野外ライブ
「え〜行く気かよ!ライブ!」アキラが呆れている。
「だって、この間途中で抜けたし。
今度は野外でチケットいらないし…」と色々言い訳しながら見波がローズとデイジーの野外ライブに行く気だ。
「その日は、教団のフェス潰そうとしてるんだけど…
分かってる、見波君?」
有間もちょっと困ってる。
「ちょっとだけ!ちょっとだけで、良いんです〜
当日は有名アーティストが呼ばれるらしいから、前夜祭でローズとデイジーが演るみたいなんで〜ねっ?」
フェスのプログラムもしっかり貰ってきてる。
プログラムを奪ってアキラが驚いてる。
「本当に人を掻き集めたいんだな。
こんな有名人まで呼んで。当日は、五山の送り火みたいにならないか?」アキラが紙を有間に見せる。
オリコン1位常連の人気アーティストを呼ぶことにしたらしい。
朝からニュースもそれで持ち切りだ。
白鷺が電撃ゼノンのブラックだった事も流されたが、そのアーティストとは下積み時代の顔見知りなようだ。
白鷺は音楽もやっててライブハウスでアーティストと
同じ箱で演奏もしていたらしい。
「彼は、アーティストか俳優か悩んでたみたいでモデルもやってたんだよ〜まさに万能!
ただ、薬の噂もあったし、ゲイクラブに出入りしてるのがバレたみたい。
それで一瞬で消えたんだ。」
「それだけで?」見波が驚く。
「まだ駆け出しだったしね〜若い女性のファンが多かったから、致命的だったんだろね。」有間が気の毒そうに言う。
「教祖との出会いは?」アキラが聞く。
「西本は会社辞めて東京出たらしい。までは言っただろ?
どうも歌舞伎町でゲイバーをやってたらしい。
実家とも断絶してたのは、そのせいみたいだ。
消息が掴めなかったはずだよ。
名前も変えて夜の世界にいたんだ。」有間が興信所の報告書を見せる。
「じゃあ2人はそこで!」見波が身を乗り出す。
「そう、歌舞伎町のゲイクラブで2人は出会ったんだ。
失意の白鷺を慰める感じで同居を始めてる。」
「そうかあ〜そんな経緯が。」見波がやけに感動してる。
「なんだよ?お前もその気あんのか?」アキラがからかう。
「そういうのキライだな!同性が好きだったら仕方ないじゃないか!
俺だって、アイドルとかキラキラブリブリした女の子、どうしても好きだし!
悪い女だって分かってても、好きなもんは仕方ないだろ!」見波が久しぶりにキリッとしてる。
そうだった。
元カノの手紙見て、助けに竹林まで走った男だった。
あんなヒドい目に遭ったのに!
「問題は、白鷺があまりに有能で、西本が山背から再生する可能性を聞いたのがアダになったな。」
まだ興信所の報告書には続きがあった。
「西本が10年前にガンになってしまった。幸い発見が早く手術が成功したが…転移してたんだ。
そこから手術、転移、手術、転移のイタチゴッコになり
金を掻き集めるために白鷺は新興宗教を立ち上げたんだ。」有間が報告書を読みあげた。
「なんかはじまりは普通の人間だったんだなあ〜あの人も。」見波がしんみりする。
「ガンは、いや病に人は、勝てないんだよ。
精神力でどうなるもんじゃない。」アキラが実体験として話す。
「でも諦めないのも、また人間なんだよね〜
アキラのご両親もそうだし、白鷺もね。」有間が優しく微笑む。
「前夜祭…行こうか?」アキラが見波の方を向いて話す。
「えっ、良いの?なんで?」
「それは…教えない、秘密だ。」
「え〜なんで〜なんで〜教えてよ〜ガフッ!」見波がアキラの顔周りをウザ絡みして1発くらう。




