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第二十四話「武器」

「二人ともっ……! 喧嘩を止めないか!」


 守は怒鳴るも二人はまるで我を忘れたかのように口論を続けた。


「どうしたものですかねぇ……神くんに至ってはまるで別人のように……」


「ヌパー、何か分かるか?」


「ヌパァ……」


 ヌパーも状況は飲み込んでいるようだ。別人……今の神にはその言葉が全くと言って良いほどピッタリだ。この喧嘩を止めるのが最優先だが彼の豹変した言動から元の状態で旅をすることは出来ないだろう……。


「……あそこに太陽が……!」


「来てないでしょ!?」


「そんなウソをつくな……!」


 即座に否定された。こういう時に嘘は便利だ、とそんな事を考えるよりまず何故オペと神は言い争っていたのか。それが今話すべきことだ。


「それより二人とも、何で喧嘩してた?」


「「………」」


 二人はしばらくの間、沈黙が続いていたが先に口を開いたのはオペであった。


「……だって、神くんがヌパーに変な疑いを掛けたもん」


「それは君だって同じだろう? 僕に疑いを掛けた」


「神くんだって僕を疑ってるじゃん!」


「だぁ~もう! 一旦、落ち着け! えーと……事の発端は何だ?」


 聞いてみればかなり事は深かった。“マール・ボルカトフ”なる人物の過去の記憶を神は見たと言う。そこでこの湖と関連のある蛍の死骸と泳いでいる魚たちがいたらしい。そのボルカトフという男の行動は奇妙で気持ち悪く最後に学問を目指しその中で研究が始まったばかりの“次元”についての道を選んだらしい。


 そして、その男は“世界を一から作る”と……なるほど、少しずつではあるがこの一連の騒動の謎も明るみになってきている。この調子でどんどん情報が集まれば上手くいきそうだ。


 その後、神はまるで別人……言動や態度が明らかに変化し、そのせいなのかヌパーを疑い始めたがそこでオペも神くんを疑っていると正直に言った……このチーム、内心では信用しきれてないな。


「なぁ……神くんはなんでそんな口調なんだ?」


「なんでって……僕は元からこんな感じでしょう?」


「ほら言ったじゃん! やっぱおかしいよ今の神くんは!!!」


「……確かに私が会った彼とはまるで他人ですね……あなたは本当に神氏で?」


 そこでルシファーは言った。これはまた真実に近づけるかもしれないが面倒くさい展開に……。


「それはどういう事かな?」


「言ってしまえば今のあなたからは以前の神氏と同じ感覚……意思を感じないんですよ」


「それは君が堕天使だからかな? 仮に僕の口調が変わったとしても、それは僕が僕である事に変わりないですよ。 マール・ボルカトフの記憶でも見て僕自身の身体に何かしらの影響がある可能性もありますよ」


 やはり、今の神くんは別人だ。こんな見るからに怪しい人物な態度を取るのは本来の彼ではない。この世界では今までの彼が本当の神くんとは言いにくいが……ともかく、僕たちが唯一知っている本当の神くんを取り戻す。それだけだ。


「……確かにその影響もあるだろう。 しかし、いくらなんでも我々の知っている“神”という人物はそんな他人に対して冷たい人間ではない」


「何を言っていると思えば……私が貴方たちに対して冷たい? 馬鹿馬鹿しい……そんなのだから試練を失敗したのですよ」


「それはどういう事ですか? 試練を失敗したとは何故貴方は知っているのです? それにまるで他人事のようだ、少なくともここにいる全員が試練を課されている身の筈です。 これはどういう事ですかね……」


 そこで神くんを偽っている何者かは黙った。図星なのだろうか? とにかくこれで疑問が確信に変わった。後は、聞き出すだけだ。


「……一つ聞きたい。 貴方は本当に神くんなのか? それとも……“マール・ボルカトフ”か?」


 静寂が暫し続いたが目の前にいる少年を演じていた男は答えた。


「――――――私は私だ」


 それだけを言い残し、少年を悶え苦しみ始め俺達は心配で近寄ったが直ぐにハッと覚めた顔をしそれが神くんを取り戻した合図であった。逃げられた……。


「僕……今、変な事しなかったかな?」


「うん、何か胡散臭いおっさんみたいだった……さっき言ってたマール・ボルカトフって人みたいかな」


「うえぇ、本当にそうなのか……さっきからこの遺跡内から変な生き物みたいなの感じてたんだけど消えたみたい……違うかも。 えーと……僕の中に何か居る感じかな?」


 それを聞いたみんなは一斉に心配の言葉を掛けた。さっきの変なおっさんと言い、今の神くんは不可解な現象の連続だ。これ以上に何かあれば神くんがいつまで持つか不安だ。


「そ、そんなに一気に心配されても僕も困るよ……」


 みんなってこんなに積極的だっけ……ん? ヌパーがモジモジしてる……。


「ヌパー、どうしたの?」


「―――――ヌパ! ヌパヌパ!!!」


 ヌパーは指差す様に腕である枝をとある鉄の塊に指しながら、トコトコと歩いていく。それに続いて四人は付いて行った。


 そして、着いたと思ったらオペとルシファーに枝でゆらゆらと叩き、鉄の塊の目の前へと連れて行った。


「……この塊をどうすればいいの、ヌパー?」


「ヌパ! ヌパヌパヌパッ!」


「ふむ……さっぱり分かりませんが私なりに理解しようと解釈した結果を言いますと……つまり、オペくんの召喚能力を使って何かを召喚してそれを私が使うと? そして、それは……“ミョルニル”」


 それを聞いたオペはとりあえず、そのミョルニルとやらを召喚した。


「っと、かなり重いねこれ。 何か手袋か何かを着ける必要があるはずなんだけど……危険性は今のところ感じられないね。 これをこの鉄の塊に使えば良いのかな?」


「ヌパッ! ヌパパ!」


 3つの武器を作れと……私にはまぁ、一応エクスカリバーがあるかもしれないが……エクスカリバーもあるがミョルニル、オペが召喚した生物も含め元の性能から大きく劣化というより本来の力を出せていない感じを私は感じる。まるで何かに制限されているような……ともかく私はヌパの指示通りにミョルニルを鉄の塊へと打った。それと同時に凄まじい雷が発生する。


「うおっ!?」


「まぶっ……!」


「あふぃ……」


 しばらくして雷が収まると鉄の塊は発行し三つに分裂、守、神、オペの元へ行く。


 どんな武器何だろう。ルシファーはそう思いながらも光が収まると同時に大いに期待とは対照的な物が出てきた事に絶望した。受け取った三人も同様だった。いや、神に関しては割と好評のようだ。


「……何でヨーヨー?」


 守の手には赤いヨーヨーが二つ握られていた。金属が使われた様子は一切見受けられない。感触も思いっきりプラスチックだ。何だこれ……ま、まぁ、場面によっては何かの役に立つかもしれないし……。


 神くんは自分の武器を近くの岩に叩く。


「触ったり叩いたけどやっぱり木製だよ! このブーメラン!!!」


 分かってる、もう分かった。どうせ、みんな碌な武器を渡らせてくれてないんだろう。ブーメランはまだマシな武器じゃねえか畜生! さて、肝心のオペは……。


「わー」


 呆然と金槌のような見た目のそれを見ていた。だが金槌と呼ぶには余りに悲しかった。赤く塗装され蛇腹の構造をしていたそれは……。


「ピコピコハンマーだ、これー!」


 これでどうやって身を守れば良いんだ。恐らく今まで以上に絶望を感じていた守であった。

 私がこんなにテンプレ書かないのはもうクセな気がする。テンプレ書こうとしても必ずどっかで拗れてまた普通は見ないような話になるし。

 う○い棒で構成されている世界の小説とか書きたい気がしなくもないこの頃。

 

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