第14章6節: 湖畔の町「シルヴァミル」到着
数日間の、賑やかで(私にとっては少々騒がしい)旅路を経て、私たちはついに目的地の湖畔の町「シルヴァミル」に到着した。
馬車が丘を越えると、眼下に大きな湖が広がった。その名の通り、陽光を反射して銀色に輝く美しい湖だ。そして、その湖畔に寄り添うように、シルヴァミルの町並みが見える。石造りの家が多く、アッシュウッド村よりは明らかに規模が大きく、整然としている。湖には多くの小舟が浮かび、漁業が盛んであることが窺える。
だが、近づくにつれて、町の活気のなさが気になった。広場には人影がまばらで、道行く人々の表情もどこか暗い。グレイアムが言っていた「住民の活力低下」というのは、本当のようだ。
私たちが宿泊するのは、町で一番大きな宿屋。
辺境伯家からの紹介状のおかげで、最良の部屋を用意されていた。グレイアムは、まずは領主代理として町の代表者たちと面会し、状況を詳しく聞き取るという。私はその間、アリアとリリアを伴って、町の中を軽く視察することにした。
「わぁ、大きな湖! お魚がたくさんいそうですわね!」
アリアは湖を見て目を輝かせている。
「でも、なんだか町の人たち、元気ないみたい……。アッシュウッド村の方がずっと賑やかだよ」
リリアは鋭く町の雰囲気を察知している。
「ふむ。まずは、この町の現状を自分の目で見て、情報を集めることから始めるとしよう」
私は、この美しい湖畔の町が抱える問題の根源に、静かな闘志を燃やし始めていた。




