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 俺のクラスには人外がいる。

 そして、俺の名前は真心(まごころ)里李(さとり)という。


 俺は夏に、この学校に転入してきた。この学校の一番の美少女と共に。

 その美少女は真野エリカという。真野エリカはこの一ヶ月で四季(しき)一鏡(いっきょう)と呼ばれる美形生徒会の五人を誑かしたと有名だ。

 でもそれは女子が僻みで流した噂らしい。でもそういう姿を見たところがあるらしい。これ、全部人からの情報だ。

 だが俺は、友達が多いわけでもなかった。


 勝手に(・・・)情報を(・・・)横取り(・・・)したのだ(・・・・)

 さきほど、繰鼠から問われた、妖怪の存在の有無。

 いると思うかと問われ、頷いた。

 当たり前だ。俺がその妖怪なんだから。でも、人間の血も流れているから半妖、ってことだな。

 そんなわけで、俺はキツネの妖怪で、サトリの能力を得意としているわけだが。


 この学校は、異常だ。特にこのクラスは、異常。


 真野エリカは兎。猫山日向は猫又。羊川一狼は大狼。骨宮犬は犬。繰鼠りすはりす。俺、真心里李は狐。担任も生徒会も転入生も同級生も風紀委員も皆みんな、妖怪である。

 妖怪と言っても、人間がそうぞうする妖怪とは違く、〝そういう力〟を持っていれば妖怪である。犬でも狐でも狼でも、力を持っていればただの動物ではなく妖怪、ということ。


 まあそれはいいが、今俺は混乱している。

 放課後忘れ物をして教室に行ったら、皆が獣耳を装着していたのである。



「――」

「――――」



 沈黙。



「そんなに、ケモミミ趣味がいたとは――!」

「あー……、まあ、な」

「お、おう」



 俺が言えば、そこにいる皆が目を逸らしながら頷く。

 俺が知らないふりをしているのは、面倒だからだ。妖怪仲間がなんだとか、面倒くさい。俺は別に仲良くなりたいとは思っていない。


 これは、俺の正体がばれるまでの物語。


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