表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生エルフの天才美少女科学者、料理概念ゼロの世界で家庭料理無双始めました ~研究に集中したいだけなのに、飯テロ聖女と勘違いされて困ってます~  作者: 藍埜佑
第31章:収穫の舞、巫女の憂鬱:ハルカ、未知のステップに挑む(前編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

293/293

第32章2節: エルフの身体とリズムの共鳴:ハルカ覚醒!

「……今の、すごく良かったよ、ハルカさん!」


 リリアが、私のほんの僅かな変化を見逃さず、ぱっと顔を輝かせた。


「え? そ、そうか……?」


 私自身は、まだ何が起こったのかよく分かっていない。ただ、先ほどまでの、身体に重りがついたような感覚が、少しだけ軽くなったような気がするだけだ。


「うん! なんていうか、ハルカさんの動きが、急にスーッて滑らかになった感じ! ね、ネルちゃん、リーリエちゃん!」

「はい! お師匠様、さっきのステップ、とっても綺麗でした!」

「お姉様、まるで別人のようですわ! 何か、コツを掴まれましたの!?」


 三人の少女たちの、興奮したような声。私は戸惑いながらも、もう一度、彼女たちの手本に合わせてステップを踏んでみた。


 すると、どうだろう。


 前世では、あんなにも私の言うことを聞かなかった手足が、今はまるで、水を得た魚のように、軽やかに、そして()()()()()()()()()()()


音楽のリズムが、私の身体の奥深くまで浸透し、エルフの鋭敏な聴覚が、その微細なニュアンスまで正確に捉える。しなやかな筋肉と関節が、無理なく、そして優雅に、舞の型をなぞっていく。


 ()()()()()()()()()()()()


 身体が、エルフとしての本能が、音楽とリズムに共鳴し、自然と正しい動きを導き出しているかのようだ。


 (……なぜだ……? 踊れる……? ()()()()()()()()()()()()!?)


 信じられない。


 だが、現に私の身体は、リリアたちの舞と完璧にシンクロし、豊穣の舞の複雑なステップと手の動きを、次々と正確に、そして美しく再現していく。それは、もはや「練習」ではなく、純粋な「舞」そのものだった。


 そうか、私は忘れていたのだ。


 この身体は、もはや前世の運動音痴な私のものではない。エルフという、自然と調和し、マナの流れを感じ取り、そして悠久の時を生きる種族の、強靭で、鋭敏で、そして美しい肉体なのだということを。


 私の脳が、前世のトラウマから解放され、このエルフの身体が持つ本来のポテンシャルを、ようやく受け入れ始めたのかもしれない。


「お師匠様、すごーい! まるで踊りの女神様が降りてきたみたいだよ!」


 ネルが、両手を叩いて歓声を上げる。


「ハルカお姉様の舞、本当に……本当に、お美しいですわ……!」


 リーリエは、うっとりとした表情で、涙さえ浮かべている。


「なんだ、ハルカさん! 最初からちゃんと踊れたんじゃない! もう、心配させないでよー!」


 リリアは、安堵と喜びで、いつものように私に抱きついてきた。

 だが、その時の私は、彼女たちの賞賛の声も、ほとんど耳に入っていなかった。


 (……楽しい……! 踊るとは……踊れるとは、()()()()()()()()()()()()……!)


 生まれて初めて、私は「踊る」という行為そのものに、純粋な楽しさと、そして言いようのない高揚感を感じていた。


 音楽と一体となり、身体が自由に動き、感情が解き放たれていく感覚。


 それは、科学的な探求や、料理の創造とはまた異なる、根源的な喜びだった。


 私の心の中で、何かが大きく変わろうとしている。そんな予感が、確かにあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ