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14稼 略奪者

今日も2話目

トラブルを解決すればまたトラブル。それは仕方のないことでほぼ自然の摂理のような物。

なんだけど、今回のことに関してはかなり緊急性の高い案件だと思う。

何せ、私のダンジョンを攻略しようという侵入者が現れ始めたわけなんだから。


「これが1人だけなら血迷った人がいる程度で片づけられたんだけどねぇ」


何を思ったのか、そしてどういう心境の変化があったのかは分からないけど、私のダンジョンを攻略している人は一定のペースでやってくる。

一応このダンジョンは殺意高めのトラップが多いから誰も情報を持って帰る事ができずに死んでいってしまうんだけど、だからこそ情報がないにもかかわらず一定数侵入者がいることが不思議。

今までこんなことは全くなかったのに。


「Cランクのダンジョンに挑むなんてどういう神経してんの?」


正直私としては、相手側が何を考えているのかさっぱり分からない、

ハッキリ言ってお世辞にも良い装備とは言えないような装備で挑んでくる人が多いし、それなのになぜかあまり怯えた様子はない。

皆、なぜか私のダンジョンくらい余裕で攻略できますけど?くらいの雰囲気でやってくる。


「あっ。今日の人たちは5人組か。ちょっと多めかな……………」


そして今日もまた、私のダンジョンの無料の穴へと入ってくる人たちが現れる。

普段とは違いモンスターとの戦闘経験はありますくらいの雰囲気だけど、まだCランクのダンジョンに挑むのは早いように見える人達。


人数が多いということはそれだけ生き残られる可能性も高いわけだけど、今回に関しては若干私としても好都合ではある。

集団なら話をする可能性があるし、なんで私のダンジョンを攻略しようとしてるのかってことが分かる可能性があるから。

実際、ちょっと聞き耳を立ててみれば、


『これで俺たちも、っていうのは無理だけど。1人のところはCランクダンジョンにできるな!』


『おいおい何言ってるんだよ。DPだけあってもランクは変わんないだろ?まあただ、DP増やせるのは純粋にありがたいけどな。大量にモンスターも配置できるようになるし、しばらくそこのダンジョンは防衛のこと考えなくて良いしな』


『あと、そいつのことをダンジョンマスター強化で強化すれば他のダンジョンも攻略しやすくなるだろ?そうすれば他のやつらも強化できてまさに好循環ってやつだな。永久機関ができるんじゃないか?』


『永久機関とは違う気がするが、正のスパイラルは起きるな。ここは人の数も多いし、間違いなくDPはため込んでるだろ。トラップは危険らしいけど、石がたまってなくてガチャができてない今のうちにコアを奪うのが吉ってな』



「……………ふぅん?」


穴の中に入りながらの会話。それを聞いて私は納得する。

どうやら最近来てた人全員かは分からにけど、とりあえずこの人たちはダンジョンマスターらしい。狙いは私のダンジョンコアで、そこにあるDPを全部奪いたいって思ってる感じかな。


恐らく、私と同じようにこの人たちは宝箱しか置いてないタイプのダンジョンからダンジョンコアを盗んできた人たちだと思う。そこで、ダンジョンコアを奪ってそのDPをもらう美味しさに気づいちゃったんじゃないかな?

だから、私のダンジョンコアはもっとたくさんのDPがため込まれてるしそれを獲得できれば相当強化できると考えたんだと思う。


「しかもこの時期に急に来たのは、私がガチャを引く前にしたかったからか……………なるほどねぇ。まだ私はガチャを回してないって思われたのか~」


私がDPを大量に保有してるのは人の多さから理解されてるみたい。

ただ、どうやらまだ石をたくさん集めることには成功してなくて今ならまだ強いモンスターとかトラップとかがそろってないと思われたらしい。

水中のフィールドを獲得してるのは公開してるからそこまで弱くはないというのは示せたと思ったんだけど、どうやらそれでも来たみたいだね。

というかもしれ化すると、これより私が強くなると私のダンジョンを攻略するのは不可能になると考えた可能性もあるかな。


まあ何にせよ、


『うっ!目が!?』

『おい、気を付けろそこに何か、ギャアアァァァ!!????』

『な、何だ、ぐえぇぇぇ!!???』


まず2人が、ダンジョンの入口の構造による光量の変化に目が追い付かずゴブリンから奇襲を受けた。

この奇襲が人の体に当たるというまでの成功を見せたのは実を言うとこうして無謀な人たちがき始めてから。最初の、まだ査定をされてない頃に来てた人達も奇襲に驚きはしたものの、当たってけがをするというまでのことは起きてないんだよね。

正直、この奇襲を受けてる段階でレベルが低いと言わざるを得ない。


受けた後の対応もいまいちで、結局数十秒かけて結構な負傷をしながらどうにかゴブリンが倒れる。


『いってぇぇぇ……………』

『くそっ!油断した』

『大丈夫か?そこまで深いけがじゃなさそうだが……………まさかこんなミスをするなんてな。光の違いでこうなるなんて、運が悪い』


運が悪いんじゃなくて最初からそれが私の狙いなんだけど、まあそれは良いとして。

けが人を抱えたこの人たちがどういう判断をするかが気になったんだけど、


『DPがあれば確かダンジョンマスターの自然回復能力も挙げられたはずだよな?ダンジョンコアの確保急ぐぞ』


『『『『了解』』』』


攻略は続行するらしい。

1人がけが人に肩を貸して、また集団でかたまって進んでいく。いつ奇襲を受けてもいいように、固まって慎重にゆっくりと進み、


ガコッ

『やべっ!?今何か踏ん、』


踏んだ。そういい終わる前に、私の仕掛けておいた罠が作動する。

それは床にスイッチがあるタイプなんだけど、その引っ掛かりやすさにしては威力が高すぎるようなトラップ。

罠が発動した瞬間には、悲鳴すら上げることもなく全員等しく、


『ああ。死んじゃった。やっぱりみんなここまでしか進めないね』


死んでしまった。

私が仕掛けていたのは、スイッチを踏むと天井が落ちてくるタイプのトラップ。だから、皆頭に直撃を受けただけでなく押しつぶされちゃったというわけ。

ゆっくり落ちた天井が戻っていくと、トマトのようにつぶれた人の死体が床に張り付いていた。


「それじゃあ、持ち物は回収させてもらって、と」


所有者が死んでしまったから、装備品とか所持品とかの類はすべて私がもらう。

潰されてしまって使えないものも多いけど、なかには血で汚れてしまってはいるものの洗えば使えそうなものも多い。

あと、バックに入ってたから無事(血で汚れてない)だったお金とか。


そう、お金とか!!


「全員1万円は持ってるねぇ。これは結構おいしい……………」


ありがたくお金はもらう。どうせなら全財産ここにおいて欲しかった気持ちはあるけど、まあない物ねだりをしていてもしかたないしおとなしくこれで満足しておく。

もちろんお金だけでなく人が死亡したことによりDPも増えたし、装備品もゲット。

恐らくどこかの無料の宝箱があるタイプのダンジョンから持ってきたものだと思うんだけど、いくつか他に身に着けている装備と比べて格が違うのもチラホラ。


「他の人が使ってたのだしさすがに防具は使いたくないけど、武器とかはもらっても良いかなぁ。強そうだし」

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