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番外編 その後の二人<ルーカス、王城に呼ばれる>

アイラの学園への体験授業が終わり来国期間も残り半月を切った頃、ルーカスはニキアスに呼ばれて登城した。


「王女から新たな爆弾が投下されたよ」


そう言ってニキアスが呆れたように渡してきた書類は、簡単に言ってしまえばトウ国からの婚姻申込書だ。


「ルーカス・ディカイオ公爵とアイラ王女との婚姻を希望する、とのことだ」

「ロゴス国は王族以外一夫一妻制ですから無理でしょう」


たとえ高位貴族であってもルールはルールだ。


「四大公爵家に関しては例外があるだろう?」

「…ああ。子どもが一人しかいない場合のあれか」


ルーカスは自分自身がそれによって産まれ、辛い思いを多くしてきた分その制度に対して印象が良くない。


「国王陛下からはルーカス公の判断に任せるとの言葉をいただいている」

「それは…ありがたきお言葉」

「陛下も制度に対して思うところはあるのだろう。無理強いするつもりはないそうだ」


戦争直後から比べれば国内も落ち着き出生数も順調に増えている。

国王としてはできればこの特例も撤廃してしまいたいところだが、そのためには議会に通す必要があり、また、現在四大公爵家で対象となるのがルーカスのみということもあって棚上げにされた状態だった。


「婚姻申込書に添えられたトウ国の国王陛下からの書状にも、ルーカス公が良ければこの婚姻を進めたいと書かれていた。つまり、断ることは可能だ」

「もちろん、お断りします」

「そうだよなぁ」


間髪入れずに断ったルーカスに対して、思わずというようにニキアスの口からため息混じりの言葉が漏れる。


「そもそも、アイラ王女がそこまで私に執着する理由がわかりません」

「今まで会ったことはないんだったよな?」

「私はロゴス国を出たことはありませんし、アイラ王女もトウ国を出たことはないと聞いていますので」


いったいなぜ会ったこともない相手に対してあれほどこだわるのか。

ルーカスにもニキアスにも見当がつかなかった。


「まぁいい。その理由は今から聞くことができるだろう」

「と言いますと?」

「この後、アイラ王女がこちらに来る予定だ」


ルーカスの眉間に思わず皺が寄る。

ここ最近ルーカルの眉間の皺は深くなるばかりだ。


「両国王共、婚姻はルーカス公の気持ち次第と言ってくれているから心配はないのだが、王女はきっとあの制度にからめてごねてくるだろう」


もはやルーカスの中で四大公爵家に課せれられた子どもに関する制度は忌々しい存在でしかない。


「…その前に一つご報告があるのですが…」


そもそもルーカスには今日ニキアスに伝えなければならないことがあった。

それが王女から持ち込まれた新たな問題のせいで後回しになっていたのだった。

読んでいただきありがとうございます。


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