表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

二話

連邦士官様にかいていただきました

「総理!大変です!」

(私が総理なってから何度聞いただろうか?)

 嫌になるがこれも仕事だ。このSPに最近の情勢を調べさせた自分が悪いのだ。


「なんだね?」

(また、例の怪事件だろうに。)

 前総理の急死も、もしやと考えたが、止めた。その考え方は危ないと背中にヒヤリと何かが流れた。


「総理!こちらです。」

 資料をバサリと机の上に広げた。

 かなりの枚数があるのがわかった。しかし‥‥。


「何も確信がないじゃないか。」

 資料には孤児院の襲撃、東京近郊の自然災害などなど。

 どれも一貫してるものが無い。


「いや、見てください。どれも現場には似たような痕跡があるんです!」

 確かに、資料には足跡のようなものが写真としてついていた。


「だが、これが足跡だとすると3メートル前後になるぞ、小さくても2メートルだ。それにその巨人が崖も崩せるか?」

 資料にあった崖崩れが目に入った。


「そちらもそうです。光を放つ巨人が崖を崩したとバードウォッチング中の男性が証言しています。」

 男性の写真も一緒に付いていたが、その後の‥‥。


「鉄骨が落ちてきて事故死か。」

(もしかして、消されたのか?だとしたら、誰が一体なんの為に?)

 そもそも、その巨人が本当だったとしてなんの為にそんなことをしているというのか何もわからない。


「とりあえず、その資料の関係者で何人生き残っているかを調べて‥‥。」

 SPが気まずそうに目を閉じた。

(なんだと言うんだ?その表情は?)

 途端に喉が乾いて、卓上ウォーターサーバーから水をコップに注ぎ、喉を潤して、SPを見据えた。覚悟はできたサインだ。


「結果から‥‥結果から言いますと0人です。」

 また、喉が乾き、水を注ぎ、飲み込む。


「0?あり得るのか?こんな枚数ということは数百人以上だろう?」

 ありえない事だ。不自然だが偶然でなった自然的な死亡数ではない。数百人に及ぶのなら、それは必然を感じざる得ない。


「あと、この事件をアメリカ大使館の職員、いえ、FBIかCIAのどちらかだと思いますが調べているようです。外国人を見たとの報告があり、警視庁管轄のシステム、オービス(速度違反自動取締装置)によって裏付けが取れてます。」

 大使館ナンバーは目立つので、レンタカーを使っているようですがと補足してきた。


(アメリカが何を調べてるというのだ?)

「しかし、何をしているんだ?」

 疑問のあまり、こめかみをトントンと右手の人差指で叩いていた。


「総理、それがこちらを。」

 新たな資料が置かれた。その資料にあったのは‥‥。


「横須賀の米軍基地から何者かが入国した疑いがある?では、この巨人はアメリカ軍のパワードスーツとでも言うのかね?バカバカしい、パワードスーツなど日本の民間品をアメリカやロシアや中国が見に来るほど、まだ進んでないというのに。」

(いや、待てよ、パワードスーツというのなら動力は何というのだ?SFとかじゃあるまいし、核動力か?なんだと言うんだ。)

 リチウムイオン電池でのパワードスーツですら、稼働時間が2時間程度だと、こないだのイベントで聞いたから間違いないだろう。

 しかし、だとすれば‥‥。


「一体、これは?待てよ。他の国は?」

(アメリカだけが動いてるとはとても思えない。)


「ロシアや中国にはあまり、動きがないのでアメリカが一番怪しいかと。」

 それを聞いて、頭を押さえた。


「なんで私の時なんだ‥‥。それで、そのアメリカ大使館はどうなのかね?」

 とりあえず、分かっている大使館の情報を調べさせることにした。


 翌日の朝、食事の前にで新聞を広げると‥‥。


「な、な‥‥。」

 SPが交通事故で死亡していたと一面を飾っていた。


「貴方、どうしましたの?」

 妻の声に震える手を抑えて食事をした。味が全くしなかった。


「この国で何が起きているというのだ?」

 テレビに映る東京の風景に疑問を投げかけるしか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ