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転生エルフの天才美少女科学者、料理概念ゼロの世界で家庭料理無双始めました ~研究に集中したいだけなのに、飯テロ聖女と勘違いされて困ってます~  作者: 藍埜佑
第15章:薫風来たりて:燻製器と新たな宴

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第15章1節: 研究者のコーヒーブレイクと厨房の景色

 シルヴァミルでの賑やかな調査旅行から戻り、アッシュウッド村での日常は、比較的穏やかなものへと回帰していた。


 もちろん、リリアやアリア(彼女は時折、グレイアムと共に村を訪れるようになった)が私の小屋へやって来ては、新たな料理の催促や、私の研究に対する素朴な(そして時々鋭い)質問を投げかけてくるので、完全な静寂とは言い難いのだが。


 その日も、私は研究の合間に、いつものようにコーヒーブレイクを取っていた。


 新たにシルヴァミルで手に入れた、コーヒー豆に似た焦げ茶色の木の実。


 これを丁寧に焙煎し、極力細かく砕いてから、自作のろ過器でゆっくりと湯を注ぐ。小屋の中に広がる、香ばしくもどこか野性的な香り。悪くない。前世のブルーマウンテンとは比ぶべくもないが、この異世界でこれだけのものが楽しめるなら上出来だろう。


 熱い液体を啜りながら、私はふと、小屋に併設した厨房スペースへと目をやった。


 そこには、私がこの世界に来てから作り上げてきた、数々の調理道具が整然と(私の基準ではだが)並んでいる。


 赤土を焼き締めて作った大小様々な土鍋、何度も叩き直してようやく形になった鉄製のフライパン、様々な用途に合わせた数種類の包丁、麺を打つための太い麺棒、味噌や醤油もどきを熟成させている大きな発酵用の樽……。


「……ふむ。我ながら、よくこれだけのものを作り上げたものだ」


 私は内心で、ほんの少しだけ自画自賛した。どれもこれも、あり合わせの材料と、前世の知識、そして僅かな魔法を駆使して、試行錯誤の末に生み出したものばかりだ。その一つ一つに、私の苦労と工夫の痕跡が刻まれている。


 コーヒーを飲み干した私は、カップを置き、おもむろに立ち上がった。


「さて、少し道具の手入れでもするか」


 まずは、最も使用頻度の高い包丁からだ。私は壁にかけてあった数本の包丁の中から、主力の牛刀(もちろん、これも自作だ)を手に取り、これもまた自分で探し出した目の細かい砥石へと向かった。


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