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四神相応  作者: たま


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33/41

ローズとデイジー

「来てくれたんですね!ありがとうございます!」

船岡山の野外ステージは意外に簡素でデイジーとローズが直で迎えてくれた。

観に来てるのは50人もいない。

あの平安神宮近くのコンサートホールは、すごい人だったのに…

見波が周りを見てキョロキョロしてるのでローズが察する。

「ホールは、マスコミも観に来てたし教団員が総出でサクラしてくれたんだよ。

何より広瀬マリア姉様がもう亡くなってしまうから、それを皆観に来てたし…」ローズが申し訳なさそうに言う。

「ポッと出の私達なんて、教団のサポートがあっても

こんなものです。」デイジーが自嘲気味に俯く。

「何言ってんの!スゴく魅力的だよ!2人の歌も踊りも!

教団関係なしにファンです!頑張って!」見波は2人と固く握手してもらった。

「ありがとう」と言う2人の溢れる笑顔と握手ですっかり舞い上がった見波はアキラの居るベンチの戻って来た。

「顔が最高に気持ち悪いぞ!」アキラが引いている。

「もう、俺、一生手洗わない!」ニマニマしながら見波が席に着いた。

明日の有名アーティストのステージの対応で忙しいのか?

スタッフも最小限で白鷺もいない。

ライトも少なく薄暗い。代わりに松明が灯され、なんか儀式の会場みたいだ。

アキラは船岡山に着く前から、何度も目を閉じて集中するが、どうも白鷺の思考が読めないようだ。

「明日の千本通りの屋台やフードフェス、そしてアーティストのステージの事やらめちゃくちゃ忙しいみたいで全く思考が読めない。

次々ワードが出ては消えてゆき、追えない。

何より、どのワードにも感情が動いてない!」

アキラが苛ついてるのが分かる。

「絶対にこのステージ、仕掛けて来るはずなんだ!」

アキラが膝に手を置いて貧乏ゆすりしてる。

「どうして仕掛けてくると?」見波が聞く。

「この船岡山は、平安時代の玄武の場所なんだ。」

「えっ、じゃ貴船山行かなくても?」見波も驚く。

「有間の話では、有名な四神の場所では無いし観光地でもないが問題は無いようだ。

だから、絶対何かしてくるはずなんだ!」

アキラが確信してる。

「じゃあ、もう遺体があるんじゃないの?どこかに?」見波が周りの森を見る。

「昼から探したし天狗達にも探して貰ったが、それらしい物は無かった。」アキラが最高にイラついてるのが分かる。

「もしかして…今、周りに天狗いるの?」貴船ほど鬱蒼とした森ではないが木々には囲まれた野外ステージの周りの暗闇を見回す。

「ああ、いざとなったら手伝って貰う手筈だ。」


しかし、何も異変は起こらずコンサートが始まった。

生バンドを後ろに従えて、スポットライトに照らされた2人が歌い踊りだす。

すごく練習したのだろう。一糸乱れない歌声に踊りはすごく見応えがある。

3曲一気に歌い進みステージは暗転した。

とMCに入るのか?2人は後ろの足元に置かれてたペットボトルを各々取り水を少し飲んでからスポットライトの光の中に戻って来た。

息はまだ上がってる。

「デイジー、どう調子は?」まずローズが声掛けする。

「すごい気持ちいい〜!みんなわあ〜?!」肩で息しながらマイクを握り締めてデイジーが会場の皆にアピールする。

「うん、そうだね、私も…ウッ」とローズが話しかけた瞬間、目を見開いて倒れた。

「キャアアアアア〜ッ!ローズ!」デイジーが倒れたローズに駆け寄る。

が次の瞬間、デイジーもローズに覆いかぶさるように倒れた。

会場が騒然とする。スタッフやバンドメンバーもステージの2人に駆け寄る。

「しまった!ヤラレタ!」アキラがステージに走り見波も走った。

救急車を呼びに走るスタッフや心臓マッサージをしょうとする者も。

が、ローズとデイジーの口からは泡があふれ血も混じり

その目は見開いたまま事切れていた。

「ダメだ、死んでる。」アキラの言葉にそこに居た皆が沈黙する。

「そんなあ〜なんでだよ!今の今まで元気に歌ってたのに!」見波が怒鳴る。

アキラがスポットライトの外の床に目をやる。

そこには飲みかけのペットボトルが置かれてる。

2人が気づきやすいように黒いラメで作られた亀のマスコットが付けられていた。

「すでに仕掛けられてたんだ。」アキラが振り絞るように呟いた。


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