3稼 ダンジョンツアー
投稿する話を間違えていました
申し訳なく…
『1人1000円だから、とりあえず2000円払っとくか』
『そうだね……………あっ。本当に開いた』
冒険者が紙幣投入口に1000円札を2枚入れると、有料の方の扉からガタッと音がして鍵が開く。
1人が扉を押して、少し前はうんともすんとも言わなかった扉が簡単に開いて驚いてる。
「とりあえず2000円ゲット!ダンジョン初収入だぁぁぁ!!!!イェエエェェェェイッ!!!!」
そんな中私は早速収入が入ったこととで大歓喜!両手を上に伸ばして飛び上がり辺りを走り回ったり転げまわったり。
数秒すればその現物の2000円が私の手元にやってきて、さらに嬉しさも爆増!
この数分で2000円も手に入れられるなんて、もしかしたらダンジョンマスターって夢のある仕事なのかも!やっちゃうか?私、ダンジョンマスターに転職しちゃうか!?
『…………えぇと。何々?警備用のモンスターが配置されていますが基本的に不正行為等が行なわれていない場合襲い掛かることはありませんのでご安心下さい、か』
『さすがに怖い部分はあるが、とりあえず警戒しながら見てみるか。中が本当に安全なのかと、何があるのかも確認しておきたいからな』
『そうだねぇ』
冒険者は私が転げまわっている間にも探索を進めていく。
最低限守ってもらわなきゃいけない注意事項も書いてあるから、それにとりあえず従いながら進んでいっている。ただ、その書かれていることが嘘でいつ襲われるかは分からないってことで警戒はしてるみたいだけど。
そんな冒険者たちだけど、数秒警戒しながら歩いて行くと広い空間に出て、
『ん?宝箱があるな』
『そうだね。あと、自販機みたいなのもあるよ』
まず目につくのは、宝箱。ずらっと並んでいて、私も自分のダンジョンで仕様を知ってなかったらよだれをたらしながら飛んで行って片っ端から開けて中身をもらって行きたいほどの構図。
ただ、残念ながらそんなことはできないようになってて、
『ん?これ、金を払わないと開けられないようになってるのか』
『本当だ~。一応鍵も壊せなくはないみたいだけど、それをやったらモンスターが襲ってくるみたいだね……………あっ、あと、宝箱によってもレアリティが違うっぽいよ。高いレアリティの宝箱ほど必要なお金も高くなるってさ』
『ほえぇ~。ダンジョンでここまで金がかかるのも珍しいな』
『だねぇ、でも、ちょっと興味あるし安いの開けてみようかな』
宝箱はお金を払わないとあかないようになってる!いや~ここでまたお金を稼ぐ機構を作るなんて私もしかしなくても天才なのでは!?
しかも、そんな天才完璧美少(?)女な私の策略通りお金払っていくつか宝箱開けてみるつもりみたいだし!
『これは……………ポーション?普通の宝箱のラインナップだね』
『そうだな。まあ、普通に買うよりは安いからいいんじゃないか?当たりだろ』
『そっか。それもそうだね。じゃあ次は……………おっ。今度はアクセサリーだよ!なんかの装備じゃない!?』
『おぉ!宝箱から装備出たのか!?それは当たり……………って、お前それ高い宝箱じゃねぇか!安い物にするんじゃなかったのかよ!?』
『て、てへっ☆』
しかも高い宝箱まで開けてくれたぁぁぁ!!!1つ1万円の高級宝箱!こ、この短時間に私の下に1万円札が追加されるなんて……………さては、ダンジョン最高なのではぁぁぁ!!!????
その後名目は宝箱から何が出るのか検証してみるってことでまたなんか安い物だけどいくつか宝箱を開けてくれて。
『入ってるのはランダムだけど、相場よりは安く手に入るからいいんじゃないか?』
『そうだねぇ!も、もう1個高いの行ってもいいかな……………』
『ば、馬鹿!さすがにそれは駄目だろ!使い過ぎだ!なんで金稼ぎに来るのに2万も使うんだよ!……………それに、他にも金使いそうなものはあるんだぞ。そっちの分も残しとけよ』
『はっ!?そ、そうだった……………じゃ、じゃあ次は自販機行こうか!』
流石に高い宝箱をもう1つ開けてはくれなかったけど、この部屋への入場料含めて総額約2万円くらいは手に入った。
ホクホクだね!夢がありすぎるでしょダンジョンマスター!
でも、まだそれで終わりじゃない。
宝箱のガチャ以外にもお金を使わせる機構は残してる、
『おっ。この自販機、ご飯と飲み物売ってるよ』
『飯も売ってるのか!?飲み物だけだと思ってた』
『売ってるのは……………うわぁ。全然分かんないや。紙コップに入って出てくるタイプっぽいけど、どれが何なのかさっぱりだよぉ』
『なんか色が毒々しいのもあるし……………普通に毒ってことはないよな?さすがにないよな?』
『だ、大丈夫じゃない?わかんないけど』
飲み物や食べ物を変える自販機まで設置してある!宝箱ほど高い利益は得られないと思うけど、ここに人が来れば来るようになるほど安定して利益が上げられるようになるはず。
ついでとばかりにそれぞれ食べたり飲んだりすると何かしらの補助効果がつくようになってるから、そこでも求めてくる人がいるはず!
とりあえず他にもトイレが50円とかだけど有料だったりとかシャワーが100円だったりするけど、これらに関しては維持費がそんなにかからないから時々しか使われないとしても問題ない。
『……………で、ここの扉をくぐればショートカットしていくことができる、と』
『そうだね。行ってみる?ここ使うと戻ってくるのには10万円かかるって書いてあるけど』
『いやぁ~。10万は持ってないからな。ショートカット先がどれだけの難易度かもわからないし、今回はいかなくていいだろ。とりあえず宝箱の諸々とここの情報で満足しないか?』
『そうだね~。確か有益なダンジョンがあるなら冒険者組合が情報を買ってくれるって話だったし……………まあ今回はあんまり稼げなかったけど、新しい装備も手に入ったし良いかな』
そこから先のショートカットまで使ってくれるかと思ったけど、さすがにそこまではしないみたい。
良い具合に地獄を見てくれると思ったんだけどな~。残念。
安全な部屋に戻ってくるのに今度は10万円使ってくれるものかと思ってたんだど。
「……………とりあえず初めての冒険者接待は成功かな?収入は4万近いし、この時間で働いたにしてはかなり多い。やっぱりダンジョンマスターへの転職も正式に検討すべきかも」