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第5話 エピローグ

 俺達が住んで、出会ったマンションが取り壊されるのを二人で眺める。

「あなたが住んであげてたら壊されなかったのにね」

 もう敬語じゃなくなった彼女が笑いながら俺に言う。

「住んであげる義理も無いしな。それに何かの間違いでまた戻ってきたらかわいそうだし、壊された方がいいよ」

 俺がそういうと彼女は俺を抱きしめた。付き合い始めてから分かったことだが、クールな見た目と裏腹に彼女は結構寂しがりでスキンシップが多い。

「あれから色々あったな……」

 感慨深く俺も彼女に手を回す。


 あの後しばらくして完全に心霊現象が起きなくなったことを良いことに家賃の上昇を迫ってきた管理人。面倒だったしその頃には仕事もいくつか入っていたので部屋から出ることにした。しばらくは何も起きなかったようだが1年後再び心霊現象が起き始めたらしい。管理人から、

「また住んでくれませんか?」

 という大変都合の良い電話がきたので万が一にでもあの子が戻ってたら……と思い1週間ほど住んだがインターホンも何も起きなかったのでもう大丈夫と判断し部屋を出た。そうすると半年後再び再発。さすがに今度は無視した。それで噂が広まっていきマンション自体の価値も下がって最終的に取り壊しが決まったそうだ。それで良い。


 バイトはお互い止めたがチャラとも交流は続いている。結婚式の招待をしたときは抱きしめられて心の底から祝われた。

 役者の仕事も順風万般だ。いくつかテレビに出始め、そのことを伝えようと両親にメッセージを送ったが母親から、

「もうとっくに知ってるよ。あんたが出て行ってからお父さん毎日テレビ見るようになったんだから」

 と言われて涙を流した日もあった。


「何か……幸せすぎて怖いな」

 ふとそう思った。

「どうしたの急に?」

「あの頃はこんな未来全く想像してなかったからな」

「前向きに生きてきたお陰ね」

「それと幸運の女神様のな」

 そう言ってもう何度目か分からない口づけをした。ちょうど建物の取り壊し作業も終わったようだ。

「じゃあ行くか」

「ええ、あなた」


 手を繋いで2人で歩き出すのを2本の向日葵が見送った。

ここまで読んで頂きありがとうございました!宜しければ感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!

私の生涯初の小説と言う事で緊張しながら公開しています。


最初は幽霊を殴って除霊するエンドの予定だったんですけど色々書いてるうちに変わっちゃいました。文章も最初の倍くらいに膨らんじゃいましたし……上手くいかないっすね。

それでは。


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