第15章5節: 集まる村人と聖女(?)への期待
私が新しい「何か」を作り始めると、アッシュウッド村の村人たちは、すぐにそれに気づき、どこからともなく集まってくる。
彼らにとって、私の行動は常に予測不可能であり、そして常に「何か新しい、素晴らしいもの」が生まれる前兆なのだ。
「おい、また聖女様が何か新しい器械を作っておられるぞ!」
「今度は一体、どんな奇跡を見せてくださるんだろうな?」
「きっと、また素晴らしい料理を作ってくださるに違いない!」
「おお、なんという素晴らしいお恵み……! 生きててよかった!」
……また始まったか。
私は彼らの、相変わらずの「聖女様」賛美と、過剰な期待の声を聞き流しながら、黙々と燻製器の製作を続ける。訂正するのも、もはや億劫だ。彼らは彼らの信じたいように信じればいい。私が作るものは、あくまで私の探求心と、そして私自身の食欲を満たすためのものなのだから。
だが、彼らの期待に満ちたキラキラとした視線は、正直なところ、少しだけ作業のモチベーションを上げてくれるのも事実だった。誰かに喜んでもらえるかもしれない、という予感は、創造活動において決して悪いスパイスではない。
やれやれ、と私は内心でため息をつきながらも、燻製器の最後の仕上げに取り掛かった。扉の取り付け、煙の排出口の調整。数時間後、私の目の前には、やや不格好だが、機能的には十分な、手作りの燻製器が完成していた。




