第三刻 旅立ちの日 窮地
高い。
森の木や仕留めたガルフ、エヴァンが下にいる。
自分の身体がゆっくり回っているのが分かる。
徐々に近付く地面。
当たる、そう思ったが束の間全身に激痛が響いた。
「ガッッ……!!」
声にならない声、息が出来ない。
「セスッ!」
エヴァンの声が聞こえる、身体は痛みで動かない。
目だけでエヴァンを確認する。
エヴァンは大急ぎでこちらに向かってきていた、こんなに痛い思いをしているのは俺だけのようだ。
「大丈夫か?喋れるか?」
エヴァンが泣きそうな顔で俺を見ている、息を吸おうとすると口内に鉄の味が広がる。
「内臓までやられたのか?直ぐに村に連れて行ってやるからな、頑張れ、頑張れ」
一体何にやられたんだ、何処にいた?
数え切れない疑問の中、自分を担ごうと必死なエヴァンを見つめる。
視界が黒く狭まって行く、暗闇に染まる最後に映ったのは、エヴァンの胸を貫く太い棘だった。
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初投稿なので右も左も分かっておりません。
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