story4.緊急事態発生
story4.緊急事態発生
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・七奈月 鏡花
・ルル
「はい?どうぞ」
「ナナヅキ様、大変です。突然隣国の者達が我が国に食料を求め押し掛けてきました。只今国王様御一家と兵達とペルギール家が足止めしてくれておりますが、いつ爆弾等の飛び凶器が来てもおかしくはありません。早急に屋敷から撤退してください。」
ここに来て2日目にして戦争間近の出来事冷静にとは居られなかった…
(嘘…私来て間もないのに!?緊急事態早すぎ!!!国王一家…ペルギール家と言う事はあのお二人もいるの?)「あのお二人は17と言う若さなのにこんな状況で足止めで…大丈夫なんですか!?」
「ローイズお嬢様は戦えません。ですがこの国1番の魔力の持ち主です。その為兵達の継続回復、能力強化、国民達に被害が無いようバリア等の役目です。これらだけでもローイズお嬢様の魔力は3分の1にも満たしません。御安心ください」
「安心出来ません…!アルジェさんは!?」
「アルジェ様は大丈夫です。きっと前線で足止めしてくれています。」
(なんでそんな平気な顔で……17って若いよ?若いのに……)
「…ナナヅキ様!さぁ早く!」
「は、はい」
全く理解が追い付けて居ない状態で頭は大パニック、異世界に来てしまって2日目で大事発生は頭の整理が付いていない私からしたら今にでもぶっ倒れそうなぐらい。
そして外に出た途端剣と剣が重なる音銃声悲鳴叫び声……色々な音が入り混じる
(何……何………異世界系はやっぱり……やっぱり……こんな結果なの…!?平和な世界はこの世に存在しないの?若くしてこんな場面に立ち向かうってなったら私なら無理……無理に決まってる…!異世界は平和ボケしてられないって事?)
ルルに連れられるがまま走り続けながら頭は大パニック状態で頭痛がして来る
「ナナヅキ様!避難所へ御案内致します!」
「避難所……」(やっと…この空間から脱出…出来る…)
そう思った時…何かが頭に過ぎる
(ローイズさんは……自分自身にバリアを張ってない……後ろ……後ろから…襲撃……もしかして…足止め達が倒れず戦える源を…)「ルルさん!!ダメです!ローイズさんが危ない…!」
「ローイズお嬢様が…!?」
避難所を後にしルルと一緒に現場へ走り出す。
(あれ…なんで私……ううん、今は…助けなきゃ……若いのにここで命絶ってしまったらダメ!叶えたい夢、叶えたい野望がある子なんだから未練タラタラのままで逝ける訳ない…絶対後悔する……私の場所なら17は高校生なんだから…それに……あの子…昔…巻き込まれた事故で…死んじゃった…私の親友にそっくり過ぎる……叶えたい目標に向かって歩く姿が…瓜二つ…どうしてあの子だけが命を絶ち他の人達は重傷軽傷で済んだの…どうして……)「舞依っ…」
「……」(涙…ナナヅキ様はこの状況を何か泣きたい程辛い過去と重ねてしまっているのでしょうか……泣きたい過去なら相当ショックでしたでしょう…同情しか出来ない私で申し訳ございません…)
ーーーーーーーーー
(間に合った…まだ襲撃前……)
「はぁ……はぁ……間に合いましたね…ナナヅキ様…これからどうなされるのですか…?」
「!そうだ……私には何もない……力もなければ魔力とかもない……」
「それでは私の投げナイフとくとご覧ください。」
そう微笑みルルはメイド服のスカートをなぞる様に上げ太ももに巻いてあるガードルからナイフを取り出す
「幼少時代から父にいざと言う時の剣銃弓等護身用武器の訓練を受けましたが…その中で最も父から褒められていた投げナイフ……いつもならば首頭等急所を狙っても良いのですが、ここには国民の皆様が居ります…いつどこで逃げ遅れてしまった方が光景を見てしまっては危険です。特にお子様には恐怖となるでしょう。ですので、今日は脅し程度の攻撃と致しましょう。」
「ルルさん大人しい女性に見えて結構恐いですね…」
「良く言いましょう?普段温厚な方や大人しい方は……怒ると怖いと…」
「言いますね…」(ルルさん……ナイフ似合うなぁ……白銀の髪に銀と赤のオッドアイ……カッコイイ)
「ルル・フェイリア…御恩を返す為ペルギール家でメイドをやらせて頂き早13年、今私がやる事は1つ…アルジェ様の婚約者様を護る事…たとえ…誰であろうとローイズお嬢様に傷一つでも付けさせることは絶対許しません!!」
(かっこいいなぁ〜、ルルさん…ルル・フェイリアって言うんだ。それにいくつ?)「!…ルルさん!あそこから襲撃が…!」
「かしこまりました。襲撃人数合計5名確認。」
「血の出る事は本当にやめてくださいね……」(グロってそんな耐性私ないし…)
「御心配なさらず、軽傷で済ませます。」
(大丈夫かな……)
そして襲撃に来た人達にナイフを投げ、見事に武器にヒット全員の持っている武器が地面へと落ちる。
落ちた音で気付いたのかローイズが後ろへ振り返る。
『!…襲撃に気付かないだなんて……ルルさんありがとうございます!』
「いえ、ナナヅキ様のお声掛けがなければ私はここに戻りはしませんでした。私がローイズお嬢様を助けられたのはナナヅキ様のお陰です。」
『ナナヅキさんありがとうございます』
そう言い笑みを浮かべる
(良かった……)
「さて…武器を落とし手は麻痺している…貴方達は地面へと落ちた武器を持つ事さえ出来ない……」
「え?ルルさん??」
「本当は処理仕事したくないのですが…貴方達の持っていた剣……猛毒塗ってますね…」
ルルがそう言い放つと男達は青ざめて硬直する冷や汗がダラダラ出ているのが分かる
「図星……ですか。毒なんか塗っていなければ軽傷で済ませて差しあげましたが…猛毒をたっぷり塗るとは…ふふっ…覚悟は…宜しいですか?」
次回へつづく・・・