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闘わない犬  作者: 嘉藤 静狗
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遺言

 文章力と言うか、表現力を見直すために書きました。

 

 ――私が死んでしまった後の話をしよう。



 もし、私が死んだら、遺産は皆で分け合ってほしい。


 お金は大してない。けど、200冊はあるだろう各種漫画たちと、50冊ほどの小説たちがいる。

 一人に渡すと性癖がバレるので、家族だけではなく、友人たちにも貰われてほしい。少年漫画・少女漫画どちらもあるので、一冊ぐらいは面白いと思えるヤツがいるはずだ。


 その後、読んでも売っても捨てても構わないが、出来れば無駄のないようにしてほしい。売るときは、なるべく高く。捨てるときは、資源ゴミに。どこぞに寄付してもいい。

 なんにせよ、資源は大事だと思う。



 もし、私が死んだら、私の作品を何とかしてほしい。

 サイトに投稿したものは、そのままでいい。いつか作った手描きの絵本は、見つかったら持っていてほしいが、見つからなかったら諦めていい。

 Wordに残ったプロットや設定集は、ネットに晒していい。版権は主張しないので、私の代わりに続きを書いてほしい。ついでに、スマホのメモにも残っているので、コイツらも忘れないように。書きかけのヤツは投稿していい。


 ノートの落書きは隠してほしい。いや、いっそ私と一緒に燃やしてくれればいい。そうすれば、あの世でも続きが書けるから。

 大した腕前でもないけど、暇潰しぐらいにはなるだろう?



 もし、私が死んだら、お墓はたぶんいらない。

 叶うのなら、葬式は神道式がいい。よく『南無三』とは言うけれど、私は、どちらかと言えば神道信仰派だ。

 死んでも神になんてなれないだろうけど、天でも地でも、美人(?)な女神の懐に行きたいとは思う。


 遺体は火葬して、灰は山に撒いてほしい。出来れば、子どもの頃に遊びに行った、あの川の近くの山がいい。

 魚を捕ったり、浮き輪ごとひっくり返ったりしたあの川の近くに。……泳げないので、川には落とさないでほしい。

 緑豊かな、あの場所が、私の欠片で一時でも長く残れば幸いだ。



 少なくとも、今後、十年は死ぬ予定はない。

 しかし、突然、明日が無くなる可能性も少なくはない。

 いつか後悔しないためにも、私は、こうして文を綴るのだ。


 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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