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四神相応  作者: たま
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嵐山竹林

「だから、アキラは付いてこなくてイイって!

大丈夫だって言ったじゃん!」

「いや、怪しすぎるだろ!絶対、裏があるって!」

嵐山のバイト先から給料明細を渡したいと連絡があった。

ついでに謝りたいと。

元カノが辞めたらしくて、その時に見波をダマして

お金を貰っていたこと等を話していったらしい。

店長から謝られ、店の串団子をプレゼントされた。

アキラと見波で2本。 

なんか割に合わない…

そして彼女からの言伝だと封筒を渡された。

中身はただの地図だった。

桂川の向こうの竹林のある地点にバツが描かれている。

見波がノコノコそこまて行こうとするので、アキラがついてきたのだ。

「僕には信じられないな。あの女じゃなくお前だよ!

あんだけダマサれてエラい目にあったのに、

また行くのかよ!」アキラが串団子を食べながら呆れている。

「きっと教団で大変な目に遭ってると思うんだ!

これはSOSだと思うんだ!行かなきゃ!」

見波はもう聞く耳を持っていない、ズンズンと竹やぶの道を進んでいく。

「アキラは、教団と接触したいんだろ?

知ってるよ、俺。

幽霊達消した時も仕方ないって感じだったけど、すごく楽しそうだった。

でも今度は『人間』だから。どんな奴らでも危害加えちゃダメだよ。帰った方が良い。」

後のアキラの方を振り返り見波が言う。


「本当にお前って、バカだなあ〜

人間は幽霊よりずっと恐い生き物なんだぜ。

まっ、これからそれを十分味わえると思うけどな…

あ〜臭いしてきたな〜やっぱり!」

「臭い?何にも臭わないけど?」言われて見波も辺りの匂いを嗅ぐが分からない。

「進めば分かるよ。ココから道それるんだろ?

人目についたらヤバいしな。」

まるで見てきたようにアキラが言う。

確かに林道から逸れて、竹の生け垣を越えて行くしかない。

かなり高さがある。

人の背丈くらいだ。

よじ登り竹藪の中に入る。

すごく手入れされた竹林なので暗くはない。

一定間隔で美しい竹が並んでいる。

が、確かに銀蝿が増えてきた。

そして臭う、臭い!

嗅いだことがない臭さだ。

「そろそろバツ印の地点なんだけど…彼女は?」

見波は、周りをキョロキョロする。

きっと彼女が悪い奴らに拉致られてて、それを助けるイメージなんだが。

誰もいない???

「目の前に居るじゃん、ほら、あっち」

アキラが指さす方を見る。

が、竹しかない。

ただ黒ずんだ太い竹が2本あるだけだ。

「もっと近付かないと分かんないか!行くぞ!」

またアキラが笑ってる、ひどく面白そうに。

その竹に近付くと、切られた竹に干からびた人間が

串刺しにされていた。

かなり腐敗が進み…まるで串団子みたいになっている。

服の切れ端みたいな物が張り付いている。

知ってる!これは、彼女が良く着てた花柄ブラウスだ。

「うあああああ〜ッ」見波は天を仰いで叫んだ。

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