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 俺のクラスにはリスみたいなやつがいる。

 そいつの名前は、繰鼠(くりねずみ)りすという。


 なんでもそいつには、頬袋があるらしい。らしい、と他人から聞いたように言っているが、俺は実際それらしき場面を見た。

 あれは、昼休みにアイツが弁当を一人で食べていた時だ。俺も日向が委員会でいなくなり、一人だったとき、そいつを誘って一緒に食べようとしたんだ。

 繰鼠は綺麗で男子からも女子からも密かに人気だが、本人が人を寄せ付けない性格をしているため、この時俺はどうかしていたんだと思う。

 頭の中で、溜息のBGM。


 そして今日も、繰鼠は一人でいた。ように見えた。

 中庭で一人でいて、何をしているのか。そう思ってのぞいてみると、繰鼠だけではなく、日向に羊川、骨宮までいた。何かを話しているようだ。

 何の話だろう?



「ばれてるって、絶対」

「でも嘘ついているようじゃなかったぜ?」

「それでもさあ、二回も見たんだよ?」

「俺のこれをそういう趣味だって言われたんだけど」



 ううむ。よく分からない。

 どういう話だ?

 何がばれるんだ?

 もう、面倒くさいや。



「おい、何の話?」

「にゃ!?」



 可愛い泣き声を出したのは、日向だ。



「よ、よお、お前、こんなところで何してんだ?」

「いや、アンタらこそ何やってんだよ? コソコソと」



 そういうと、目を逸らす一同。なんなんだ?



「ええい、まどろっこしいわ! お主、問うぞ!」



 お婆ちゃんみたいな話し方で俺をお主と言ったのは、繰鼠。



「――お主、妖怪はおると思うか?」



 うん、と頷く。

 だって、そう(・・)だしね?


 顔を真っ青にしている皆を背に、教室に向かった。

 もうすぐ授業始まるけど、アイツら知ってるのか? 知らせておけばよかったかも。



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