story7.正体と昔話
story7.正体と昔話
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・???&???
そう言い幼き声の主2人は下に降りて来た。現れたのは見た目が8か9の幼い男女だった…が幼い体、幼い顔、幼い声には合わないぐらい雰囲気、喋り方はとても大人びている
「まずはようこそいらっしゃいました。ここまで来れた人は初めてですよ。それに罠に気付き避けて進んで行くとは」
「とても感心致しましたわ。ふふっ…今までの人間は罠に気付かずまんまと引っ掛かりお兄様の可愛いパートナーに襲われて行きましたが、貴方達は違いますね。」
「次は自己紹介ですね。僕はレオン…レオン・シュタリシュです。」
「私はユリア、ユリア・フェアフローラ」
「僕は父さんの名シュタリシュ、ユリアは母さんの名フェアフローラ。別名だけどちゃんとした実の兄妹だよ。」
「はいな、ふふっ」
「自己紹介してもらってありがとう。まずこちらの自己紹介の前に1つ、質問させてもらおう。」
「良いですよ」
「そのパートナーとやらは今までいくつもの人を襲ってきたんだ」
「37ぐらいでしょうか」
(37…?少な過ぎるルジェは2桁じゃ済まされないとか言ってたはず…)「どうしてそんな事を」
「どうして?それは簡単な話ですよお姉さん」
「「私(僕)達の敷地に踏み入って来た輩は逃がして返す訳にはいきませんから!」」
突如2人は攻撃を仕掛け始めてきた
「!…バリア!」
「バリアを展開させましたか……」
「ふふっ…だけど無駄な足掻きだね、お姉さん♡」
「なんですって…」
「「おいで」」
男の子と女の子の声に反応し現れたのは禍々しい気を放ってる大きな猛獣と同じく禍々しい気を放ってる大きな妖精…
「?!……猛獣はともかく…妖精だと…?」
「嘘……この妖精…容姿までも魔そのもの……それに妖精はここまで大きくはないはずなのに…なんで?」
「ふふっ……どうしたのお兄さんお姉さん…私の可愛い可愛いシェミリーにそんなに驚いちゃって」
「だ、だっておかしい!妖精は小さい生き物!それなのに……貴女の妖精は大っきい…おっき過ぎる!」
「私のパートナー…シェミリーはね。体の大小が自由自在なの、確かに素のおっきさはお姉さん達のよく知る妖精のサイズだけどね。今は私達の敵が来たから勝つ為に大きくなってるの…それに…大きい方が威嚇出来るから…」
「じゃぁなんでそんな禍々しい気を放っているの!?容姿までも魔じゃない!」
「気になるんだ…それじゃぁお姉さん達に少し昔話してあげる。特別だよ。ふふっ」
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私がシェミリーと出会ったのは3歳の時、その時には物心がつき言葉も喋れるようになって来てゆっくりだけど手助けなしで歩けるようになった頃…我が家は自然に囲まれた家で私はいつも通り歩きの練習で両親と森の中を散歩してた。
そしたら急にチカチカと白く明るい光があったの、私は気づいたら光の方に歩いてた…光の場所に居たのは傷だらけでボロボロになった妖精…
「ようせいさん……だ、だいじょうぶ…?!パパママ!ようせいさんがたいへん!」
「まぁ!大変!早く治療してあげましょう!」
「ユリア妖精さんを家まで運んであげよう」
「うん」
そして家に運んで治療を済ませた。思ってた以上に妖精さんは回復速度が早くたったの半日で重症だった羽や深い傷等が治っていた。
そこからは両親が妖精さんに事情を聞き、何故ボロボロで倒れていたかを聞いた。
妖精さんの口から魔物達に妖精達のいる村を襲われていると言う話を聞き、妖精達のいる村の危機を両親が助けに出発、その後無事魔物達を倒し終え妖精達のいるの村を救えた。
幸い怪我をしていた妖精は多々居たが皆命に別状はなかった為その時は安堵したが、村が救われ平和になっても妖精さんが帰る気配がなかった。
何か深い事情があると思い両親はゆっくり事情を聞き始める。
「ねぇ妖精さん。村は…平和になったけど帰らないのかな?何か事情があるの?あるならゆっくりでも良いからおばさん達に教えてくれないかな…」
「……帰りたくない…あんな場所帰りたくないです……私他の妖精達からは出来損ない失敗作ってずっと言われてるんです。それにあの危機の時私はみんなから…捨てられたんです。他の妖精達は村長のバリアで護られて、私は初っ端から1人だけバリアには入れてもらえずそのまま攻撃を喰らい羽はボロボロ体も傷だらけ…死に物狂いで村を抜け出しそこからは…ご存知の通りです。もし……もしおじさんおばさんが宜しければ…私をここに置いてください…お願いします。」
そう泣きながら両親に土下座をした。両親は妖精さんを更に放っておけなくなり二つ返事で「良いよ。狭い家だけどずっとずっと一緒に住もうね」と許可を出した。
その後妖精さんは私のパートナーになった。私は妖精等の異種が大好きだったから嬉しくって、妖精さんは名前が無いと話で聞いてた為に「シェミリー」と名前をプレゼントした。
そして本題のシェミリーの容姿が魔になったのはあの時……そう…お兄様と私の両親が殺されてしまった時…森に入り込んだ魔王軍とか言って襲いかかってきたヤツらに立ち向かう為両親は戦っていたが力の差と人数の差で惜しくも負け殺されてしまった。
その時私とお兄様は怒り悲しみ憎しみでその日から魔王軍とか言うやつらを倒す為、強くなると決意した魔法も物理も全部知識を叩き込んだ。
それと同時にシェミリーとお兄様のパートナーも魔に染まった。私達と同じく怒り悲しみ憎しみで、容姿が変わってしまったのはそれだけショックだったからそう思ってる
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「これがシェミリーの容姿が変わった出来事であり私達の過去、復讐心からの今の私達がいるの」
「魔王軍…ですって…?この世に魔王なんているの!?」
「この世に魔法使い等が存在するなら魔王なんて居てもおかしくない。そう言う事だよ。」
「魔王なんて居るわけないだろう。でっち上げじゃないよな。」
「っ!!お兄さんには分からないでしょ!?両親を失った時の私達の気持ち…大好きな両親が目の前で殺された時の…ただ隠れている事しか出来なくって…少しも力になれなかった何も出来なかった…色々な感情が湧き上がってくる…お兄さんには私達の気持ちなんて分からないでしょ!」
「ねぇ…お兄さんは人の不幸は蜜の味とでも言いたいの…?許さない……手加減してあげようと思ってたけど本気で行く!!」
アルジェの一言で怒った2人はパートナーと一緒に攻撃を仕掛けて来た。瞬時に避け物陰に隠れるが、たった1回の攻撃で3人の居た位置の地面に深い穴が4つ出来る
「こ……こっわ!!!ルジェのバカバカバカ!!なんであんな事言っちゃうの!私は真剣に受け止めてたのに!!こんな強い攻撃直に食らったら死だよ!良くても複雑骨折とか大怪我だよ!!!」
「あの中で1番妖精の攻撃は極力避けた方が良さそうです。4つの中で1番穴が奥深いですし」
「うっそ!?昔話じゃぁ出来損ない出来損ない失敗作失敗作言われた妖精じゃないの!?」
「多分…あの妖精…村に居た時は本領発揮が出来なかったんだろうな。周りに認められず自分の何かが否定されれば「自分はこれが出来ないダメダメなんだ」と思いそのまま弱くなる。村の妖精共があいつの素質を閉じ込めていたんだ。昔話であの妖精は羽が穴だらけとか言ってただろう?」
「そうだけど…それが何?」
「例え話だがこの森があの4人の住んでいた森そのものだとすればここから妖精村は目と鼻の先じゃぁ済まされない程遠い。人が歩いていこうとすると1ヶ月はかかる」
「なるほど、人で1ヶ月かかる程遠い距離を羽が穴だらけでボロボロになった妖精はそれ以上の時間をかかるって事ね」
「そうだ、そのはずだがあの女の子の口振りからすれば逃げ出してこの森に逃げ込んだのは半日かたった1日ちょいぐらい、そうじゃないと村は助かっていない」
「えっと……それが何か?」
「妖精が歩く所は見た事ないだろう?」
「ええ…」
「つまりボロボロの羽でここまで来たという事だ、相当な根性もあるそして物凄い治癒力もある。1回の攻撃で深い穴が地面に出来る攻撃力…誰も自分を否定する者が居なくなり伸びて行ったタイプだ。そして…幼いながらも深い穴を作る程の威力を持つあの二人も相当な者だ」
「あぁ〜!も〜!!また出たルジェの解析癖!!そう言うのいいから!」
「でもどうしますか?カンカンに怒ってますよ…」
「話し合うって言うのは無理そうだ。」
「んー……幼いからしたくないんだけど痛い目見せるしかないかな」
「そうだな…」
次回へつづく・・・