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四神相応  作者: たま


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23/41

青龍

「おい、待てよ〜アキラ!」

ライブ途中で会場からアキラが出てしまった!

教団の財力で一流の楽曲、バンドメンバー、ステージのセットやライティング

そしてデイジーとローズの歌も踊りもハイレベルで見応え十分だった。

思わず前のめりなってスタンディングで応援してた見波は、スタスタと会場を出ようとするアキラに気づいて

大急ぎで追いかけてきた。

「お前は、ライブ見てて良いのに」そう言いながら電話ボックスに入って電話を掛ける。

「あっ、有間?分かったよ、多分『東』だ!『青龍』だ!」

「えっ、なんで分かったの?どこで?」有間より先に

見波が食いつく。

狭い電話ボックスに見波まで入ってきてアキラが迷惑そうだ。

「狭いよ!

デイジーとローズのキラキラ衣装がスパンコールじゃない。透明な(うろこ)みたいなの重ねて長い尻尾まで付いた衣装だった。あれは竜だ!」アキラが報告する。

「大事なのは色なんだ。五行説で東の青龍は青なんだ。ステージの色合いは?」有間が聞く。

「水のイメージの演出で青のライティングが綺麗でした!ゲフッ」見波が受話器に顔を近づけて話すのでアキラと頬寄せる状態になり、アキラが腹パンしたのだ。

「気色悪いだよ!近寄んな!」アキラが切れた。

「もう2人もめないでよ〜それより東の青龍が有力だね。

が、結構有名どころ多いんだよね、東は。

清水寺?八坂神社?どこだ?」

電話の向こうで有間が悩んでいる。

見波はステージ後ろの青い光の中を金魚が泳ぐような

演出が印象に残ってた。

「水が…」見波が呟く。

「何?どうした?」アキラが気づく。

「水があるような場所ありますか?」見波が有間に質問する。

「う〜ん、清水寺の奥に滝があるけど…どうかな?

実は夏はライトアップがあって夜も結構人が多いんだよね〜

だから、違うかあ〜」有間が悩んでる。

「疎水は?」アキラが思い出す。

南禅寺の疎水はアーチ型の古代ローマ時代の水路のような明治の建築だが、今だに現役で水が流れているのだ。

「あっちなら夜は静かだ!土産物屋もそんなに無いし!

観光地だが別荘地帯だから夜は静かなんだよ…って

うちの近所じゃん!」

そう有間の幽霊屋敷裏を流れる疎水が山を下った所に

南禅寺があり疏水があるのだ!

「とにかく行ってみるよ。また連絡する。」と告げてアキラは電話を切った。


市バスに乗り込み2人は南禅寺へ。

本当に夜は静かだ。

湯豆腐店が数軒明かりを灯すくらいで土産物屋は閉まり山に向かう森は真っ暗だ。

「あ〜イヤだなあ〜また思い出してきた!」

見波が憂鬱な声を出す。

「だいたい、なんで人が死んでるのに警察動かないんだよ?

法治国家だろ?おかしいよ!」

どんどん愚痴っぽくなる。

「お前も奈良で見たろ?宗教と政治は、裏で結託してんだよ。

手が出しづらいんだよ。」

アキラが吐き捨てるように言う。

その時、カラスの鳴き声が夜の森に響いた。

「あ〜嫌な感じだよなあ〜もう帰りたい!」見波の足が止まる。

森が少し拓けて疎水のアーチの黒いシルエットが浮かび上がる。

星が綺麗な夜空に暗黒星雲のように高いアーチが規則正しく連なり古代遺跡のようだ。

またカラスが鳴く。

ふと森の木々を見るとカラスが何匹も止まっている。

「なんか…カラス多くね?」アキラが高い木々を眺める。

見波は下ばかり向いていたが、もう限界だ。

顔を上げた。

木に止まっていたカラスが滑空して疎水のアーチの下をかすめて飛ぶ。

何か袋のようなものにとまる。

疎水のアーチにヒモで何か蓑虫(みのむし)みたいにぶら下げられた塊が。

カラスがそれをついばんでいる。

もう少し近付くと、それは袋ではなく服だった。

真っ白なロングドレスがぐるぐるとロープで巻かれて

それをカラスがついばむ。

「あ〜見つけちまったな〜」アキラがため息つきながら見波を促す。

「もう嫌だよ〜あんな可愛い綺麗な女の子の変わり果てた姿なんて!」見波がもう泣いて顔を上げようとしない!

「ダメだ!見とけ!教団の美辞麗句の仮面に騙されない為に!」アキラが無理矢理見波の顔をグイッと持ち上げる。

そこにはカラスについばまれ、穴だらけの広瀬マリアの亡骸が吊るされてた。



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