プロローグ
天野空は幼いころから見ている夢があった。
その夢は見慣れない土地で二人の男女が語り合っている夢だった。
その夢の中で少女は泣きながらに青年に語りかけていて、青年もとても悲しい表情をしていた。
そしてその夢はいつも少女のあの言葉で終わっていた。
「私は待っています、いつまでもあなたの事を」
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ピリリリリ!!ピリリリリ!!
「んっ」
「またあの夢か」
ソラは寝ぼけながらに鳴り響いてる目覚ましを止めて、背伸びをしながら夢の事を思い出していたら、部屋の外から聞きなれた一つ下の妹の天野鈴の声が聞こえてきた。
「お兄ちゃん!! いつまで寝ているの!? 早くしないと学校遅刻するよ!!」
「分かってるよ、すぐ行く!!。」
そう妹に伝えると俺はいつも着ている高校の制服に着替えて、部屋から出た。
リビングに行くと妹が朝食を食べている最中だった。
「おはよう、鈴。悪い待たせた。」
「もう、遅いよ。今日から二学期になるんだからしっかりしてよね。」
「分かってるよ、それよりも父さん達は?」
「お父さん達はお店の準備があるし、お姉ちゃんも職員会議があるから早めに出て行ったよ。」
そう鈴から聞いた俺は自分のイスに座って朝食を食べ始めた。
すると、鈴から父さんから頼まれていたと言う伝言を伝えてきた。
「そういえばお父さんが今日は、「新しい商品がたくさん発売するから手伝ってほしい」って言ってたよ。」
「分かった、なら今日は早く帰ってくるか。」
「そうだね。その方がお父さん達も喜ぶと思うよ。」
俺の家は祖父の時代からおもちゃ屋をやっていて、品ぞろいがわりと豊富で近所でもわりと有名だからか、昔からのファンが多いため結構忙しい日も多いため俺も鈴も幼いころから店の手伝いをしている。
そして一番上の姉である天野琴音は俺と鈴が通う高校の先生で学校では美人で有名だから生徒と先生の中にファンが多いと鈴から聞いていた。
そして鈴は父さんからの伝言を伝えるとイスから立ち上がり、食べ終わった自分の食器を洗面台の上に置き、イスの上に置いてあったかばんを持った。
「それじゃあ鈴は陸上部の練習があるから先に行くけれど、お兄ちゃんは遅刻しないでよ。」
「分かってるよ。鈴も陸上部の練習頑張れよ。」
「もう! お兄ちゃんだって今でも剣道を頑張っていたら上まで行けたんでしょ?」
「そんな事は無いと思うぞ、俺なんかよりもたくさん強い人達がたくさんいると思うし、それに俺には他にやる事があるしな!!」
鈴にそう言うと俺は制服のポケットにしまってある40枚ほど束になっているカードを勢いよく取り出しドヤ顔をした。
それを見た鈴はジッと俺の事を見た後に深いため息をついた。
「まったく、『この親にしてこの子あり』とはよく言うよね・・・。」
「何か文句あるのか?」
「別にないよ、ただカードゲームもほどほどにしてほしいって思っただけだよ。」
「分かってるよ、それにしても鈴、ここで喋っている時間はあるのか?」
「そうだった!! 早く行かないとセンパイ達に怒られる!!」
鈴はそう言うと後ろに束ねたポニーテイルを揺らしながらドタバタと音をたてて、玄関に向かっていった。
「それじゃあ鈴はもう行くからね!、さっきも言ったけど遅刻しないでよ!!」
「はいはい、気をつけていけよ!」
「お兄ちゃんもね!」
そう鈴は言うと玄関の鍵をしっかりと掛けて学校に向かった。
そして俺はコップに残っていた飲み物を飲みながら先ほどスズと話していたカードゲームの事を思い出していた。
そのゲームの名前は『モンスターバスター』と言い、俺が幼い頃から流行っているカードケームで、全世界でプレイヤーが数十億人もいると言われている。
今、世界で一番売れているカードゲームなのだがその詳細は謎に包まれていて、開発者が日下部遊と言う日本人だったこと以外、何も分からないのだが俺にとってはその事は深く考えずに勝負を楽しんでいる、その方が開発者のクサカベさんが願っている事だと思うから。
そんな事を考えていたら学校に行く時間が迫ってきているのに気づいた俺は自分の荷物を持って玄関に向かった。
「ちゃんと行かないと鈴と姉さんがうるさいからな。」
そんな事を言いながら俺は学校に向かった。
だけど、その時の俺は気づいていなかった自分に課せられた運命と闘いの日々に・・・。
書くのは遅いですけれどがんばっていきたいです。
アドバイスなども頂けれるとうれしいです。