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結果論1
私は、走る。
ただ、ただ、ひたすらに。
はじめは、歩いていた。
ゆっくりと。
横には、必ず誰かがいて、その『誰か』とずっと一緒にいられるように、と。
一緒にいられる幸せを噛み締めるように。
トコ、トコ、と。
わたしより、ずっと背の高い男の子や、髪の長い女の子、活発な感じの子に、ショートヘアーの子。
その時、その時で『誰か』の姿は違っていた。
だけど、必ず一緒に歩いていた。
ただ道があるだけの真っ白な世界を。
ゆっくりと。
はじめは、歩いていた。
ゆっくりと。
一歩一歩を、しっかりと踏み締めて。
幸せを、噛み締めて。
だけど、いつしか、当たり前だと、感じてしまっていた。思ってしまっていた。その『幸せ』が。
彼女達の、彼らの横にいられるという事が。
気付くと、小走りになり、そして、走っていた。
ただ、道があるだけの真っ白な世界を。
『誰か』との距離は少し、でも確実に離れていた。
わたしは、走る。
ただ、道があるだけの真っ白な世界を。