俺、異世界に転生するみたい
初投稿
お手柔らかに~
目が覚めるとそこは真っ白な世界だった。なにもないただただ真っ白な世界。
ここはどこなんだろう?
「ここは世界のはざまだよ」
急に後ろから声をかけられた。振り向くとそこには青い髪と瞳の男性が立っていた。
声をかけられるまで気が付かなかった、いつからいたんだ?というか誰だ?
「そうだね、君が目覚めた時にはいたよ。あと僕は誰かっていうと神様だよ」
俺がそう考えていると彼は答えてくれた。神様ってなんだよ、訳が分からない。それになんで答えれたんだ?俺は声に出してないはずだけど。彼は考えてることが分かるのか?
「そうだよ。君の考えてることは見えてるからね。でもそろそろ会話はしてほしいかな~」
「あ、すいません!混乱してまして」
「まー混乱するのは仕方ないよね。しない方がおかしいね。まずは説明をちゃんとしないといけないね」
そう言うと彼は椅子に座って俺にも座るように言ってきた。
さっきまで何もなかったのに気が付くと椅子と机があった。本当に訳が分からない。夢でも見ているようだ。
「まず初めにこれは夢じゃなくて現実だ。いや、半分夢といったところかな?」
「どういうことですか?」
「ここは世界のはざま、そしてここには精神体しか存在することが出来ないんだ。だから半分夢って言ったんだ」
世界のはざま?精神体?言ってることが理解できない。唯一分かることはここは俺の住んでいる地球じゃないってことくらいだ。こんなとこは地球にはないからな。それに夢でもないみたいだ。ほっぺをつねってみたが痛かった。つまり彼の言ってることは本当なのか?
「夢ではないってことは理解できたみたいだね。」
「はい、けどなんで俺はここにいるんです?その、世界のはざまってとこに」
「それを説明するためにもまず君の事を思い出してほしい。年齢ややっていたことなんかをね」
どういう事だろうと思いながらも彼にそう言われ俺は自分の事を改めて確認する。
俺の名前は佐藤裕。年齢は18歳で高校生だ。やっていたことと言われても生徒会をしていたとか受験勉強、あとは家事の手伝いくらいだろうか。
「うん、なら一番最近の事を教えてくれないかな?」
最近の事?そうだな、学校の行事の仕事をして遅くに家に帰って飯を作って勉強をして寝るくらいだな。いつも睡眠時間が足りなくてしんどいんだよな。
あれ?そういや俺昨日は何してたっけ、行事はどうなったんだっけ?なんでだ?思い出せない。なんで俺思い出せないんだ?確かに仕事はしてたと思うし勉強もしてた。なのになんではっきりと覚えてないんだ?
「一番新しい記憶がなくて戸惑ってるみたいだね。確かに君は学校で仕事をして勉強もしてた。でもその記憶が曖昧だ。なぜかわかるかい?」
「いや、わからないです。」
「君はね、死んでしまったんだ。頑張りすぎて。だから記憶が曖昧なんだ」
俺が・・・死んだ?信じられない。そんなこと信じたくない。
「信じられないかもしれないけど事実だよ。これを見てみなよ」
彼がそう言うと俺の目の前にTVの画面の様なものが出てきた。そしてそこには棺桶に入っている俺と泣いてる家族が映っていた。本当に俺は死んだんだ。しかも過労死で。
「これで事実だって信じたかな?」
「そう・・・みたいですね。しかも過労死って、」
「ショックかもしれないがこれが真実だ。受け入れないといけないよ?新しい人生を送るためにもね」
まじか、死んじゃったのかよ。しかも高校生で過労死とか、ないわ~。
あれ?彼はいまなんて言った?新しい人生?
死んだら終わりじゃないか。新しい人生なんてないだろうに。
「普通はね、けど君がかわいそうだから僕の世界で新しい人生を楽しんでもらおうと思ってここにきてもらったんだ」
「そんなこと出来るわけないじゃないか」
「できるよ。僕はこっちの世界では神様だからね。人ひとり生き返らすくらい楽勝さ」
彼は自慢げにそう言ってきた。
もし、それが本当なら嬉しい限りだ。もう一度人生を新しい世界でやり直せるなんて。それなら断る理由もないし本当だと信じてみよう。嘘だったとしてもマイナスになるわけでもないしな。ただ神様にまでかわいそうって言われるとかよっぽどだろ俺。
「話が早くて助かるよ。それじゃぁ君が行く僕の世界のことを教えるね。僕の世界は君の世界のゲームとかにある剣と魔法の世界だ。魔物がいて君の世界よりは危険がいっぱいだ」
「ほんとに異世界ですね。でもそんな世界に行ったらすぐ死んじゃいますよ」
「うん、そのまま行ったらすぐ魔物にやられね死ぬだろうね。だから色々いいものをあげるよ。それならそうそう死なないだろうからね」
それは有難い。正直魔物がいるような世界にこのまま行ったもすぐ死ぬだけだろうし死なないためのなにかが貰えるのなら貰っておこう。貰えるものはもらっとく主義だしな。
「まずは自分の今の状態を見てもらおうか。ステータスオープンって言ってみて。そしたら自分のステータスが見れるから」
「ステータスオープン」
そう言うと目の前にゲーム画面のようなものが現れてそこにステータスが書かれていた。
ユウ
18歳
LV1
HP100/100
MP70/70
攻撃80
防御80
魔攻60
魔防60
敏捷70
体力100
精神30
本当にゲームみたいになってるな。ただこれを見ても自分が強いのか弱いのか全くわからないし、どういう風に作用するのかも知らない。
「よし、出てきたね。まずはステータスに書いてあるものについて説明するね」
そう言って彼はステータスについて説明してくれた。わかりやすくまとめるとだいたいこんな感じだ。
LV 強さの基準
HP 生命力 0になると死亡
MP 魔力 魔法、戦闘スキルを使うごとに消費
攻撃 物理攻撃の攻撃力 筋力
防力 物理攻撃の防御力
魔攻 魔法の攻撃力
魔防 魔法の防御力
敏捷 素早さや反射神経 回避にも関係する。
体力 スタミナ
精神 メンタル 幻術に対抗できる
「そして君のステータスだけどかなり高めに設定してあるんだ」
「高くってどのくらいですか?」
「そうだねー、一般人の4~5倍とかかな〜」
「え?それってかなり強くなってませんか?」
「うん、ただ初期ステータスが高いだけだからレベルを上げないと強い魔物とか人にはすぐやられちゃうからね」
そうだよな、レベル上げずに無双とかは無理だよなー。そこはちゃんとしないと異世界でもすぐ死にましたじゃ神様に申し訳ないしな。ただこれは有難いほんとに感謝だな。
「あ、スキルとかもあげとかないとね」
「スキルですか?」
「うん、技能みたいなやつだね片手剣とか弓とか、他にも料理なんかもあるね」
そう言いながら彼は俺に本のようなものを渡してきた。
「何ですかこれ?」
「カタログだね。ポイントを貯めてそこに載ってるものと交換できるんだ。こっちの世界のものはほとんどその中にあるんだ。今あるポイントでそこの中にあるスキルと交換しておきな」
そう言われて見てみると確かにスキルが書いてあって横には必要なポイントが書いてある。そして端の方には所持ポイントが書いてある。今あるポイントは10000ポイントみたいだ。
俺の世界にいた時のカタログみたいだな。ポイントってことだからポイントカードみたいに何かしらしてためるってことかな?
「うん、そんな感じで大体あってるね。ポイントは魔物を倒すとゲットできるから危険だけどポイントがほしい場合は頑張って倒してね。今はそこにあるポイントを使っていいから」
「わかりました」
早速やってみてわかったがスキルを交換するためのポイントは100ポイントでレバルを上げることも出来て、あげるためにもポインが必要みたいだ。上げるにはそのレベル×100ポイント必要みたいだ。つまり片手剣を最大のレベル5にするには合計1500ポイントが必要ってことか。考えて交換しないといけないな。それにスキル以外にも色々武器や魔道具(魔力を注ぐと様々なことができる物)、調理器具に調味料なんかもあるみたいだ。まぁ塩と佐藤と胡椒くらいだけどね。
そして悩んだ末に俺の交換したスキルはこれだ
〈スキル〉
片手剣 3/5 600ポイント
弓 2/5 300ポイント
体術 3/5 600ポイント
連携 2/5 300ポイント
雷魔法 3/5 600ポイント
料理 3/5 600ポイント
テイム 5/5 1500ポイント
ユニークスキル
マジックボックス 1000
無詠唱 1000ポイント
全属性耐性 2000ポイント
異世界言語 1000ポイント
カタログ 0ポイント
合計9500ポイント
残り500ポイント
ほぼほぼ使い切ってしまった。
スキルを見てわかるように俺は片手剣と魔法でいこうと思っている。そして料理は欠かせない、元の世界でも家事の手伝いと趣味でかなり料理はしていたからな。そしてなんと言ってもタイムスキルだ!このスキルを使うと魔物を手懐けることが出来るらしい。可愛い魔物とかがいたらぜひテイムして癒してもらいたい。他にもユニークスキルでマジックボックスに無詠唱や全属性耐性、異世界言語を交換した。この中でもマジックボックスと異世界言語はかなりいいスキルだ。マジックスキルは入る量は保有魔力量によって変わるみたいだけど中は時間経過がないらしい。つまり料理を入れても腐らないし温かいものは温かいままで冷たいものは冷たいままだ。冷蔵庫なんかより優秀だよ。それと異世界言語はこちらの世界のすべての言語を話せる。書ける。読める。とかなり優秀だ。何せこの世界聞いた話、共有言語はあるがそれ以外にも種族ごとにも言語があるみたいだからかなり使えるスキルだ。元の世界でも欲しいスキルだわ。
「出来たみたいだね。ふむふむ君はテイマーで行く感じかな?」
「はい。可愛い魔物とかと楽しく生活できたらなと思ってます」
テイマーは見た時に即決した。異世界言語があるという事は魔物とも話せる。つまりは話し合いでテイムすることも可能だろう。それにだ、可愛い魔物と旅をしながら暮らすとか最高じゃないか。癒され続けながらの旅。前の世界で得られなかった癒しをこっちで満喫してやる!
「ふむ、そうだ、君にいい魔物をプレゼントしよう」
彼がそう言うと彼の横に小さな金色の毛の9尾の狐が現れた。
「この子を連れていきなよ。かなり強いし賢いからね」
「ご主人様!宜しくお願いします!」
「うわ!喋れるんだね。こちらこそよろしくね」
すると目の前に【テイムに成功しました】と現れた。こういう風に分かるんだな。
いやー、最初からテイムできるとか嬉しすぎる。しかもかわいいし毛はモフモフしてて気持ちよさそうだ。見てるだけでも癒されるよ。テイマー最高!
「ほんとに何から何までありがとうございました。これからは新しい世界で頑張って生きていこうと思います」
「そっかそっかなら最後に君に僕から贈り物だ。君に必要になるものだよ」
そう言って彼はアイアンソードと食料、魔力を込めると水を生み出せる水筒みたいな魔法具。それと小さな袋をくれた。中には銅貨、銀貨、金貨がそれぞれ100枚、50枚、3枚
「こっちの世界のお金だよ。銅貨が100枚で銀貨、銀貨100枚で金貨、あと金貨100枚で白金貨なんてのもあるからね。」
「わかりました。ほんとにありがとうございます」
本当に彼には感謝だ。ここまで手助けしてくれてすぐ死んだなんて言えないな。これは頑張って生きないとな。
目指せ!寿命での老衰死!
「よし、じゃあ君を僕の世界に連れていくね。近くに街があるからそこに行くといいよ」
「あ、最後に名前を教えてくれませんか?」
「僕の名前はクレアールだよ。君の幸せな人生を願っているよ」
彼がそう言うと俺の足元に魔法陣の様な物が現れた。これで異世界に行くみたいだ。
よし、まずは近くの町に行くとしよう!
俺は魔法陣からあふれる光に包まれた。
不定期で投稿ですね。