story9.人の不幸は…
story9.人の不幸は…
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・レオン,ユリア&アベル,シェミリー
「森に誰かが不法侵入したって事ですか!?」
「警戒が甘かっ…」
『きゃあああああああああ!!!!』
「!……ルジェ!」
「看板道に入った人の悲鳴か…?分からないが行ってみるだけ価値はあるな」
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「助けて…助けて!!だ、誰か助けて…いやああああああああああ!!!!」
食べられそうになったその瞬間後ろの方から剣が飛んで来、バケモノの腕を切り落とした
「!?…誰だ!」
「バケモンとその主人と言った所か?そこにいる気色悪いどデカいバケモンが人食い事件の真相だな。」
「我が可愛いペットの腕を切り落としやがって食事を邪魔する気か!それならばこちらには人質が…なっ?!どこ行った!」
「人質?あぁ…食おうと思った女性だろ。それならここだ。」
「大丈夫ですか…?」
「はい……ありがとうございます…」
「クッッソ!」
「ちなみに今残ってるのはお前だけな」
「なんだと!?」
「後ろでも見てみろよ」
後ろを振り返ってみると白目をむき泡を吹いた自分のペットが倒れている
「!…わ、私の可愛いペットが!い、一体誰が!!」
「バウバウ!!」
「ひっ!お、お前はちびガキの…!」
「さて……観念して吐いてもらおうか?どうしてこんな事をしてまで幼い子供達に殺人の罪を擦り付けようとする行為を犯したかをな」
「っ!……と、当然だろう!親も死にそのままガキ2人も消えれば計画通りだったのによ!!親が見事に隠しやがって魔王軍共が殺したのは親だけだ!」
「は?お前この子達の親がどうして魔王軍共に殺されたのを知ってる。」
「それは俺が莫大な金を渡して実行してもらったからだよ!妖精族のしかも超治療タイプにとある偉大な森の番犬だった攻撃特化!超攻防タイプの猛獣!売れば2匹で98100000ルナは貰える!」
(確か私の独学が正しければ日本円で……億は行く…いや、兆!?大体10兆ほど…?いや待って…この国の1ルナが10円で1ピルが1円だから…9億8100万?あああ!!分かんない!昔から算数は苦手!)
「親とガキが消えれば猛獣と妖精が俺の金になると思ったのによ!…とんだ失敗に終わった…だが逆に好都合だった。ガキ共はそれ以降この森で入ってくる人を次々と襲って行ったんだよ…そして!頭のイイ俺は違う道を作り人を可愛いペットに食べさせて死に損ない共に罪を着せてやろうってな……人の不幸は蜜の味だ!アッハハハハハハハハ!!!」
「っ!……そんな…そんな……ぱぱぁ……ままぁ……」
「ユリア…!」
泣き崩れるユリアをシェミリーが人間の大人程の大きさになり抱きしめて宥める。
一方レオンは震えた声で喋り始める
「…な……うな………笑うな!!!人の不幸は蜜の味!?ふざけるな!お前みたいな大人は大嫌いだ!自分の都合で…お前の勝手な都合で父さん母さんは命を落としたのか!?ふざけるな!ふざけるなふざけるなっ!!!確かにアベルは森の番犬だった…強くってカッコ良くて…僕はアベルの事を最初は強さで見てた!強かったからパートナーに欲しいと思った!だけど……毎日毎日小さい体で会いに行ってアベルの優しさと父さん母さんみたいにアベルが僕の事我が子の様に思ってくれて……その時には強さなんてどうでも良くなってた…僕はアベルと一緒に居たいから一緒に居るんだ!!強さや金なんかどうでもいいんだ。僕とユリアはパートナーと一緒に居たいから一緒に居るんだ、父さん母さんが居なくなった今…僕達の親はアベルとシェミリーだ!!絶対……絶対お前みたいな悪者には渡さない!何があっても渡すもんか!!これ以上僕達は大事なものを失いたくない!!」
泣きながら妹の分まで含めて自分の気持ちを言い放ったレオンは声だけではなく体も震えており、幼いながらも悲しい事実に対する泣き崩れたい気持ちを抑え何歳も年上相手に恐れず発言した姿は先程までの姿とは別人のようだった
「……ただの生意気盛りの子供かと思ってたが、意外と言うじゃねぇか、よく言ったな。天国の父さん母さんもお前の姿見て成長に喜んで泣いてるだろうよ。後はこっちでやっとくからお前は泣きたけりゃ泣いてな」
「う゛ん゛……」
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そして数日後。兄妹&パートナーの引っ越しが難なく終わり、ローイズ達のペットは見つからなかったが仲間(?)は増えたのであった。
「ペット見つからなかったぁ〜ぅぅぅぅ……でも…あの子達出会った時よりはなんか生き生きしてるね。笑顔も出て来てる」
「また今度探せばいいだろ。そうだな…だがやっぱり心には残るもんさ、ふとした時に思い出して泣く……まぁ泣く事は悪い事じゃない、1度泣けばまた一定期間だろうがスッキリするだろ」
「うん、そうだね……こう…考えると私達が親と一緒に暮らせてる…親が生きてるって言うのは幸せな事なんだよね。」
「……そうだな…あの子達を見て親の有難みっての思い知らされたな」
「うん…そーいえば…ルジェあの子達の年齢って聞けたの?」
「俺はあの一件の一言で嫌われてるらしい。鏡花さんに頼んだけど収穫はあったの」
「お2人共双子で8でしたよ」
「きゃぁっ!?」
「うわっ?!」
突然2人の後ろから現れた鏡花、あまりの突然な出来事に2人はビックリし地面に座り込んでしまう。
「?大丈夫ですか?」
「え、ええ……あぁビックリした」
「心臓に悪い……」
「ごめんなさい。実は少し前から居たんですけどお2人が気付かなかったもので、それで気付かれなくても良いかなって思って…ただただ無言で話聞いてたら今に至った訳で」
「そんな逆に困るって心臓止まりそうだったよ…」
「あー……それで…双子の8?」
「はい、親御さんが他界したのが4歳の出来事らしいので」
「つまり4年間復讐の為に力を身に付けた…と言う訳ね。それにしては凄い子達…私は特殊魔法覚えるのに時間かかったのに…」
「イズが特殊魔法使えるようになったのは15だからな。」
「うんうん……」
「2年前って事は最近に近いですね。」
「そうなの…本当最近の様なもの…それを約4年間であれだけ出来る事はかなりの才能があるのと…大好きな両親を殺された…その時の様々な感情で幼いながらも頑張って来たのよ。」
「あぁ…そうだな。特殊魔法は国ごとに違ったりするが、どの国の中でもここ…オルピルナ王国の特殊魔法はベテラン勢の魔法使いだとしても、取得だけで数多くの人が挫折する。」
「特殊魔法を熟すなんて…やっぱり才能があるのかしら?」
双子2人の強さ、努力に感心しながらどれだけ凄い事か互いに改めて確認し合っている
「健気って言うのかな…こういうの…毎日毎日御両親のお墓に手を合わせているし魔法の訓練?特訓?も欠かさずしてるし」
「イズも負けていられないんじゃないか?こうやってだべってる間に差はまたどんどん越されていくぞー」
「うっ!やります!やりますよ!」
「頑張ってください〜っ」
「2人してぇ〜っ!もうとことんやってやるんだから!」
次回へつづく・・・