痛み【詩】
何かを伝えようとしているのはずっと分かっているんだ。
いや、気付いたというのが正しいのかもしれないけれども。
人が死ぬ話、人と繋がる話、人の遺したもの、人との世界との関わり、人の心と、無機物の心と曖昧にしがちな現世と前世。
鼓膜でずっと叫んでいるのは誰。
何をしたらいいんだよもうこっちは書けないんだって何度も言っても周りが締め上げて忘れさせないように永遠に表すことを忘れるなとずっと。
ずっと。
いいよ、いいよ分かってるからああうるさいなもうずっと幻聴がうるさいんだいつ死ぬのっていつ死ぬのってうるさいんだ。
遺したいものがあるんだ、まだ何も出来ないから何度車にぶつかっても死ねないんでしょ。
何を持って守られているのかもう分からないんだ。守られて最悪生きてくれって言うんだ馬鹿らしいだろ。
そういうことだろ。
そういうことなんだろ。
何度サインを見たか分からない何が大事なのかも分からない。
求められているものはなんなんだ
羊水に浸った胎児がこちらをじっと見つめている。
生まれる間際の生がそっと死にたがった私を見つめている。
ああ、こちらに来るもんじゃないよ。
こちらに来るもんじゃないよ。
互いの欲を吐き出して君はこの腐った世の中に這い出てくるんだよ。
なあ、今ならまだ間に合うから。
どうか私の耳元で囁くのはやめてくれ。