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闘わない犬  作者: 嘉藤 静狗
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死因:盗聴

妄想の暴走。

 

 もしも、我が家に盗聴器が仕掛けられていたら。仕掛けた犯人は、今頃死んでるんじゃなかろうか?

 たぶん、死因は腹筋崩壊か呼吸困難。世にも恐ろしき、笑い死にだ。


 ふと、そんなことを思ったことがある。と言うより、常々思っている。



 一応の根拠はある。

 何故かと言うと、我が家の会話が、あまりにも可笑しいからだ。たぶん、こんな家は早々ない。聞いたことない。

 その証拠に他所で、そのノリで話すと「は?」と言われることも、しばしば。言語は、いつもと同じ日本語なんだが。

 通じる人もそれなりにいる。が、ほとんどは一部だけ。全部通じるのは、幼稚園来の親友ぐらいだろう。思えば親友は、我が家に毒され過ぎだ。



 例えば、机からペンが転がり落ちたとき。

「ペンが飛び降り自殺」 


 例えば、誰かが寝てるとき。

「○○、起きてる~?」「いんや、死んでる」


 例えば、スマホがなくなったとき。

「スマホが家出した……」


 例えば、猫が上から降ってきたとき。

「ひでふっ!」「あべしっ!」


 例えば、絶対に「イエス」と言いたくないとき。

「~しなさいよ、分かった!?」「んにゃ」


 例えば、誰かを探しているとき。

「○○、どこ?」「お空に飛んでった」


 例えば、例えば、例えば……etc.



 例を挙げればきりがない。

 あと、唐突に謎の格言を口走ることもある。ついでにペットは本名より、変なアダ名で呼ぶことが多い。ドM君も、魔様も、ピーちゃんも猫のことだ。ちなみに、それぞれ別の子。


 我が家では日常的なことで、自然な光景。だから、誰も違和感を持たない。

 けど、ふと外で話すと、周囲には大草原が広がる。……草刈りはしなくても、勝手に枯れるのが不幸中の幸い。



 だから、我が家には盗聴器は付いてないだろう。もし、付いていたなら、どこか近場に不審死体が転がってるはずだから。

 なお、そんな話は聞いたことがない。閑静な住宅街は、情報拡散力だけはピカイチだから、間違いない。


 そして、これからも盗聴器は付かないことを祈る。我が家の情報云々より、死者が出たら大変だから。流出して困るような情報もないのだが。


 それに、「いのちだいじに」は基本だろう?


 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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