遅刻した…!
…私は運が悪いです。
廊下には立たされた私はある人物を見つめていました。
「あかり…。」
「ひ…光…。なんで…。」
光がニヤリと笑ったような。
「私、今日からこの学校に通うの。よろしく。」
「な゛っ…。」
なにぃぃ〜〜〜〜〜!?
ガラッ…
「うるさいぞ!槙原!あ…。ちょうど良かった。槙原、入ってくれ。」
「はぁい!!」
「馬鹿!お前じゃない!」
パタン。
何も『馬鹿』って漢字で言わなくたって。
しかし、私にとって、光がこの学校に来たことが、大ニュースならぬ大姉妹問題となりそうな気がしていたのです。
「はじめまして。槙原 光です。よろしくお願いします。」
ザワザワ…
「前はどこの学校にいたんですか?!」
「えっと…。東京練馬区東高校です…。」
「すると!ちがう県からやってきたわけだ!!」
教室内の声が全て聞こえてくる。
つーかここ東京です。
「しずかにぃ!授業の続きだ〜。質問は後にしろ!!」
あれから何時間たったのか。
私は廊下に死んだように眠っていたらしいです。
「昨日2時(深夜)に寝たからなぁ…。それにしても成田のやつ、『そんなに寝たかったら廊下で放課後まで寝てろ!』ってどーいう意味よ。」
私は帰りの道を歩いていました。
「あかりぃぃ〜〜。」
振り返ると親友の伊藤 優花が。
「優花…。」
「はい、これ!」
優花に手渡されたものはノート。
「今日ずーっと廊下だったでしょ。」
「優花、最高。」
「あはは。」
「ところでさ〜〜。今日転校してきた“光ちゃん”?なんかさー、男子にモテモテらしいよ〜。彼氏が光ちゃんのとこ行っちゃったってコもいたし。なんかウザくない?」
「あ〜。やっぱり。」
「やっぱりって…。あかり光ちゃんのこと知ってんの?」
「あたしの妹だもん。」
「うっそ〜〜〜〜ん!なんで今まで教えてくんなかったの!?…じゃー双子?…だよね!」
「ううん。異母姉妹だから。」
「フクザツ!」
「わかってんなら言うな!」
そして私たちは別れた。




