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ローイズの野望  作者: 水薔薇姫
29/29

story27.NewLife

story27.NewLife


:登場人物:

・繝槭Μ繝ウ繝サ繝輔ぅ繝ォ繝溘?繧ェ



私の小さい頃からの夢は今も変わらず好きな人と一緒に過ごし一緒に人生を歩み一緒に笑って一緒に泣いて一緒に…ずっと一緒にいる事で…私を選んでくれるのなら好きな人と結婚して幸せな結婚生活を送るのが夢で…

結婚して子供産んで家族で暮らすのも夢だった…


幼い頃私の毎日は1部を除けばとっても幸せだったペルギール家の人はみんな優しくって温かくって…ずっとその空間に居たくて…好きな人と居たくて家に帰りたくなくって駄々こねてお泊まりにしてもらう事なんていつもの事でほとんど家に帰らずペルギール家に居た時間が多かった


でも家に帰ると冷たい両親と冷たい使用人…誰一人と優しい人なんて居なくって温かくなくって……何も悪さや怒られるようなことをしてないのに怒鳴られて叩かれて殴られて蹴られて酷い時は首もしめられて髪引っ張られて、いつも死んでもおかしくないって幼かったあの頃でも察せた。

体に暴力された痕が残って大好きなペルギール家のみんなに嫌われたくなくて薬塗ったり色々して痕を消して頑張って努力をしても家に居れば1日最低3回は暴力を振るわれて…身も体もボロボロだった…

そんな環境の中小学校中学校と上がって行った。


中学校に上がる時には思春期が入ってくるのかなんなのか私はルジェに…反抗的な態度を取って…そこから喧嘩したり言い争いしたりして、本当なら小学校の時みたいに手を繋いで一緒に帰りたいのに…恥ずかしくってクラスメイトと帰って逃げてて……心の奥底ではまだ高校もあると思ってゆっくり戻そうとしてた


それが間違いだった。

ある日学校が終わって帰宅すると両親も使用人も荷物をまとめたりとドタバタしていて、急な光景に驚いて硬直してる私に父親が言ったのは「他の国に引っ越しするぞ。急いで荷物をまとめろ」という言葉

驚きやショックなんか以前にペルギール家のみんなと会えなくなるのが嫌で嫌でルジェと婚約破棄になってしまうのなんてもっと…もっと嫌…


「まっ、待ってよ!私引っ越したくないよ…!ぺ、ペルギール家の人達とお別れなんて嫌だ!るっ……ルジェとの婚約だって…私がこの国から出たら自動的に破棄に……そんなの嫌だよ…!!私はここに残ったらダメなの?!」

「お前みたいな失敗作で生きてても価値のない出来損ないがここに残られて問題起こしたら俺らが責任取らないといけないだろうが!!!黙って着いてこい!!」

「本当、アンタみたいな失敗作産むんじゃなかった。はァ…アンタが流産して死ねば良かったのに」

「本当だ。お前なんかより先に産まれてたであろう女の子に本当ならマリンって名前をあげてたってのにな作って失敗だ」

「お腹痛めて産んで損、今にでも殺したいぐらい大っ嫌い」

「っ…ごめん…なさい………」

「謝って済むと思ってんじゃねぇよ!!お前が産まれてくる運命がなきゃあの子は流産しなかったんだよ!!ふっざけんなクソガキが!!!」


そう言って怒った父親に殴られて蹴られて…母親はイイ気味と言わんばかりに微笑んで使用人達は軽く鼻でクスッと笑って誰も助けてはくれない…

なんとか死なずに生きてはいたものの体が痛くない訳がない

せめてあと少しの時間が欲しくって中等卒業まで待ってと頼み込み引っ越しを延長してもらった


だけど中3終盤だった私には時間がなかった…

仕事中などの事情でルジェのお父さんお母さんには会えずネロさんミルアさんにも会えなかったけど……ルジェとだけは最後に一緒に出掛けるだけでもしたくって…


「急に2人だけで出掛けたいとかなんの風の吹き回しだ?」

「卒業式…月曜日……明後日でしょ?」

「それがなんだよ」

「忘れたの?私卒業式終わったらすぐ引っ越すんだよ?他の国…行くんだよ?もう会えないってなったら嫌だから最後に出掛けたかったの」

「…あっそ」

「何その薄い反応、ま……いい…けど…」


案外薄い反応でもしかしたらもうルジェは私の事好きじゃないんだ…そう思ったら自分だけが離れたくないだけでルジェからしたら離れたい存在なのかもって考えるだけで胸が痛くって泣きそう…泣きたい

そんな事を思いながら最後のわがまま扱いでも良いから一緒に出掛けたいし手繋ぎたいし…出来る事なら……最初で最後のキスだってしたい

色々したい事を考え出したらキリがなくって気付けばそろそろ日が暮れる


(日……暮れちゃう…な…手でさえ…繋げなかった……結局は私…好きな人にまで嫌われたのかな…)


幼い頃から毎日のように暴言など「死ねば良かったのに」「殺したいぐらい大っ嫌い」を浴びせられ暴力を振るわれて好きな人にまで嫌われたと考えてしまい私の心は壊れる寸前だった…その時ルジェは知らない謎の人からクッキーをもらって食べてた


「る!ルジェ!!知らない人から貰ったものは食べちゃ…!」

「美味しいから別に良くね?毒とかねぇみてぇだし」

「でも!何が入ってるか分からないよ!…や…やめようよ…!クッキーなら今からでも私が作るから…っ!ルジェに何かあったら大変だよ…」

「…わぁったよ」

(手繋げなかったししたい事…ひとつも出来なかったけど……最後に…お菓子作りぐらいは…)


大変と心配してお菓子を作るって言ったのは本音…だけど少しでも好きを取り戻したかったってのがもっと本音で…でもそんな事言えなくってペルギール家にお邪魔してお菓子作りをして…これが最後だろうと思い一生懸命1つ1つ手を抜かず成功するよう願いを込め…


出来上がったのは程よいきつね色で綺麗なデコレーションのクッキー

食べてもらおうとルジェの部屋へ入り、机にクッキーを置き手を離したと同時に腕を引っ張られてベットに押し倒され…その数時間後は起き上がる事さえ難しい

けど手を繋いでくれたりキスしてくれたり嫌われたと思っていたけど違って…大好きって言ってくれて……嬉しかった…



あの後卒業式を終え、引っ越した次の日に妊娠してた事が発覚した

両親には「失敗作出来損ないのくせに子供なんか作るな」って顔を殴られたけどお腹じゃなければ今は怪我しようとどうでもいい…ルジェと私の子供を産みたい


「名前…何が良いかなぁ…?男の子かなぁ…?女の子かなぁ…?…無事産まれてきますように…」


ーー1年後

あれから1年、今日私は出産日で先程無事出産が終わり病室に居た


「フィルミーオさんお子さんのお名前はどうしますか?」

「名前……他のお母さん方は…どんな感じでつけてるんですか…?」

「そう…ですね〜……お子さんに将来光のような存在になって欲しいという想いを込めて「ライト」と名付けたり…ご両親の名前の1文字でも取って名付けたり…男の子だったらお父さんの名前を少し加えて名付けたり…女の子だったらお母さんの名前を少し加えて名付けたり…色々ですよ」

「……それじゃぁ……決めました…この子の名前はヴェディアルにします。」

「はい、分かりました。ヴェディアルくんですね。」


出産時は痛かったけど我が子は本当に可愛くって可愛くって……

私の周りに味方がいない今…唯一救いはヴェディアルだけだよ…


「ダメダメなママだけどこれから宜しくね…ヴェディアル」



そんな産まれたばかりの赤子だったヴェディアルも歩く事はまだ出来ないけれど少しだけ喋る事が出来ていた

あの日は昼寝中のヴェディアルを抱えながらポストに入ってたイズからの手紙を開いていた


「今日はどんな内容が書いてあるのかな……ルジェの事…とか書いてあるかな」


毎日のようにイズとは手紙上でやりとりをしててお話をよく聞くけどルジェの話は何か起きない限り書かれなかった。

その為いつ話を聞けるか…ルジェの写真が貰えるか…なんてイズを利用してしまっている。

だけどイズ本人との話は楽しくイズ本人の写真も大事にしてある

めくった紙に書かれてる文はいつも通り可愛らしい字でいっぱいだった…が…書いてある内容は私にとって嬉しい内容ではなかった


「イズと…ルジェが……婚…約………?」


2人が婚約したと言うたった一文でおかしくなりそうだった

胸の中が痛くって苦しくって…本当に辛かった…

両親使用人達からの罵詈雑言、暴力等に心身ともにボロボロでヴェディアルが居る事…オルピルナ王国に戻れたら結婚出来る事が生きようと思える心の支えだった私には……

大声で泣くと周りにバレて何を言われるか…何されるか分からない。

静かに泣いてもうどれぐらい時間が経ったか分からないぐらい泣いて泣きまくった


その後イズには申し訳ないけどもう二度と見たくない手紙…と一緒に入ってた2人が写った写真はルジェの部分だけ切って飾ってイズの部分は…燃やした


「…イズせっかく貴女の大切な時間を割いて書いてくれた手紙を燃やす事になって……どうしても…これだけは手元にあってほしくない内容なの…ごめん…ね…」


そこからの私の心身ともに状態は酷かった。

国民から私の髪色と瞳の色に苦情が来たらしく無理矢理黒の髪赤の瞳に変えられありのままの自分で居る事を更に拒まれた。

それに手をあげられる回数は以前より増え毎日目が合うだけでもすれ違うだけでも「役立たず」「出来損ない」「早く死ねばいいのに」等言われ学校では「貴族だからって調子に乗ってる」と乗ってもいないのに全生徒からいじめられ教員は見て見ぬふり…

私の体はアザだらけで傷だらけ、心はもう崩れ落ちてて精神的ダメージなのか寝たくても寝れず不眠症になり目のクマが酷くいつも起きた時にファンデーションで必死にバレないよう隠してる。

アザや傷も色々な方法を試し治してバレないようにもしてる


辛くって逃げ出したかった、叩かれたり蹴られたり殴られたり…耐えられない。

だけど私がサンドバッグ…をやめたらヴェディアルが同じ目に遭ってもおかしくはなかった…そう考えるとヴェディアルを守る為なら耐えられた


「ま……ままっ…ぉ……ぉけ…が…ぃ…ぃたぃ…ぃたぃっ…ば、ばん…そうこ…」


まだ話すのが難しくって詰まり詰まり話すヴェディアルが手に持ってたのは絆創膏

目が今にでも泣きそうなぐらい潤み、まだ歩けないはずなのに足をゆっくり動かし両親に殴られたばかりの私の方に歩いて来てた


「ヴェル……」

「べで…あるが……べで…あるが…ぃ…ぃたぃ…ぃたぃの…とっ…とんでけ…しゅるっ…!」

「…ありがとう……ヴェル。」

「ぃたぃの…ぃたぃ…ぃたぃの…とんでけ…!ぃたぃの…ぃたぃの…とんでけ…!」

「ふふっ…ヴェルのおかげで痛いの飛んでっちゃった。ありがとう」


そう笑顔で言ってもヴェディアルには…まだ痛いってバレてるみたいで最終的には役に立ってないとヴェディアルが泣き出してしまう


「ま゛ま゛っ゛……ま゛ま゛の゛っ゛……べ゛で゛…あ゛る゛…!゛…ま゛ま゛の゛お゛や゛き゛ゅ゛に゛ッ゛…た゛っ゛て゛な゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ゛!゛!゛」

「ヴェ…ヴェル…!そんな事ないよ…痛みは飛んでいかなくてもヴェルが心配してくれるだけでママは嬉しいよ…!だから心配して絆創膏持って来てくれたり痛い痛いの飛んでけってしてくれたり…それだけで十分ママの役に立ってるよ。」

「ままっ…」


ヴェディアルは本当に良い子で優しくって…私には勿体ないぐらい最高の息子

両親達との事は辛いけれど…日に日にヴェディアルが成長して行くのが嬉しくって幸せで…この子との時間が心の支えになってた。


それから月日が経って…久しぶりにルジェとイズに会えた……

私は特にルジェに会えて嬉しかったけど…ヴェディアルはルジェが気に入ったみたいでパパって呼んですぐ懐いた


「まま!ままっ!つぎぱぱにいつあえる?」

「さぁ…いつ会えるかな?ママも分からないの」

「ん……そっかぁ…またあいたいなぁ〜…それにべであるのほんとーのぱぱにもあいたいなぁ〜…いつかかぞくさんにんで……ままぱぱべであるのさんにんですごしたいなぁ〜…」

「そうね。ヴェディアルのパパが帰って来たら一緒に暮らそうね。」

「うん!」


後日には私とヴェディアルはペルギール家に引っ越しをした。

夢見てた優しくって暖かいペルギール家で過ごせるなんて思ってもみなかった事で驚きは少しあるものの私はやっぱり…嬉しかった…

でもここに来る数日程前…パーティー日前に両親がとある事を話していたのを聞いてしまってふとその事を思い出してた


『そろそろ本当にあのゴミいらないどうせオルピルナ王国に行かせたら戻って来ないでしょ?』

『そうだな。我が家のゴミのくせにペルギール家のおぼっちゃまに恋心抱いてんだろ?我が家のゴミと言う立場分かってねぇよな。あいつみたいな奴いくらなんでもあのペルギール家のおぼっちゃまが!!あのブルッシェル家の次に並ぶ貴族のおぼっちゃまがだぞ??あんな役立たずでゴミでどうしようもねぇクソガキを好きな訳ないだろってのww』

『所詮片想い終わりなのよw本当バカよねwあのゴミが産んだあのゴミガキだって汚いジジイとかに襲われて出来た子でしょwwほんっとバカよバカww』

『ってかあいつがオルピルナ王国に行って数ヶ月か早くて数週間帰って来なかったら二度とこっちに帰って来られたら最悪だしあのゴミだけでも殺そうぜ。暗殺屋に頼んで、まぁ射殺だけどなw』

『良いわねぇ!!そうしましょう!』


そんな会話をしていた…やっぱり私はいらないみたい


(両親はきっと何言っても私を殺す気なんだろうな…だったら残り少ない私の人生楽しまなきゃ…それにヴェディアルとの時間も……小さい頃から死ぬ間際まで暴力振るわれてたら…もう今更死ぬ覚悟ぐらい出来る…私の人生って呆気ないなぁ……)



本当に私の人生は呆気なかった…

後に両親は予想通り本気だったらしくヴェディアルと出掛けてた時に私は暗殺屋に射殺され息を絶った

そして現在死後の世界にいる

天国と地獄どっちかと言えば冥界と言う場所に近い

本当は天国行きとされていたそうだけど引き取られた的な感覚だ


そんな私は今引き取り?に来た相手とここに来てからいつものようにお茶をしている

正直その相手とは関わり方が未だ分からず困っている


「……あのやっぱり…毎日のようにお茶するのっておかしくないですか?私…なんの為にここに居るんですか?」

「なんにもおかしくない。まぁ…居る理由としたら気まぐれって感じかな」

「き…気まぐれ……」

「明日はどうしようか。まずお茶は大事でしょ?」

「お茶の飲み過ぎも良くないと思いますよ…?私達死んでますけど…」

「良いじゃないか、お茶を一緒に飲んで親睦を深めよう」

「親睦…と言っても私達全然関わり方が分からないから深まってないような…?」

「ひどいなぁ。じゃぁ明日は下に降りようか実は新オープンのお店が気になっててね。」

「新オープンって…どこでそんな情報手に入れるんですか…ここ冥界ですよ」

「実は私の弟子が下で今暮らしててね。毎日色々な事教えてくれるんだよ。」

「弟子?弟子なんて取るような方でしたっけ?」

「ふっふっふっふっ……実は…私これでも昔は知らない人等いない!ってぐらい有名な殺し屋で〜」

「あ、そちらのお方でしたか。全くそうには見えませんね。そんな人が歳下をお茶に毎日誘うなんて…でもこう言うのは失礼かもしれませんが…冥界にいるって事は死んじゃったんですよね…?」

「うん。そうだよ」

「弟子の人は…」

「死んでる。でもここ意外と良い場所だよ。許可をゲットしたら自由にここと下出入り出来るんだよ」

「…あぁ……ここ来た時に教えてくれましたね。確か普通の許可書はただ魂みたいな姿で1時間居れるだけでしたよね。で〜……試験みたいなの通れたら外出許可証明取れるんですよね。」

「そうそう。だからこれからカリンちゃんにはそれを受けてもらって一緒に外出しよね〜って」

「何回も言いますけどマリンです。マ・リ・ン!」

「あ、ごめんごめん。それでカリンちゃんなら一発通過だと思うんだよね。ちなみにオジさんバカだから取得に1年かかった」

(もういいや…2文字あってるし……)「そんなに難しいんですか…?ん〜…学んでる部分だったら良いんですけど…」


ーー翌日


「取っちゃった…特別外出許可証明……」

「ほらぁ!!やっぱり一発通過!!!流石努力の結晶の一つである頭脳!さ!!一緒に外出しよう!」

「はい…でもこの許可の場合身体を持って行く…んですよね…流石にマリン・フィルミーオの身体で出歩いたら…」

「違う違う。自分で作るんだよ」

「え?」

「流石に元の姿で歩いてたらある意味でヤバいからさ〜…ま、作るのも数十分もかからないよ」

「ほ、ホントにここ冥界なんですか?!おかしくないですか?!機能充実過ぎておかしいですよ!!住人の方々も優しくって良い人ばかりですし!!冥界って名前捨てて天国にでもしてください!!」


そんな大声を上げてても構わず背中を押して「ささ、さぁさぁ」と押されるがまま案内された

結果動ける肉体を作り約束通りに新オープンの店へと訪れた


「はぁ……予想外過ぎて言葉が出ないです。」

「ま、慣れちゃえば普通に感じるよ」

「そうですかね〜…?」

「それよりその姿あまり元の姿と変わらなくない?」

「え?そうですか?」


マリンが作って貰った肉体の容姿は元の姿と同じ髪色で瞳の色は白になり多少目の形が変わったぐらいだった


「それじゃバレちゃうよ〜」

「大丈夫ですよ。声違ますし目の色違うし目の形だって」

「まぁそっか。似た人で済まされるね。」

「レイジさんはおじさんの容姿してますね…紳士でダンディーなおじ様みたいです。」

「そうだろう?」

「キメ顔とその声やめてください。なんか腹立つ」

「酷い…あ、今日から(ここ)に居る時はマリン・フィルミーオじゃなくってサキ・ミューバルだよ」

「はぁ…サキ・ミューバル…ですか……一応別人として振る舞うよう頑張りますけど…」

「ちなみにこの姿の俺ってレオ・ミューバルなんだよね。戸籍上は夫婦って事に〜…」

「あ゛?私は好きな男以外に嫁ぐ気なんて一切ないんですけど?例え偽りでも結婚するなら」

「嘘、嘘だって…ごめんってそんな怒った顔しないで…ほら…フォークとナイフ曲がり始めてるから…本当は偽りの戸籍上孫になってるから…!」

「なら良いんですが」

「……サキは怖いなぁ…おじいちゃんちびりそう」

「はぁ……そう…」

「あ、ここオルピルナ王国だしせっかくだから息子くんの様子見に行くかい?」

「…本当なら少しでも見に行きたいんですが……ヴェディアルにはこの姿だとしてもバレそうなので…それに何故か…私が居なくなってもヴェディアルはショックを受けて落ち込んでるでしょうけど心配しなくても元気を少しづつ…取り戻してそうな…そんな気がするんです。なので…大丈夫です」

「そうか、まぁ…子供って凄いからね。純粋無垢で幼いからか…何かに気がついたりとか本当凄い。いやぁ俺もさぁある所の侵入任務で変装してたんだけどその屋敷にいた坊ちゃんにバレて危なかった時がある」

「と言うか、話の前に早く食べた方がいいですよ。アイス…溶け始めてます」

「え?」


マリンに言われ頼んだアイスを見ると本当に溶け始めていた


「ヤバい早く食べよ…」

「話好きが悪いとか好きな事否定はしませんけど食べてから今後喋ってくださいね…レイジさんの話を聞いて返事してたらご飯冷めてたなんてしょっちゅうなんですから」

「す、すまん……生前は誰かと話せた事なんてなくって特に女性となると一生無縁の存在だったから………つい…」

「食事時以外ならいくらでも話聞きますし相手しますので食事時は静かにお願いします。」

「あぁ……」


そして2人は頼んだものを食べ終わり街をふらふらと見て回っていた

すると目の前では人だかりは出来ており、どうやら凜白騎士団の見回り中に街人達がプレゼントをしているようだ


「はぁぇ〜〜……あれは騎士団?」

「はい。ペルギール家の騎士団で凜白騎士団と言います。」

「ほぉ…若い様に見えるがいくつほどなんだ?」

「20代なのは確かだったはずです…23程の記憶が…」

「若いなぁ〜」


そんな話をしていると向こうがこちらに気付いたようで近付いて来た


「こんにちは、見ない顔ですね。観光の方ですか?」


話しかけて来たのは凜白騎士団団長アルトだった


「あ、そんな感じ…でしょうか……今度こちらにおじいちゃんと住もうと思ってて良い物件か土地がないか探していたのと素敵な街を見て回ろうと思いまして…」

「こちらに住む予定…ですか。失礼ですがお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「私はサキ・ミューバルでおじいちゃんはレオ・ミューバルです。」

「……現在お住まいの国はどちらで?」

「私と孫は恥ずかしい話今宿住まいでなぁやっと孫がお金が貯まったようでここに住もうと思ってなぁそれで時間をかけてこちらに来たんだよ」

「そうでしたか!それは大変失礼しました!おじい様と住む為にお金を貯めてたなんておじい様想いの優しいお孫さんですね…それでしたら丁度つい最近空いた土地がありまして…そちらに家を建てるのは如何でしょうか?」

「良いんですか?」

「はい」

「わぁ!!おじいちゃんやったね!建てよっか!」

「おぉ…そうじゃのぉ」


──1週間後


「ふぅ……レイジさん畑ってこんな感じですか?」

「そうそう。初めてにしてはやるね!」

「本当良い収穫ですね。こんな良い家と凄く広い土地をもらっちゃいましたし」

「しかも街に10分で着く距離で便利だ」

「ところで畑なんか作ってどうするんですか?」

「ん?商売するんだよ。見た所この街って仕入れて販売してるみたいで新鮮度のない野菜ばかりだし」

「畑以外にも作る予定なんですか?」

「うん。畑で野菜達でしょ、パンでしょ、お菓子でしょ、あとお茶っ葉!!」

「えぇぇぇぇぇ!?!?!?そんなに作る気ですか?!それにパンに関してはもう手作りパン屋が…」

「そこ潰れたらしいよ」

「え、そうなんですか?」

「なんか店長が経営困難の末品の悪い材料でパン作ったら不味いやら虫入ってたやら苦情を受けてそのままバーン」

「そうだったんですか……」

「まぁ下手にどこかで働くぐらいなら一緒に店起こして稼いでこうじゃないか!」

「本当…そのテンションには着いて行けません……」

「ニューライフ♪ニューライフ♪」

「…頑張りましょうか」


次回へつづく・・・


新年明けましておめでとうございます。

今年も何卒ローイズの野望を宜しくお願い致します


新年小説は少しお待ちください…

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