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自爆兵もついに動き出してから数十分。

何回も何回もゴーレムは天井が落ちてくるトラップにより破壊されてたんだけど、ついにそこから抜け出して沼に脚を取られて後続を殺すようにゆっくりと進みながらもどうにか脱出し。

また2階層へと戻ってくることになった。


ステータスが上昇したゴーレムの活躍は尋常ではなく、スケルトンを何体もふきとばし降り注ぐ矢をもろともせず地面の針を砕きながら進んでいく。

そして最終的に数体の自爆兵に突撃されて崩れ落ちることにはなるんだけど、それでもそれ以降続いて入ってくるゴーレムたちに自爆兵も追いつかなくなって、


「これで2階層も突破されたか~。悔しいね」


当初予想していたよりは短い時間で2階層を突破されて3階層に侵入されることになった。

ここまででもう1時間半以上経過してて、正直私もつかれ始めてる。

ただ見てるだけだっていうのにね。


ただ私と違ってそんな疲労感を一切モンスターたちは見せずに動き回っていて、


『ウボォォォ』

『ア゛アアアアァァァァ」

『ヴァァァァァ』


3階層に配置した私のモンスターも、元気にうめき声をあげている。ただそんなうめき声からは知性を全く感じさせないけど。

それでも知性なんてなくても数はそれなりにいるから、


「おぉ~すごい。ゴーレムにぶら下がって全然攻撃を受けてない!」


攻撃力も防御力も決して高いわけじゃないけど、それでもゴーレムにダメージを与えている。

途中で落とし穴なんかもしかけてくるからそれにゴーレムがはまって動けなくなったりしたこともあり、物量でその体を削り切った。

ゴーレム1体を倒すのに相当な数がやられたけど、まだそんなに数が来てるわけじゃないから問題ない。多分次が来るまでに全部リスポーンはすませられるはず。


「さてさてぇ。この階層だとさらに抜けられるモンスターが絞られてくるのを向こうも理解できちゃうよねぇ」





《side???》

「ゾンビ系かぁ。スケルトンが来てた時点で予想できないわけではなかったけど、ここまで偏ったモンスターを得られてるのはうらやましいかな」


私の見るモニターに撃つているのは、私の送り出したゴーレムとそれに群がるゾンビたち。

どうやら向こうの3層目はゾンビ系で固めてるらしい。

ゾンビに感染能力があるのかどうかとかは分からないけど、厄介なのには間違いない。おそらく生き物系のモンスターには腐食とか使ってくるだろうから、より防御力が低い生き物系のモンスターはつらくなってくるはず。


「ただ、ゴーレムがいる分には問題ない。当てててよかったゴーレム」


スケルトンがいる2階層の時にも役になったゴーレムが、さらに3層目でも活躍する。

逆に言うとゴーレム以外はあんまり活躍できそうにもないから、


「……………またゴーレム送り出すしかないかな。できればあんまりやりたくないけど、躊躇して攻略に時間がかかるよりはマシかな」


こんなにゴーレムを防衛から外して後々困ったことにならないかという不安がないわけではないけど、防衛よりも攻撃をどちらかというと優先したいからここは甘んじてデメリットを受け入れてゴーレムを送り出すことにする。

できれば3階層は、2階層より早く突破したい。



《side金保椎名》

「わ~お。相手も思い切りが良いね。外見はあんなにかわいいのに結構思い切って攻めてくるんだねぇ」


可愛い事と攻めが強いことにギャップがあるかどうかという話は置いておいて。相手は攻めてきた。

ゴーレムを更に追加してきたんだよ。

2階層だけでなく3階層でも有効だってわかったからこれはもう逃す手はないって思ったのかな?


「実際、ゾンビの相手で1番困るのは腐食とか弱い攻撃の数の暴力が効かない相手だからね。ここまでを見る限りそんなにゴーレムを出すのが間違ってるとも思えないよね」


向こうがゴーレムを増やしてきたのが凶と出るか吉と出るか。

それは分からないけど、この先1種類のモンスターだけで対処できるとは思ってほしくないところだね。私だって色々と対策してるんだから。


「ただ、ゴーレム以外がここから先に行きにくいっていうのも事実だよね。ゴーレムが処理は結構してくれてるけど、それでもまだまだ針とスケルトンには苦戦してるみたいだし」


現状相手はゴーレム以外あんまり効果的な働きができてないことも確か。

1階層は問題なく抜け出せるけど(毒沼にゴーレムが入って行列ができない限り)、2階層になってくると急に話が変わってくる。

やっぱり命までは奪えないにしてもスケルトンの差し違えはつらいみたいだし、針もまた確実に命を奪いに来る。

蓄積する毒の影響で、いまだゴーレム以外は自爆兵のとこまで行けてないんだよ。


一応定期的にゴーレムが大量のスケルトンをと足たり針を踏み砕いたりはしてるからある程度までは進めるんだけど、それでもスケルトンはリスポーンするし針も数秒で復活するから多少程度の効果しかない。

やっぱり向こうがゴーレム以外を進めるようにするためには根本的なステータスの部分をどうにかするしかないということ。


「ただそれを解決するにはやっぱり時間が必要になるわけで……………まだまだ時間は稼げるかな」


私はそんなことをつぶやきつつ、次の階層を見る。

まだ3層までしか侵入されてないけど、私が見るのは4層。

ある意味ここからが本番みたいなものなんだよ。


「ここまでゴーレムはかなり活躍で来てるけど、ここに入れば活躍は難しいはず。確実にゴーレム以外の活躍できる存在を作りえ出さなきゃいけないはずだけど、できるのかな?」


いつかはできると思う。

けど、それには確実にかなりの時間がかかるはず。

その時間をどれだけ長くできるかで、私の勝敗も決まってくるかな。


「2層が向こうに対策を立てられた割には結構時間を稼いでくれたし、あとは他の階層が順当に時間を稼いでくれれば勝利も視野に入ってくると思うんだけど、どうかな?」

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