Scene2
「……何だこれ?」
よし、とりあえず落ち着け俺。不測の事態なんていつものことだろう。落ち着いて状況を把握するんだ。
ねぐらになぜか全裸の少女が倒れている。
髪は白で腰まである長髪、身長は少々小柄で150程の控え目に行っても美少女といえる外見の少女が部屋のど真ん中で倒れていた。
うむ、わからん。
いやまて。確かにただの廃ビルだから鍵なんて上等なもんは付いちゃいない。だがまっとうとは言い難い職(ようは893だ)の李氏に人のこないところと言って用立ててもらった場所だ。まかり間違ってもこんなガキが入ってこれる場所じゃない。
つまりこのガキは厄介ごとのタネだ。
置いといてもろくなことにはならない。
「どっかに捨ててくるか」
そうと決まれば寝ているうちに――
「んっ、んんぅ?」
起きたよ。しかもこっち見てるし。
「だれ?」
「いやお前が誰だよ」
「?」
さて困った。寝ているうちにどっかに捨ててきてしまいたかったんだが、
「……(テケテケ)」
起きたとなるとたたき出すのが難しい。きれいに気絶させるような技術もないし、
「……(じーっ)」
殺すのもなぁ。どうやったところでねぐらが汚れそうだ。
「……(じーっ)」
しかたない。どうにかして自分で出て行かせるしかないか。結論が出たので説得をしようと目を開け――
「っ!?」
「?」
目の前からこちらを覗きこむ紅い瞳に心底驚いた。
「お前は誰だ。どうやってここに入った」
驚愕を押し殺し、腰を下ろして少々険のある声で尋ねる。
「わからない」
「あぁ?」
「名前も、どうやってここまで来たかも。気づいたらこの前に転がってて、なんでここにいるのか思い出そうとして、それで――ッ!!」
「!?おい、どうした!」
目の前で話していたガキが突然頭を抱えて苦しみ始めた。
「おい大丈夫か!」
「いたい、いたい、 だれ なんていって――」
そしてそのまま倒れて動かなくなる。
「くそっ。本当に厄介なことになりやがった」