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33稼 2階層

本日2話目

相手側の攻略速度を著しく低下させてる毒沼の狭い通路。

かなり影響は出せてて、長い時間毒の中にいたためか数体HPが低い敵なんかは倒れ始めてる。

そのままかかる時間は数分。やっとのことで移動速度があまり高くはない代わりに防御力が高くHPも高いタイプのモンスターが抜け始めて、2階層へと進出してくる。

ここでやっと私の方も2階層に侵入され始めたというわけ、


「2階層はもっと時間がかかる気がするけど、どうかな?」


2階の、というか2階層から3階層のコンセプトはさらなる時間稼ぎの場所。

ちゃんとここも殺意高めに作ってある。

まず2階層で基本的にお出迎えに当たるのが、


「骨のあるモンスターたちがお出迎えしてくれるよ~。なんていったって、スケルトンだからね」


骨のあるというか、骨しかないモンスターなスケルトン。それがかなりの数配置されてる。

このスケルトンの優秀なところは攻撃力とかは弱いんだけど、1体1体が安いからかずっが多くできるところ。さらに言えば、


「痛みとか感じないから怯むことも弱ることもなく最後まで全力で行ってくれる。最高だよね」


そこまで強くないからすぐに腕とか足とか吹き飛ばされるんだけど、それでも一切ひるむことなくその体が動かなくなるまで働き続けてくれる。

それこそ差し違いなんかをよくやってくれるタイプのモンスターだね。

今回の場合も相手の攻撃で大ダメージは追いつつもしっかり反撃して相手の命を奪ってくれる。


それによってスケルトンの被害も結構大きいけど、


「とりあえず相手の全滅には成功、かな」


2階層に入ってきてたモンスターは全滅。かなり2階層の守りも固いことを見せてくれる。やっぱり急いでる相手に怯んでくれない相手っていうのはつらい物があるよね。

このままのペースだったら、まだまだ1時間以上は耐えられそうな気がする。それくらい、しっかりとした防衛体制が構築されてた。


でも、残念ながらずっとこのままということにはなってくれないんだよね。

何せ時間が経過すればこの抗争中は、


「あっ。そろそろこん棒の一撃じゃ倒れなくなってくるか~。思ったよりも早かったかな」


私が見るのは、入り口の目くらまし。

相変わらずリスポーンしてきたモンスターが目をやられて滅茶苦茶に動いて、そこに私のモンスターがこん棒で頭をつぶしに行くんだけど、残念ながら今はもう一撃で頭をつぶすといううことができなくなってる。

大けがではあるんだけど、一撃ではまだ息がある程度の大きなへこみを作ることくらいしかできない。


「ステータスの上昇効果、結構高いね」


こうなっている理由は、抗争の時間経過による攻め手側の強化、私のダンジョンにいる相手のモンスターがいろんな要素を強化されてるわけ。防御力も攻撃力もHPも俊敏性も。いろんなものが向上していってる。

お陰で1階層の防衛能力がかなり厳しい状況になってる。


「防衛側のモンスターはステータス変わってくれないからな~。ただ倒されるペースが速くなってるって感じ?」


倒されていた盾兵や弓兵もリスポーンしてまた防衛に当たるんだけど、さっきと比べると圧倒的に簡単にそこを突破されてる。

落ちてくる天井とか毒沼とかには相変わらず苦戦してるみたいだけど、


「もうちょっとあの大きいモンスターの移動速度が上がったり小さいのの防御力とHPが上がったりすると、毒沼も機能してこなくなるかもなぁ」


毒沼に限らず、沼というのはどんどん沈んでいくものになる。だからこそ移動速度が遅くて重量がある相手にはかなり有効なんだけど、ここから先移動速度が上がったりしてくると泥の拘束力が低下してかなり簡単に突破されていくことになるのも目に見えてる。

となると、もうこの1層で有効打になるのは落ちる天井の罠だけになるんじゃないかと思うんだよね。


「2層はスケルトンがいるから差し違えでしばらくは耐えられそうだけど……………」


耐えられそうだけど、時間が経過してきて攻撃力が高くなってスケルトンが一撃で吹き飛ばされるようになったり防御力が上がって差し違えようにも攻撃が効かなくなったりすると2層も使い物にならなくなってくる。

となると、3層に行くことになるのも時間の問題。


「能力の上昇っていうのがどういうタイプなのかにもよってちょっと3層の攻略速度は違うと思うんだけど、どうなるかな」


私のダンジョンの攻略はまだまだ2層で止まることになると思う。

今も目をやられて頭を叩かれ、天井に押し潰され、弓で射抜かれ毒でやられ、いろんな原因により2層に行くまでに倒れてるから、2層の最初の方でも問題なく対応できてる。

それこそこっちのダンジョンのモンスター側のリスポーン時間にまだ余裕があるかなって思えるくらい。


ただやっぱり能力値が上がってくるから時間経過とともに少しずつその余裕も小さくなっていき、


「おっと。間に合わなくなってきたかな?」


通常のスケルトンでの差し違えで対応できなくなり始めた。

2層に侵入し始めてから約15分ほどして、初めてここで最初のスケルトン集団を突破するモンスターが出てき始めたってこと。

ただあくまでも突破したのは最初だけで、そこから先になってくると、


「ほら。矢の雨だよ。しかも毒の効果まであるから時間経過で死んじゃうよ~」


まだまだ罠が待ち構えてる。

最初に出てくるのは高所から一切動くことなく高低差を活かして矢の雨を降らしてくるスケルトンの弓兵。

矢には毒まで塗ってあるから、いくつも刺さるとそれだけでしばらくしたら死んでしまう。


しかもスケルトンがいる位置は簡単に登れるような作りにはしてないから、近づいて排除することはほぼ不可能。

できるとしたら空を飛ぶタイプのモンスターになってくるけど、そういうタイプはまだ1階層に大量に設置したワイヤートラップに引っ掛かってるから問題ない、


「沼と違って今度はしっかり矢を使って体の中に毒を侵入させるから、結構耐えるのはきついと思うんだよねぇ。対応できるかなぁ?」


結局ここを突破するのも時間経過による能力値の向上に頼るしかないと思う。

様子を見る限り、まだまだ2階層で時間は稼げそうかな?毒矢の後にもまだ仕込んでるものはあるし。

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