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四神相応  作者: たま


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31/41

フェス

数日後、伏見区の田んぼで黒い袋が発見され中からバラバラの血のほとんど抜かれた腐乱遺体が発見された。

朝からテレビが騒がしい。

「発見に時間掛かったねえ〜仕方ないか!稲が育った水田に黒い袋とか見立たないし。」有間がシリアルの皿を片付ける。

「この暑さじゃ、田んぼの持ち主もそんなに見回りできないからな。

不本意だろ、白鷺も」

アキラがニヤニヤしながらテレビを見てる。

教団とは別件として扱われている。これは、かなり不本意だろう。

「位置的には正しい鳳凰の位置だが、今はただの田んぼだし、袋が黒では鳳凰じゃない。鳳凰は赤だ。」

食器を片した有間が2杯めのアイスコーヒーを飲みながら居間に来た。

「計画では血染めの袋で赤に見立てて梵鐘の下に置かれるはずだったんだよね、きっと。」見波もだいぶ分かってきた。

チャンネルを変えるとスタジオに座る白鷺が映し出された。

鳳凰と認識されなかった為、ほとぼりも冷めテレビにゲストとして出ていたのだ。

「お気の毒…」アキラが一層ニヤニヤしだした。


コメンテーターや司会からの2件の事件に関する嫌疑をサラサラと受け流し、一部で囁かれる四神の位置で儀式ではないか?の質問にも憮然と否定した…が、

表情が(かんば)しくない。

本当は、3箇所まで完成するはずだったのだが、失敗してしまったのだから。

あまりに会話が盛り上がらず司会が困り果てている。

「今日ご出演してくださったのは、教団で大規模なイベントがあるそうで…」討論らしい討論にもならず、

白鷺が全て一言しか返さないので、仕方なく話を進める。

急にニコッと微笑み、衣装を整えて姿勢を正した。

露骨すぎる。

「教団員にはすでに声掛けしてありますが、露店や教団アーティストのLIVE等も予定しています。

特に勧誘などありませんし、宜しければ皆様にも参加していただければと考えております。」

「良いんですか?一般参加も?」司会が台本通り質問する。

「はい、特に18歳以下の方は飲食なども全て無料になっております。フードフェスの会場もあるのでぜひいらして下さい。」

テレビのカメラに向かって微笑む。

「京都中の若い子が集まりますよ!大丈夫ですか?」

やっとコメンテーターが発言できた。

「はい、必ず皆さんの胃袋を満たせるよう教団挙げて頑張らせていただきます。」

「太っ腹ですね〜♪会場は?」

アシスタントの女子アナがクリップをかざす。

「千本通り商店街の皆様のご協力で二条駅から千本今出川まで沿道全てが屋台となってます。ステージは…」


「平安京の朱雀門から玄武門まで大内裏(だいだいり)の真ん中で何かしでかす気だな〜」有間が心配そうな顔をする。

「あそこら辺が元の御所の場所なんですか?デカいんですね〜」

「そう?皇居と同じだからね。それぐらいのスケールだよ。」

「ガキがいっぱい来そうだな〜

僕、絶対行かない!」アキラが最高に嫌そうだ。

顔に雑誌をカブって寝ようとする。

有間がその雑誌をどける。

「いや、絶対行かなきゃいけないと思うよ。若い子集めて血を大量に流さす気だ。」

有間が冷やかに無表情に言う。

「えっ、まさか、そこまで!」見波が驚き脅える。

「現代人には信じられないだろうが、王が死ぬ時、王があちらの世界で生活に困らないよう使用人や部下や一般人もほぼ街ごと殺して墓に埋めるのが普通なんだ、古代は。」

有間が古代の感覚を教える。

「僕の時代でも王の墓には100人くらいはお供が葬られた。それ以前はもっと殺されたらしい。」

「ヒッ!」

「古代はね〜人の命なんて庶民の命なんて虫以下だったんだよ。

儀式の度に大量に血を供給するためだけに庶民は存在したんだ。

白鷺は、再生の儀式を古代に則ってやりたいんだよ。

山背や僕が再生出来てるのは、それだけ沢山の血があの奈良の秋津島で流れた証だと考えたんだろう。

実際、僕と山背もうっすら感じてる。

神武天皇以前からあの地が特別だったのは、沢山の血が流れた場所だからなんでないかと。」

「そんなあ〜いくらなんでも…」見波が絶句する。

「実家には、3mの蛇行剣と言う神武天皇以前の奈良の何処かに埋まってる幻の剣が飾られてた。

現代人は儀式のための大太刀だろうと考えてるが、結局刀は人を殺す為のもの。

大量に人を殺す儀式を執り行う為だったんじゃないかな?」

なんだか有間がいつもの有間じゃないような…空恐ろしい古代の権力者みたいに見える。

「僕を殺した天智天皇はもしかしたら正しかったかもね?」

フッと微笑み、いつもの有間に戻った。


「白鷺は、教祖の為に教祖の再生の為に血が欲しいんだよ。だんだん、分かってきた。」

アキラがソファからムクッと起き上がった。

「あいつの酔狂に付き合う義理は、全く無いからな。

全部潰してやる!」

アキラが不敵な笑みを浮かべた。


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