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国境で、どうやら迎えの団体が見えた
美麗字句の歓待の言葉が宰相とされる男から告げられ、友好的笑顔をたたえる横には線の細そうな気難しげ美形の長髪の青年が見え
ユザリーが
「宰相の御子息のユンドリではなくて?」
「おぉ、彼の国の姫に届く程我が息子の優秀さは抜きん出てましたかかな?」
親バカ丸出しの解釈に
心底笑いしかでてこず
「あら、なんて楽しい冗談かしら。」
ムッ、とした顔になった宰相の息子のユンドリに
ニッコリと笑顔をたたえ
「私は未来視の特異魔法者ですの」
この発言には宰相一団より
我が国の一団が一気に騒ついた。
我が国が大国でいるのは
魔法こと
『特異魔法者』
の、存在による。
そして特異魔法者が一番恐れているのは
自分の特異魔法を知られる事だ。
「姉君!」
義弟のソルドは慌てて
「この話を聞いた者には箝口令をしく‼︎」
今までに聞いたことのない厳しい声で周りに言い放ち
一気に両国のその場の要人達は厳戒体制になり




