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四神相応  作者: たま


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山背

有間に教団の話をする。

「なんで早く話さなかったの?」本気で怒っている。

「ごめん、近々『転生』があるから『四神相応ししんそうおう)の準備』とか言われて意味が分からなかった。

確信が持てたのはマリアの話し聞いたからだ。」

いつの間にかアキラが広瀬マリアのボディーガードになっていたなんて!

見波がちょっとショックを受ける。

「こっちは学者なんだから、そういうのこそ聞いてくれよ!いつも話したくてウズウズしてるんだから!」

いつも穏やかでホワ〜ンとした有間だが、歴史の話になると急に人が変わる。

キラキラと子供みたいな顔になる。

「日本の都造りは、中国の都造りに倣ってるんだ。

だから風水、方角にすごく拘る。東西南北に四神(ししん)依代(よりしろ)になる地形を定める。」

「四神?」見波が首をかしげる。

「北が玄武、西が白虎、東が青龍、南が鳳凰だよ。」

「それならマンガで見たことある!皆、幻の生き物なんですよね?」見波がうれしそうだ。

「そう、麒麟みたいな想像上の幻獣であり神だ。

都を守る神の依代よりしろ)となる山や川、湖を決めなきゃいけない。」

「へえ、面倒なんだな、都の造営って」アキラが驚く。

「京都の四神の位置もはっきり分かってる訳じゃないが、北は貴船、西は嵐山、東は東山、南は消失した巨椋池だと言われてる。」

「だから、嵐山!」見波とアキラが同時に声を出す。

「で『相応』(そうおう)は、供仏(くぶつ)って意味だよ。分かりやすく言うとお供え物だね。お彼岸のナスやキュウリの飾り物や果物とかあるだろ?

アレのことだよ。」

「だからか…」また2人同時に発して沈黙した。

そう、なぜ竹に刺されて串団子みたいだったか…

お供え物だから!


「山背さんって畝傍山辺りの高校出身なんだろ?」

聞きにくそうにアキラが有間に聞く。

「本人に聞けば?1番近くにいるじゃん?」

有間が意地悪く笑う。

「基本話しかけないで、自分で何でも解決するように

言われてるんだよ。それになんか話しかけづらい…」

困ったように救いを求めるようにアキラが有間を見る。

「山背さんって、誰?」見波が無邪気に聞く。

「信じて貰えるかなあ〜?

アキラを植物人間から蘇らせた人物だよ。ただし、

体は持ってない。」有間が意味不明な事を言う。

「?」見波は頭の上にハテナマークが浮かぶ。

「じゃ、直で話してみなよ。いいよ。」アキラがそう言うと有間がアキラの額に指を立て話しかける。

「山背兄さん、聞いてるだろ?

この教団の話、何か知らない?畝傍会って言うんだよ。」

アキラが目を閉じたまま口を開いた。

でも別人の声だ。知らない大人の声。

「ずっと、僕も引っ掛かってる。

実は後輩に冗談で1300年生まれ変わり続けてると言ったことある。

ただ誰も信じなかったし皆笑ってたんだけどなあ〜科学部の部活で。」

「ちょっと兄さん!」有間が慌ててる。

「何でそういう事を言うの!その時は笑ってても後々思い出す子もいるでしょう?」

「あんまり笑うから楽しくなって、斑鳩や藤原京がどれだけ血塗られた歴史の上に成り立つか?話して聞かせたよ。

僕や有間がどんな気持ちで生きてたか?

明日か明後日か?いつ叔父や叔母や母親か父親に殺されるか?

生まれた日から兄弟が毒飲んで血を吐きながら苦しんで死ぬのが生活だった。

平和ボケした現代人に話すのが面白くてね、つい」

「あの…どなたか知りませんが…良いですか?」

見波が手を上げて意見する。

「お辛い人生だった事は分かるんですが…ダメですよ、それは。

やってはいけないと思います。

すみません、偉そうに。」頭をペコッと下げた。

「!!…そうだね、ごめん…君が正しいよ。」

その声の人物が謝った。

「もう、良いかな?引っ込むよ。今度こそクリアして

成仏したいんだ。もうアキラくんに賭けるしかないんだ。」

そう言うとアキラが瞳を開いた。

「ふう、やっぱり人がいないとキツい!」ため息をつく。

「仕方ないさ、あの太子の息子だからね〜

昔も兄さんの話聞いて、僕はウツケで行こう!と決意したし。」有間がしたり顔でうなづく。


「でも、これでもしかしたら教祖に辿り着けるかも?

まず山背さんの代の科学部の後輩から洗ってみよう。」

アキラが電話しにいく。

「実家の母にも山背を尋ねて誰か来なかったか?

聞いてみよう。山背の亡くなり方も強烈だったし、

それを再生の儀式だと誤解した可能性もあるし。」

有間も電話しにいく。


見波は全く話が見えてこない。

「じゃあ〜その山背さんの後輩の誰かが、教団の教祖だと?」

2人の後ろ姿に声を張る。

「そうだよ、で、畝傍の高校に調べに見波と有間が行くの。」

アキラが勝手に決める。

「え〜っ、俺も?」見波が驚く。

「僕はマリアの警護で忙しいし、有間さん出掛けたら

一晩でこの屋敷焼け出されるかもしれないし。

お前は1人に出来ないんだよ。」

「え〜っ、そんな〜」と言いながら見波は気付いた。

渡月橋からこっち自分のそばには必ずアキラか有間が

居たことを!

「災いは、お前が大好きみたいだからな。京都なんて

魑魅魍魎の棲家なんだよ。

お前は常に見張ってないと!」







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