
「おばちゃん、ありがとー!」
ごめんね、カレーパン。今は甘いのがいいんだ。
10分間、長い闘いだった・・
読了ありがとうございます。