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「なぜ……?」
ソルドが思考の波にさらわれそうになった時。
ありがたいやら、迷惑やら。
かってに横からルーシーの絡みついてくる腕と香水がソルドを現実に戻した。
彼女の保護欲をそそらせる体は女性らしいと言うには、少し足りず
懸命にルーシーが胸を当てよう当てようとしてくる。
たちまち。ソルドは虚しさのど真ん中の気持ちになった。
女性とはいえ、ここまで逆セクハラを受けたら流石にいいだろうと
軽くルーシーの腕を押さえて、ルーシーの束縛を外して離れる
かたや、ルーシーは自分の媚態に何も反応がないどころか
ひたすら距離をとろうとするソルドが不思議でしょうがなく。
ひたすら興味が出てくる。
「ソルドさんは………女性が恋愛対象じゃないんですか?」
思わず吹き出しそうになるソルド
「だって、皆みたいに私に好かれたくないじゃないですか!」
せっかく計算されたスカートの長さや何度も鏡の前で練習した自分の媚態や媚びに
最初は男性が当惑してるのはルーシーにも伝わっていてもゆくゆくは仕方ないなぁ、から
「俺だけの君でいてくれ!!!」
と、すがってくる男性達しか会ってこず
更には、あからさまな性欲をたたえた目になり求められる事になるのを
たとえ、あの手この手で
人身御供を主に差し出し。
自分の体を求める高位男性には最後の一線だけは基本散らさせず。
不浄の場所をなんだかんだと提供し。
大事な一線はここに来る前に。自分の愛らしさの確認と下町の中ではマシな地位の男性に使った事をルーシーは心底後悔し。思いもよらず男爵が父だと知らされた後にまさかの貧民からの状況から
まさか我が国の王子達と同じ教室で教鞭を取れる距離の状況に希望を感じたが。
王子の横にいたマホロにルーシーは心底焦った、ルーシーは純真無垢ななマホロの、『物』と蔑まれて扱われる前のマホロの本当の優しさと純真さと何よりルーシーにとっては自分にはもうない純潔を。
後日蔑みいじめて楽しんでいく為に何度もルーシーは本当にあったと、嘘をその後貫いてマホロを貶めてきたが
…………………現実が1番残酷だった
魔法具に使う贄のため
媚薬やありったけの魔法性道具を使い
ユニコーンやゴブリン、88のありとあらゆるケダモノから高位魔物に穴とゆうマホロの穴を貫かせ
純潔を奪うとゆうには、あまりに凄惨な血だらけの場と贄になったマホロの絶望で
ルーシーが本当の乙女になると言う。
たかだか、膜一枚の為に
行ったあまりに狂い過ぎた狂宴に、マホロはもう全てへの諦めも救いも希望を失くした瞬間と
男爵令嬢ことルーシーは純潔の少女に戻ったつもりだったが、まさか『魅了』の瞳を手に入れた事には。気づいていなかった。
まさか、書いた書者も。
魔法具の魔法精製の魔法の書物に書かれた難しさより、なにより
やりとげる悪辣さに魂すら殺す凄惨さに成し遂げる者がいるとはおもわず。
又例えいたとしても何かの力を手に入れなければいけない業を持つ者だけだと思っていたが。
またもや現実は、自分可愛さの為だけに20歳にも満たない少女の起こした。ワガママという壮絶な現実だった。
だから、途中からルーシーは魅了の魔法を悪辣禁呪から手にして。最初の印象がある程度悪くても皆が低地位の男爵令嬢で更に礼儀に反したある意味自由にあどけない行動に目を瞑るのに。
ソルドの2人きりと言う。男の本性を出すだろう最適な場所で
ここまで拒まれたルーシーは
「まさか………」
「男同士しか愛し合えないの!?
ソルドって」
あまりな言葉に
「ふざけるな!俺は女性が恋愛対象だ」
怒鳴り返すと
久しぶりに男性から聞いた心底嫌悪した声にルーシーは凍りついた、
「なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?」
狂ったように呟き
ソルドに言い募ってくるルーシー。




