表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】たとえあなたに選ばれなくても  作者: 神宮寺 あおい@受賞&書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/154

王城

王城には王の使う謁見の間とは別に皇太子用の謁見室がある。

今回は皇太子からの呼び出しということもありそこに通された。


「面を上げよ」


皇太子の声に顔を上げると、威厳をまとったニキアスが入り口の正面、少し段上の椅子に座している。


「イレーネ前公爵夫人、久しいな」

「ニキアス皇太子殿下にご挨拶申し上げます」


優雅なカーテシーをしイレーネはニキアスを見上げた。


「夫人、ニコラオスの子が産まれたと聞いた。祝福を授けよう」

王族から直接寿ぎの言葉を拝せるのは大変名誉あることだった。


「…ありがたき幸せにございます」

しかしイレーネにしてみればなぜこのタイミングで、との思いが拭えない。


「あのニコラオスの子だ。しかも男の子であればさぞ期待できよう」

ニキアスの言葉にイレーネは背筋に冷たいものが走るのを感じた。


子が産まれたのは昨日のことだ。

基本的に貴族の出生について、王族は出生証明が上がってきて初めて認識する。

ましてや興味がなければそれすら知らないだろう。

4公爵家の子供であれば必ず確認はするが、そうであってもこれほど早くはない。


なのにニキアスはすでに性別まで把握していた。


「さて。夫人もなぜ自分がこの場に呼ばれたのか気なるであろう。何か心当たりはあるか?」

「…いえ」


ニキアスの全てを見透かすような眼がイレーネを見ている。

その一挙手一投足を見逃さないとでもいうように。


「そうか。ではまずはそれを見てくれ」


ニキアスの言葉に、傍らに控えていた文官が数枚の書類を渡してきた。


何が書いてあるのか確認するが怖い。

イレーネとルーカス、二人に同じ書類を渡すと文官は先ほど控えていた位置に戻る。


「イレーネ・ディカイオ前公爵夫人、そこに書いてあることに関して、何か申し開きはあるか?」


ニキアスが、イレーネに問いかけた。

数多の作品の中から読んでいただきありがとうございます。


少しでも続きが気になったら、ブックマーク登録、評価などしていただけるととても励みになります。

評価ポチリをぜひ。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ