表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生エルフの天才美少女科学者、料理概念ゼロの世界で家庭料理無双始めました ~研究に集中したいだけなのに、飯テロ聖女と勘違いされて困ってます~  作者: 藍埜佑
第1章:転生エルフと料理なき世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/155

第1章8節: 警戒、そして安堵と興味

 カイは姉にしがみつきながら、何かを一生懸命に説明しているようだった。私のスープがいかに「美味しかった」か、ということを伝えているらしい。姉の方は、まだ半信半疑といった様子だったが、カイが無事であること、そして怯えている様子がないことから、少しずつ警戒を解き始めているのが見て取れた。


「……あたしはリリア。カイの姉です。弟を助けてくれたみたいで……その、ありがとう」


 リリアと名乗った少女は、まだ少しぎこちないながらも、鉈を下ろし、私に向かって頭を下げた。礼儀は弁えているらしい。


「礼には及ばない。偶然通りかかっただけだ」


 私は素っ気なく答える。感謝されること自体に興味はない。むしろ、早くこの場を離れて研究の準備に取り掛かりたい。


 リリアはカイを抱きしめながら、ふと、カイが飲んでいた木の葉の器と、焚き火の跡、そして石の即席鍋に残ったスープの残り香に気づいたようだった。鼻をくんくんとさせ、不思議そうな顔をしている。


「これ……あなたが作ったの? なんだか、すごく……いい匂い……?」


 この世界にはない「料理」の香り。それは彼女の嗅覚を強く刺激したのだろう。その瞳には、警戒心に代わって、強い好奇心が浮かんでいた。


 私は無言で、石鍋に残っていたスープを木の葉の器に少量注ぎ、リリアに差し出した。言葉で説明するよりも、実際に体験させる方が早い。それに、彼女たちの反応は、この世界の食文化レベルを探る上で貴重なデータとなる。


 リリアは一瞬ためらったが、好奇心には勝てなかったらしい。恐る恐る器を受け取り、スープを一口、口に含んだ。


 次の瞬間、リリアの目がカイと同じように、驚きに見開かれた。


「なっ……!?」


 声にならない声を上げ、口元を押さえる。その表情は、困惑と、信じられないという驚愕、そして明らかに「美味しい」と感じていることを示していた。


「こ、これ……本当にあなたが……? ただの木の実に葉っぱ、それに水と……石? なのに、なんでこんな……!?」


 リリアは混乱したように私とスープを交互に見る。どうやら、私の予想以上に、この世界の食は単純なもののようだ。これほどの反応を引き出すとは。私の料理知識は、この世界ではあるいは、とんでもない「チート」能力になるのかもしれないな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ