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剣聖と呼ばれた者  作者: 茶猫
-序章- 物語の続き
1/18

始まり始まり

有効活用したいので、ここでは、前回までのあらすじみたいなのを書いてみます


暇つぶしに読んで行ってくださいな!

「ねぇおばーちゃん! えーゆーさまのおはなししてー?」


五つの大陸の、どこかの民家。

暖炉には火が付き、パチパチと燃えて部屋をほのかに明るく、優しく暖めている。

その目の前には椅子に座ってうとうととする老婆がいた。

否、老婆と呼ぶには容姿はまだそれほど老いてはおらず、それが種族ゆえの特徴の現れであることを知ることができる。

ならばなぜ老婆なのか?

それは、彼女に近寄る元気な孫の声が証明する。

自分の眠りを妨げられたというのに、目を細めて孫に笑顔を送るその姿は心優しい祖母という姿だ。


「まぁた、英雄様のお話かい? リナは英雄様が大好きなんだねぇ……」


あたりはすっかり暗くなり、暖炉の明かりを受ける孫の顔には、影ができて様々な表情に見える。


「うん! あたちも、おおきくなったらえーゆーさまや、

 ととさまみたいにまものとたたかうんだー!」

「そうさねぇ……じゃあ今日は、『剣聖』様のお話をしてあげよう……」


目の前で剣を振るフリをし、精一杯に胸を張る孫をとても愛おしく眺める祖母は、孫の頭をなでてある一人の英雄の話を始める。

その名前を聞いたとき、孫は目を爛々と輝かせた。

暖炉の火を受けたエメラルドグリーンの瞳は、期待という言葉で彩られている。


「わーい! あたち、『けんせい』さまがいっちばんすきー!」


ゆっくりと話し出す、昔の英雄のお話。


「……『剣聖』様はね、わし等エルフと違って、人間族じゃった。

 『剣聖』様は、その名の通り、剣術なら右に出る物はいないとされるほどの、剣士様だったのじゃ」

「あたちや、ととさまよりも?」

「ああそうさ、わしの息子である、リナ、お前の父なんかの何百倍も強かったのだ……」


目をつぶり、勇猛果敢な剣士の姿を浮かべる祖母の姿に、リナはとてもうれしそうに話す。


「へー、ととさまも、つよいけど、『けんせい』さまはやっぱりもっとも~っとつよいんだね!」

「『剣聖』様はねぇ、様々な剣技を持っていたんだよ。

 その中でも、失われた剣技を扱えるのは、世界中で、彼だけだったのさ。」

「うしなわれたけんぎ?なくなちゃったの? アタチも、つかってみたい!」

「……私も見てみたいよ、使えるお人が、もうこの世にはいなくなっちまったからねぇ……

 魔王軍に勝った時に、彼が姿を消してから、文字通り失われちまったのさ……

 せめて、『剣聖』様に弟子がおったなら、その人が技を伝えてくださっただろうに……」


とても残念だ。

そう、困った顔で言う祖母の気持ちは、彼女も英雄に対しての何らかの気持ちがあることがわかる。

リナはそんな祖母の見ながら、彼女の気持ちを表すかのようにガッカリし、そして胸をドンッ!とたたく。


「そっかぁ、つかえないんだー……

 でも、あたちには、『けんせい』さまがつかっていた、ワザがなくってもだいじょうぶ!

 ととさまにおそわったワザがあるもん!」


鼻から息を吐き出し、もう一度まだまだ小さな胸を張りながらニコニコと笑う。

そんなリナをみて、祖母ももう一度、愛おしい孫の頭をなでる。


「そうか、そうか、リナはいい子じゃ……でも、無理はしちゃ、いかんぞ?

 さ、今日はもうお休み……夢に、『剣聖』様がでてくると、いいね」

「はーい!おやすみなさーい!!」


いつの間にか弱くなった暖炉の火は、それでも暖かな心を持った二人の家族に負けないくらい、あたりを暖めていた。



書き直しました!

もともとはセリフのみだったんですが、

ちょっと描写力の練習を、と思い、やってみました。

ちなみにセリフはほとんど変わってないです

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