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2稼 侵入者

ダンジョンを管理できる存在、つまりダンジョンマスターになったわけだけど、だからって最初から強力なダンジョンを作れるわけじゃない。

色々と制約があるのは確かなんだけど、1番の問題はDP(ダンジョンポイント)。まずこれがないと何もできないらしくて、階層を広げるのにもモンスターを配置するのにも宝箱を設置するのにも必要。


「なんでダンジョン側に不利な宝箱にまで必要なの……………」


という気持ちはあるけど、人を呼び込むためにはやっぱり宝箱みたいな物は必要。どれだけ人の心を引き付ける音楽を流してくれるんだとしても呼び○みくんを置くだけじゃ流石にダメなんだよ。


別に人が来ても攻略されるだけだしやっぱり宝箱なんて必要ないんじゃない?と思うかもしれないけど、そうも言ってられないのがまたつらいところ。なんとDPを増やすには侵入者が必要で、大量に呼び込むとか強い人を呼び込むかしないといけないらしい。


つまり、ダンジョンコアまで人が来ないようにしなきゃいけないのに、そのためには人を呼び込んでDPを溜めなきゃいけないらしい。矛盾しているようで矛盾してない。そんな地獄があるわけ。


「まあでもそれは良い。それよりもやっぱり、どうやってお金を稼ぐかだよね……………」


ダンジョンの設備を整えるのは色々と困るところも多いし難しい。

でも、大事なのはそこじゃない。確かに死にたくないしダンジョンコアは守らなきゃいけないけど、1番大事なのはそこじゃないんだよ!やっぱり大事なのは、お金!!

このダンジョンを使って、どうやったらお金を稼げるのか!そこをしっかりと考えておかないと!






そうしてダンジョンを改造して。

早速結果が出ることになるのは意外と早いタイミングだった。


『……………おぉ?こんなところにダンジョンあるぞ』


『わぁ~本当だ!ねぇねぇ入ってみようよ!知らないところだし、どうせ新しいし危なくないでしょ?』


『まあ、それもそうだな。ちょっと良い物がないかのぞいてみるか』


入ってきたのは2人組。外見的には男女なように見えるが、今のご時世何とも言い難い部分があるためあまりそこの部分は重要視しない。

ただそこそこ気安いような雰囲気があるため兄弟なのか恋人なのかそこそこ仲のいい友人たちなのか。そんなようなのではないかと思えた。


私はそんな2人を、ダンジョンコアがある部屋からダンジョン内部を見ることができるモニターを使って眺めてる。いったいいくら使ってくれるかなと期待しながら。


『ん?何か書いてあるぞ』


『あれ~。本当だ。ダンジョンに何か書いてるって珍しいね、えぇと、何々?……………1人1000円お支払いいただければ右の扉が開きます。右の扉の先は安全なスペースとなっており、さらにその先は左から進んだ場合と比べかなり奥に出ることができます。ショートカットしたい場合にもお勧めです』


早速2人は貼っておいた張り紙を見つけてくれた。

内容は読んでくれた通りで、しょっぱなからお金を落としてもらえそうな機構を作ってみたよ!内部には安全な休憩スペースがあって、さらにいくつかお金を落としてもらえるような機構もあるし、ついでに左から行くのと比べるとかなり攻略に必要な時間を短縮できるショートカットにもなる!


『なんだそれ?変なダンジョンだな。金払うことでショートカットできるってことか』


『そうだねぇ……………あっ、あと、有料の安全なスペースでガチャができるって!』


『ガチャ?なんだそれ?』


『お金を払って、宝箱が開けられるようになってるんだってさ。宝箱の中身はランダムで、払ったお金以上のものが出るかどうかは運しだいだって~』


『へぇ……………本当に変なダンジョンだな。その書いてるのが本当かどうかも分かんないし』


『だねぇ~』


2人は首をかしげつつ、とりあえず本当に張り紙に書かれていることが正しいのか確かめるために右の扉を触ってみる。けど、そこはお金を払わないといけないように設定してるからもちろん開かない。

そうして確かめた2人は今度は左側の扉もついていないダンジョンの入り口の穴に。

あえて入り口の辺りは明かりを少なくしてて、ゆっくり入らないと目が慣れない間に、


『ギャギャッ!』


『えっ!?ちょっ!?もうモンスターが!?』

『くそっ!まだ目が慣れてねぇのに!対応できないぞ!!』


ファンタジーモンスターの代表の1つみたいな存在。ゴブリンが襲い掛かる。

知能的に分かっているわけではないんだけどその動きはしっかりと奇襲になっていた。私の計画通りだね!この仕組みを作ることで、DPをあんまりたくさん消費しなくても済む自然なトラップが生まれるようにしてある。

もちろん今回みたいな初見殺し的なもの以外にも地味に嫌なものを色々と用意してあるよ。


『撤退!撤退だ!』

『了解!!』


軽い気持ちで挑んだ2人は、撤退の判断も早い。

見た感じそんなにお堅い感じでもないし一般から冒険者になったタイプだと思うんだけど、そこで撤退を選べるのはなかなかすごいと思うね。いくら奇襲されたとはいってもゴブリン1体だしどうにでもなるとか普通なら思いそうなんだけど。私だってそう思うだろうし。


『……………急にきてびっくりだったな』


『そうだねぇ。凄いいやらしい感じで、奇襲されたみたいな感じだったし』


『これわざとだったら相当性格悪いダンジョンんだよな……………まあいいや。もう1回行くか?今度は奇襲も分かってるし問題ないだろ?』


『そうだけど……………せっかく出たし今度はそっちの有料のところ行かない?本当にお金払えば入れるのかも試したいし』


『分かった。じゃあそうしてみるか……………まさかダンジョンで金稼ぎに来て逆に金使うことになるなんてな』


『アハハッ本当だねぇ』


まだまだ奇襲に使ったゴブリンの先にもトラップはたくさんあったんだけど、そっちにはとりあえずいかないみたいで今度はさっき開かないことを確認した扉の方に来るらしい。

私の方も最初のトラップも効果が出るのは分かったし、今度は有料スペースに入ってもらえるのはありがたいね。


「ガチャもあるし、いくら落としていってくれるかな~……………グヘヘヘッ!!」

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