白鷺
「もう戻ってこないと思ってたよ〜」
普通にガーデンで寝転がってるアキラに白鷺同志が
近付いた。
「なんで?まあ、仕事はなくなったけど。
特に教団やめた訳じゃないし。」アキラが不敵に笑う。
「うちは献金か奉仕しないと追い出されるんだよ。
悪いけど」白鷺がニコニコしてるが、腹はそうではないみたいだ。
「じゃあ、何か仕事くれよ。護衛でもいいよ、教祖様の。」
「誰が教祖か知ってるの?顔見たことないのに。」
初めて白鷺が真顔になる。
教祖がこの男の弱点か?
「こんな若い奴しかいない団体で40の男居たら、そいつが教祖様だろ?
分かりやすいよ。」
サーッと白鷺が気色ばむ。
横にいたボディーガードがアキラの胸ぐらを掴む。
「つまみ出してくれ!」白鷺が言って去ろうとする。
「ギャアアアア〜!!」
次の瞬間、ガタイの良いボディーガードがうずくまった。
ガタガタ震えている。
他のボディーガードが走ってくる。
「ガタイがいい奴は、多少なりとも恨まれる事やってるみたいだな。
生霊ついてるよ、皆。
見たい?」アキラがニヤニヤしてる。
数人でアキラを羽交い締めにする。
「ギャアアアア〜」「うわあ〜ッ」
が次の瞬間、皆自分の顔を手で覆い何かを払いのけようともがいたり、自分で自分の首を絞めるものも。
白鷺同志が啞然としてる横をアキラが素通りする。
「また落とし前はキッチリつけさせて貰うよ。
あっ、教祖様に伝えてよ。
『山背は僕のものだから。お前は関係ないって。』」
白鷺の肩をパンパンと叩きながら耳元で囁いた。
「仕返しみたいな事はやめなよ〜」有間が呆れてる。
「四神の相応をやめさせたいからな。
意味がないと教えてやったのさ!」アキラが言い訳する。
「やめるわけ無いの分かってるくせに〜」有間がため息をつく。
「これで身構えて警備が厚くなる。
阻止するチャンスが減るだろう。良いのかい?」
ジャムをティーカップに入れ、熱い紅茶を注ぐ。
「白鷺には今まで霊がついてなかった、なぜか?
だから手出しできなかったが、今はマスコミに出てくれたおかげで生霊や死霊がウヨウヨしてるんだよ。
白鷺を媒体に教祖に近付ける!」
アキラは自信があるようで余裕しゃくしゃくだ。
「白鷺同志ってさ、どこかで見たことない?
何か見覚えあるんだよなあ〜」見波がやっと部屋から出てきた。
「大丈夫?」有間が声をかける。
「はい、紅茶の良い匂いにつられて出てきちゃいました。」頭をかく。
「それは良かった。まだまだ暑いけどね〜
美味しいコンフィチュール見つけたからね、ロシアンティーにしてみたんだ。」
見波の前にも紅茶を置いた。
「見波君のお母様が送ってくれたマロングラッセも出してくるね〜」有間がキッチンへ行った。
「白鷺に見覚えあるの?」アキラが聞く。
「うん、テレビか雑誌で見た気がするんだよ〜」
「まあ、アイツならスカウトされててもおかしくないもんなあ〜
おかげで生霊に死霊までわんさか憑いてたよ。久々会ったら♪」
アキラが嬉しそうだ。
「凹んでたけど、考えたらまだ終わりじゃないよね?
また新たな犠牲者が絶対出るよね?
絶対、今度こそ止めないとね…」
見波がキッとした顔でアキラを見る。
「渡月橋で身投げしょうとしてた奴から、エラい成長したなあ〜」
「やめてよ〜アレは霊に取り憑かれただけだよ〜」
見波が恥ずかしそうだ。




