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常華*打ち切り版  作者: タナトス
第1章 邂逅
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Scene8

よく考えると銃を渡しても白がきちんと使えるかわからないことに気づき急いで戻っていたのだが――

「問題なかったみたいだな」

「ん、大丈夫」

どうやらきちんと使えていたようだ。縛っていた敵は片方は縛ったときのまま気絶しており、もう片方は足を撃ち抜かれて呻いていた。

「よく殺さずにおさめられたな」

「ん」

無表情ながらも誇らしげな様子の白に苦笑しながら頭を撫でる。

「さて、じゃあこいつらとちょーっとお話ししてくるか。白、とりあえずそこらの物陰に隠れてろ、こっちの音が聞こえないぐらいの場所にな。10分ぐらいしたら戻ってこい」

「ん、わかった」

そういってするりと窓からビルに入り消えていく白を見送り、少ししてから捕えたやつらに向きなおる。

「起きてるのはお前だけか」

「ひいっ」

悲鳴を上げどうにか後ずさろうとする男の頭を掴み引き寄せる。

「手早く済まそうか、お前らは何だ、なぜ俺のねぐらを漁っていた」

「そ、それは……」

こちらの質問に言い澱む男に少々驚く、低い練度だったからあっさり吐くかと思っていたのだが。まあ簡単に言わないなら――

「まず一本」

「え っぎ、ぎゃああああぁぁぁぁぁぁっ!」

とりあえずナイフで右手の親指をわざと傷口が引き攣れるように強引にたたき切った。

「いてえ、いてぇよ。指が、俺の指が、なんでこんな」

「ここから俺の質問に10秒以内に答えなかった場合順番に指を切り落とす。指が無くなれば腕、足と体の端から順番に切り落とす。まぁいつ喋るかは任せるがなるべく早く吐くのをお勧めするぞ?」

目の前の男の顔がはっきりと恐怖にひきつる。しかしそれでもまだ迷いが見えた。どうやらこいつの上司は練兵は不十分でも脅しはきちんとやっていたらしい。なら

「はい10秒経過。今度は左な」

「ひっ、ま、まっ」

当然待たずにたたっきる。

「ぎゃああぁぁぁぁぁっ!」

「次は右足の親指だな」

「待ってくれ!しゃべる、しゃべるから待ってくれ!」

「ほら次の指まであと7秒だ」

「俺たちは解放軍だ!」

「だろうな、旧式とはいえ銃火器で武装した亜人集団等お前等ぐらいだろう。で?その解放軍サマが俺のねぐらで何してたんだ?」

「知らないっ!俺はいきなり隊長に呼ばれてあいつらがあのビルを調べてる間ここら辺を警備しろって言われてただけなんだ!」

「知らない?」

「本当だ!頼むもう許してくれ!」

「ふむ……そいつがお前の言う隊長か?」

初めに捕まえたやつを指さし尋ねる。

「そうだ」

今度はねぐらで捕まえたやつを指さし尋ねる。

「で、こいつがお前の言う『あいつら』で間違いないか?」

「そうだ、なぁ頼む、俺はほんとに何も知らないんだ。だから」

「お前はこいつらと今日まで面識は無かったと」

「ああ、こいつらとは今日初めて会った。これまで解放軍でも見たことがない」

「そうか、よくわかった。いやお前の情報はなかなかに有益だった」

これまでの恐怖に満ちた表情に喜色が浮かぶ。

「なら――」

「ああ、死ね」

さっくりと首をへし折り男を殺し、隊長とやらを叩き起こす。

「ぐっ、くそっ、なにが」

「よう、お目覚めか」

「なっ、貴様っ!がっ」

起きて早々俺を見て擬態を解こうとした隊長の腹を殴り動きを止め、とりあえず肩を外す。

「があぁぁぁぁっ!」

「今から俺の質問にお前が答えるまでお前の体の関節を端から順に砕くか外す。俺の質問は二つ、お前らは何をしにここに来たのか、俺のねぐらを漁っていたやつらは何者なのかだ。答える気になったら言え」

「ぐっ、そんなことを言うわけがっ!」

「まずは指」

何やら啖呵を切ろうとしていたが気にせず右手の指をすべて逆方向に曲げてやる。

「ほう、悲鳴は上げないか。まぁがんばれ。発狂する前に喋ってくれると助かる」

「何をぐっ!」

何か言おうとしていたが構わず左手の指を逆方向に折り曲げ、両肘を砕き、左肩を外す。その調子で両膝を砕いたあたりでとうとう泣きが入った。

「次は――」

「わかった!しゃべる!俺たちはあいつらの護衛できた!」

「あいつらの目的は」

「っそれは……」

「仕方ない、まだ砕くか」

「ひっ、まっ」

まだ喋らない強情さに少々感心しつつもとりあえず左足の付け根を踏み抜く。

「ぎゃああああぁぁぁぁぁっ!」

「しゃべる気になったか?」

「っ、捜索だ!」

「なんの」

「詳しくは知らない……本当だ!信じてくれ頼む!俺も教えられていないんだ!ただ極めて重要なものだとしか聞いていない!」

「ふむ、まぁいい。で?あいつは何者だ」

「わからない。俺も今日まで見たことがないんだ。だが……」

「だが?」

「支部長が子飼いの部隊を持っていると聞いたことがある」

「こいつらがそれだと?」

「おそらくは」

ふむ、思ってたよりでかい事態だったみたいだな。

「さて」

「殺さないでくれ、と言っても無駄か?」

「ああ、無駄だな」

「は、はは、だよな……なあ」

「なんだ?」

「俺は何を間違えたんだ?なんでこんな目に……」

メキョ

「知るかボケ」

ふざけたことをぬかし始めた阿呆の頭を握り潰して残った男に向きなおり

「さーて、こいつに話を聞けば色々わかるかねぇ」

とりあえず腕を折って目を覚まさせる。

「グッ!? 貴様!」

「はい余計な事をしゃべらない」

「がっ」

何やらわめこうとしていたのでとりあえず腹を殴って黙らせる。さっきのあほの発言でどうにもイライラするしここまで時間もかけすぎた、手っ取り早い方法で行くとしよう。

「いまからお前の体を端から切り落としていく。いつ喋るかはお前次第だ」

「んなっ「はいスタート」ぐあっ!」

「まずは指からな」

「グッ、無駄だ、こんなことをしても俺はしゃべらな「うるさい」ぎっ!?」

何やら元気そうなので右手の指をまとめて切り落とす。

「まあお前がしゃべらないなら残念だがべつにいいさ。殺すついでにやってるだけだからな」

「なに?!」

「はい次」

「ぐぅっ、貴様正気か!?」

「どうだろな、はい次左手な」

「ま、待てぐぁぁぁっ!??!!」

おやよそ見してたら肘からいってしまった。

「悪い悪い手じゃなくて腕になっちまったな。まぁ大差無いしいいよな?しゃべらないんだろ?だったら死ぬだけだしな」

「ッッツ!?まてわかったいうからたのむまてまってくれぎゃぁぁぁぁっ!」

「あ?なんだ何か言いたかったのか?何も言わないんじゃなかったのか?」

「言う!言うから待ってくれ!」

「ふーん……まぁいいけど、で?」

「俺は支部長の直属部隊の人間だ」

「知ってる。それだけか?」

「待て!まだある、今回の任務は『種』の捜索だった」

「『種』?何だそれは」

「それは……」

「ハァ」

「ま、待て言うから待て!『種』とは「ッッツ!?」ぐるぽ」

いやな予感がして慌てて飛びのいたら目の前の男の頭が突如パアァンッと音を立てて弾け飛んだ。

「頭に爆弾でも入れられてたのか?しかし『種』ねぇ……」

突如現れた少女、後を追うように現れた解放軍、しかも頭に爆弾まで入れられた支部長とやらの直属部隊つき。

「関係ないってのはやっぱ無茶があるよなぁ……本当に無駄にあたる『勘』だ」

如月の言葉を思い出してため息をつきながら男達の残骸をすぐそこの路地に放り込む。

「さて、白ー近くにいるかー?」

「呼んだ?」

「おおいたか。近くにあいつらのお仲間がいないとも限らない、すぐに戻って夜逃げの準備だ。急ぐぞ」

「ん、わかった」

さて今度はどこらへんに行くか、面倒にならないといいんだが、等という叶いそうにないことを考えながら白を連れてねぐらに向かった。


ストック無くなった……orz

続きはだいぶ先になるかもしれません。


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