第四刻 旅立ちの日 生還
揺れる、痛い。
耳元で荒い息遣いが聞こえる。
「エ…ヴァ……ン?」
担がれているのだろう、誰かは分からないがエヴァンが助けてくれた。そんな気がした。
「気がついたのか?もう着くぞ、待ってろ絶対助かるからな。」
必死なのだろう大声でエヴァンは叫んだ。
幸い生きているようだ、全身は酷く痛むが二人共生きている。
だが何故だ、俺が最後に見たエヴァンは胸を貫かれていたはず、俺を担ぐどころか生きてることがおかしい。
「夢だったのか…?」
エヴァンに問いかける。
「ん!?何か言ったか?」
よく聞こえていないらしい。
「おばさん!!開けてくれ!!セスが大怪我した!!」
大声で叫ぶエヴァン、勢いよく開く扉。
真っ青な顔の母が目に映った、ガキの頃に木登りに失敗して脚を折ったとき以来の顔だ。
「医者を呼んで!早く!」
その声と同時に母は家を飛び出して行く。
見慣れた我が家と暖かさからか安心してしまい俺の意識は二度目の暗闇に消えた。
読んで頂きありがとうございます。
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初投稿なので右も左も分かっておりません。
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