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何か強い衝動を認めたようなユザリーだった


ハイロウ第二王子に


「ハイロウ第二王子が見て見ぬふりを貫いてホロウを見殺したように」

「なっ、違う!僕はーーー」

慌てて違うと、さえぎるハイロウを無視し


ユザリーはハイロウに近づき視線を合わせてフワリとヒダやボリュームのある白いドレスの真後ろのリボンにユザリーは

せなかに手を合わせ注意深くハイロウの様子を見逃さないようしゃべった。


「マホロが衆人の中マホロのその身を汚され弄ばれていたのを見て

助けず、見る側に回り。」

リボンを揺らし手を前に回したユザリーは目をハイロウから逸らさず

「マホロを追い詰めた原因が自分の弟のライド王子やなにより、マホロの婚約者のライド王子の運命の恋人とやらのルーシーだと知っても。

知っても。

全てを知ってみていたのに、諦め。誰か救ってくれないかと現状を嘆くだけで見ていただけの貴方は何も悪くないと言い切って、善意を装うだけの貴方は悪くないというの?」


ユザリーに詰められたハイロウ王子は


あばかれる事に畏れるように


「違う!

僕は助けようとした‼︎」


「マホロ殿は何度も大丈夫だと言ったし」


両手で耳を多い、自分を弁護するように


「そうだ!

そうだ!

僕が動こうとしたら、全てがおわっていたんだ‼︎」


ユザリーが冷めた目で

「では、ハイロウ第二王子はどうにかマホロを助けようとしたと?」


「そう。

そうなんだ!

僕は第二継承権とはいえ、逆に継承権がある為王族として動きたくても動けず。」


「見たくなくても。

マホロがボロボロになっていくのを。

憤懣やる方なく見ているしかない僕は

あまりに辛く、苦しく。

僕こそ精神がどうにかなりそうにまでなったんだ‼︎」



悲しさが吹き飛んだ目でユザリーは


「では。

そんな見ていても何もしない。

ハイロウ王子の」


ピタリとユザリーは再びハイロウ第二王子と目線をしっかりと合わせ直し



ハイロウ第二王子の左眼を


リボンから取り出し袖に見えない様にしてていた隠し武器で


ーーーハイロウ第二王子の左眼を躊躇なくグチュリと貫いた。


悲鳴を一気に上げて、左眼に刺さった暗器に手をハイロウ第二王子はやり


「ぎゃああアァァァァーーーー」

と人払いをした静寂なこの場に響く絶叫を上げながら体を揺らすハイロウ第二王子を避け、ユザリーは


「そんな瞳は失くしてしまえばよいのよ。」


ユザリーの言葉が届いたのかハイロウ第二王子は更に悲鳴をあげ


残っている利き目の右目は


ひたすら泣き続けながら


ユザリーに、『助けて下さい!』と泣きつき医師を要求したのを、ユザリーは



「これからおこる悪辣無双をその利き目の右目でしっかり。

お得意の見て見ぬ振りを止めてみていきなさい?

マホロの苦しみと辛さと悲しみと共に」


なんの同情も見せないユザリーの瞳は只悲しい程美しかった。

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