表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】たとえあなたに選ばれなくても  作者: 神宮寺 あおい@受賞&書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/154

カリス邸に戻ってすぐにノエはアリシアと共に父の執務室を訪ねた。


「視線だと?」

「ええ。王都の通りでアリシアお嬢様を監視する視線を感じました」


ノエの言葉にアリシアはぞっとしたものを感じた。


誰かの視線など全く気づかなかった。

それを感じ取ったノエの実力は素晴らしいと思うが、自分が誰とも知れぬ者に見られていたと思うと落ち着かない。


「アリシアが監視される理由など一つしか思い当たらないが…。しかしそこまでするだろうか」

「なりふり構わなくなっているのかも知れません」


父とノエの言葉に、二人には心当たりがあるのだと気づく。


「だが影の行使は当主にしか認められていないはずだ」

「おそらく、前公爵夫人が今はまだその権利を有しているのでしょう」


二人の間だけで理解される会話にアリシアが不安そうな顔をしていたからだろう、父が事の次第を説明してくれた。


「特に公にされていることではないが、王族と4公爵家には『影』と呼ばれる存在がある。その役割は諜報活動から暗殺まで多岐に渡るものだ」


暗殺、と聞いてアリシアの体が震えた。


「今回の影はおそらくディカイオ公爵家の者だろう」

「ディカイオ公爵家は権力の多くを未だ前公爵夫人が握っていると聞きますし、ルーカス公は関知されていないのではないかと思います」


父の言葉にノエが補足する。



「アリシアの落ち度を探るつもりか」

「おそらく」


ノエの返答に、父は苦虫を噛み潰したような顔をした。


「アリシアの護衛はそのままとするが、時間の空いた時に前公爵夫人の調査に加わってくれ」

「承知いたしました」


二人の間で話が完結し、アリシアはノエに促されて執務室を出る。


「ノエ?」

アリシアの問うような声にノエは少し困ったような顔をした。


「伯爵家にも、公爵家の影ほどではないですが諜報活動をする者がいるんです」


父の言う調査はその者たちが担っているのだろう。


「ではノエも?」

「そうですね。本職は護衛ですが、必要に応じて諜報活動もしています」


父が信を置く護衛はやはりかなり優秀らしい。

そんな護衛に守られていることには安心するが、大きな力が自分に迫っていることにアリシアは不安を隠せなかった。

数多の作品の中から読んでいただきありがとうございます。


少しでも続きが気になったら、ブックマーク登録、評価など何かしらの反応を返していただけるととても励みになります。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ