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ローイズの野望  作者: 水薔薇姫
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story24.探し人

story24.探し人


:登場人物:

・ローイズ・ブルッシェル

・マリン・フィルミーオ


「……ふぅ…図書館の整理はこれぐらいかな?そう言えば今日はマリー…調査中…だったっけ。無事解決してみんな無事戻って来れれば良いなぁ…」


そう願い梯子からゆっくりと降りる。


「っと……よし!今日も継げるよう勉強しなきゃ!」(継げるようになったら…国民の笑顔が絶えぬ日々を作りたい…その為には便学に励む事…たとえ全関門突破しても最終判断のオルピルナ王国を支えてくださってる神エリュシティア様の試練の門を突破する必要がある…試練の門を突破出来るか出来ないかで私は継げるか継げないかが決まる……これからの国を支え3代目4代目…とブルッシェル家の運命が分かれる2代目を決める訳だ…私は女だけど…性別は関係ないって事を証明したい…!)


するとコンコンと図書館の扉が叩かれ開く音が聞こえた


「はい?」


尋ね返って来た声は姉セリアルであった。


「やっぱりここに居たの…探したのよ。整理は終わった感じ?」

「お姉様…はい。只今終わりました。」

「やだっ!2人っきりなんだから普通に呼んでいいのに〜っ!」

「え、えぇ……と言うかそういうキャラでしたっけ…?」

「違うわ。冗談よ。それで…終わったのなら今大丈夫?」

「大丈夫です。それにしてもお姉様が私を探してるなんて珍しいですね。」

「お父様が貴女に頼み事あるそうなの。引き受けてもらえるかしら?」

「内容聞かないと返事のしようがないです。だけどアリゼルがいらっしゃるじゃないですか?女の私より男のアリゼルの方が宜しいのではないですか?」

「アリゼルに頼んだら「めんどくさい」「やりたくない」「聞きたくない」「動きたくない」等…様々な返事で断られたそうよ」

「じゃあ…私の事は元々当てにならない状態だったと……はぁ…」

「まぁまぁ…そう落ち込まないで…少なくとも私はアリゼルよりローイズが国王に相応しいと思ってるわ。だから気を落とさないで」

「はい……それで内容は…」

「オルピルナ王国の北の方に森があるでしょう?」

「ありますね…」

「そこの森にこの写真の男が居るって話よ」


セリアルの見せて来た写真は顔に傷だらけでピアスバチバチの強面の男だった


「こ、こわそう……話しかけただけでキレられそう…怖い…」

「まぁ…強面だからね。」

「この人がなんかあったの?」

「今全国王を騒がせてる殺人犯よ。ちなみに他国で建物爆破事件も起こしてるの」

「さ、殺人犯?!?!そ、そんな危なっかしい人を私にどうしろって…!」

「気絶させて連れて来て欲しいそうよ」

「確かにこんな頼み事断りたくなるよね…」

「ローイズ?これ完了報告してくれれば次ので50点の得点付けてくれるそうよ。」

「個人的には得点どうでもいい……自分の力で取りたいし…」

「こ、これ完了すればアルジェくんが褒めてくれるそうよ!」

「えぇ〜……ルジェそんな柄じゃないでしょ…嘘なのバレバレだよ…」

「お、お父様がこれ完了すればなんでもしてくれるらしいわよ?!」

「マリーが言ってたんだ。人って何がなんでも自分に受けて欲しいものがあれば必死になって嘘を並べるって、多分今お姉ちゃん嘘並べてるよね。」

「だって…お父様は……ローイズとアリゼルには国王候補だからこういう頼み事するけど……私が引き受けようとしても許可を下さらないんだもの…アリゼルが断って出来ない以上ローイズにまで断られたらこの件はお蔵入り…そうして殺人犯のこの男は殺人を繰り返し人口は減って行き建物爆破を繰り返し…無くなっていく国が出て来てもおかしくないわ…私は各国の未来に影響する様な人物を野放しにしたくないの……」

「そう…だけど私で大丈夫なの?」

「大丈夫じゃなかったら頼みに来ないのよ」

「そ、そうだね…ん〜……頑張るよ…」


ーー森の中


「う、蜘蛛の巣……本当森だなぁ〜…蛇出てきそうだよ〜…話の内容的にこの森を抜けたら丘みたいな場所があってその向こうにまた森…だったよね…それであの男の人いるのは奥深くの森だって話…どこから手に入れたのそんな情報…そこが謎…とにかく進んでみなきゃなぁ…」


垂れている木の枝達を避けて進んでいくが所々蜘蛛の巣等があり通るのが難しい


「なんで高頻度で蜘蛛の巣があるの!…これがあるから森って場所によっては好きじゃない…」


進むのを少し躊躇いながらまた前へ歩くと何やら話し声がボソボソと聞こえてくる


「?…あ!もしかして写真の人かな?!それはラッキー!」


手間が省けたと思いながら声のする方を覗くと丘が見え

その丘には写真の男は居なかったがいかにも悪行をしてそうな数名の若い男が居た


「ん〜……流石に私一人であんなガタイのいい人達どうにも出来ない…でもやってみるしかないかなぁ…何がいいかな?ここはやっぱりきょd」


その時丘の右側から銃弾が沢山飛んで来る


「ヒョェッ…この恐ろしい玉の速度は…マリーのガトリン以外で見たことがない…」

『はぁ〜い〜っそこのお兄さん方大人しくしてください〜』

『1,2,3……5人ですか…おかしいですね…ここに来る途中の情報で犯人は6人だとお伺いしたのですが…』

『まぁ良いです。私的には1人ぐらいどうでも良いと思いますよ執事長』

「ぅゎぁ……あの男の人達逆らったり反抗をすれば命の保証ないよぉ…マリーネイリンさんミルフィアさんの3人に悪行見つかるとか本当…ご愁傷様だよ……」

『ねぇお兄さん方?今回の神隠し…知ってますよね?』

『し、知らねぇよ!』

『目が泳いでるって事は知ってますね。今のうちに白状して頂ければ痛くしませんよ』

『ほ、本当に知らねぇんだよ!』

『知らない?ここに来る最中に女性のものであろうアクセサリー等が落ちてましたが?』

『っ……ほ、本当に知らないんです!俺らは…俺らはあの男に脅されて集められた内心は弱虫のバカ共なんですよ!身体能力とかで雇ったと言うなの脅しなんだよ!』

『……とにかくお話の続きは地下牢でするわ。運びましょう』

『『はい』』

「あ、捕まっちゃった。話の内容的にあの男の人はあの人達を能力で雇った…って事かな?ん〜私はまだ帰れないや…写真の人探さなきゃ」


森から出たローイズは賑やかな街を歩きながら話をまとめ少し考え事をする


(つまり…マリーの調査してる件の黒幕は私の探してる人物でさっき捕まった人達は能力で雇われ神隠しを起こしてた……でも女性を神隠ししてまで連れて来るなんて…一体なんのメリットがあるの?保護者からの金をむしり取る事?自分の欲求を満たす事?どっちもダメなんだけど……ね)


その時後ろから声をかけられた


「イズ」

「ひゃい?!」

「なぁにその声おかしいわね〜w」

「ま、マリー?!な、なんでこ、こっちに!」

「理由?イズの去って行く後ろ姿が見えたからよ。何かあったのか聞きに来たの」

「…実は…私お父様にこの男の人捕まえて連れて来るよう頼まれて…」


ポケットをガサガサと漁り見せられ渡された写真をマリンに見せる。


「この男を?」

「うん…それでさっきの森に居るらしいってお姉ちゃんが言ってたから来たんだけど……居なかったから再度探しに行こうと思って」

「……ねぇイズ」

「何?」

「貴女にお姉さん…居たかしら?」

「え?い、居るよ!セリアル・ブルッシェル!」

「そ、存在の事じゃなくってこの国にって事よ!」

「こ、この国…?」

「そう、私が手紙で状況を聞いてた?限りでは丁度高校に上がって3年の後半ぐらいにお姉さんは医学を学ぶ為にフェタリスピ王国に留学したわよね?オルピルナ王国とフェタリスピ王国は海と大きな島を挟んでるからこちらに帰省するには最低でも天候良くって海がなにか起きて無くても半月はかかる距離よ?」

「そうだけど……え?いやでもキョウカが来たばっかりの時にルジェとキョウカが家に来たけど…その時もお姉ちゃん居たし…き、昨日一昨日……ずっとお姉ちゃん居たし…」

「それはおかしいわよね?"ずっと"って…何?」

「い、今までなんで私……気付かなかったんだろう…確かに言われたら留学してすぐ帰って来れないし…帰省してもすぐ帰るお姉ちゃんがずっと家に居た事明らかにおかしいのに…お父さんもアリゼルも使用人達も誰も疑問を持ってなかった……って事は…」

「洗脳済みで入り込んだのね…はァ〜…調査の方よりそっちが厄介よ。部外者が国王に近付いて何するか分からないし機密情報だって抜かれてたらヤバいわよ!」

「ど、どうしよう!私男の人探さないとだし!でも偽のお姉ちゃんをどうにかしないとだし!」

「落ち着きなさいって、イズがこれをやってるって事はアリゼルくん拒否ったって事でしょ?」

「うん…」

「内容的にはアリゼルくん向けだしほぼ毎日暇持て余してるあの子が暇潰しに丁度良いこの頼み事断ったなら…何かあるんじゃないの?あの子も気付いたのかもね。」

「だ、だと良いけど…」

「さ、私達は写真の人探しましょう?」

「う、うん……」


一方、話に出たアリゼルは…

使用人達や父親等に見つからないよう滅多に人の来ない倉庫に呼び出して聞き出そうとする


「まず…化けの皮が剥がしてもらおうかな」

「アリゼル何を言ってるの?化けの皮?なんの事かしら」

「あのさ、あんた男だろ。胸は色々何か詰めて盛れるかもしれないし顔と髪は作ってウィッグ被れば行ける、声と口調は真似すれば人によっては似るが…それ以外はいじりようがないよな?そんな感じで変装してるって事は変装に使える魔法とかが出来ないらしいし」

「……どこでバレた。御令嬢様の方は完全に騙せてたからイケてると思ったんだが?」

「ローイズ姉さんは悪いけど結構天然だし抜けてる部分あるからセリアル姉さんが留学してた事忘れてずっと今日も変わらず家にいる…だとか思ってたんでしょ」

「ふーん…」

「で、バレた理由(わけ)だっけ?まぁ実際俺も騙されてたが、あんたが出た後にトイレ行ったら便座上がってたのと仕草がセリアル姉さんのとはかけ離れてる事があったからってぐらい…かな。」

「はぁ〜……それぐらいで気付くとか…もしかしたらお前の姉さんが実はって説もあるだろうが」

「絶ッ対ない。それは絶ッ対ない」

「ほぉ〜お前まるでちゃんと体見た事あるぐらいに断言するな?」

「見た事ないけど絶ッ対ない」

「は?ないの?お前弟じゃん「お姉ちゃん一緒にお風呂入ってぇ〜ぼく怖いよぉ〜」とか言ったら合法的に一緒に入れんじゃん。」

「俺父さんと入ってたし」

「は?!男と入って何が楽しい?!男と入るぐらいなら姉と入れよ!」

「うるせぇよ!!なんで勝手に家に変装して侵入してきた奴に言われないといけねぇんだよ!!!さっさと目的言え!!」

「目的って言ったって機密情報を抜き取るぐらいだぜ」

「なっ!…お前何を抜き取った?!」

「いやぁ〜それが全く抜き取ってなくってさ〜」

「………は?」

「ここん家のメイド達がすっごく良い子揃いでさぁ〜一人一人見て名前とか好きな物とか調べてる内に現在があってさ〜」

「家のメイド達全員旦那か彼氏居るからな?」

「え……」

「まぁ良い…これで情報抜き取られたら困るし、ここらで処分させてもらうから」


アリゼルが対応をしていた一方

ローイズとマリンは街外れにある国の人達が「枯れ木道」と呼んでいる場所を歩いている。

歩いている最中ローイズはふとマリンの横顔を眺める


「………」

「…?…イズ私の顔に何か着いてるかしら?」

「あ、ううん。違うよ。ただ…いつも見ても綺麗だなぁ…って…」

「ふふっ、ありがとう…イズはいつ見ても可愛いわよ。」

「ふぇ?!わ、私なんか…モテもしない可愛くもなんでもないよ…!」

「そうかしら?私はイズの事可愛いって思ってるわよ?」

「…う、うぅ…そ、そっかぁ…」

「…ねぇイズ?」

「な、何?」

「…ヴェディアルの事…宜しくね。あの子とっても良い子だから…」

「え?マリー…?よ、宜しくねってどういう事?!」

「イズとルジェ…ネロさんミルアさん…久しぶりでおじ様おば様とも久しぶりに会って間もないけど…私には…もうみんなともヴェディアルとも会う事出来なくなっちゃうの…だから…ヴェディアルの事お願いしたいの…」

「ど、どういう事?!もう会う事出来なくなるって…ねぇ!!どういう事?!」

「そういう事よ…さ、早く目的地に行きましょうか…」

「…うん…」


しばらく歩いて2人が着いた場所は古びて今にでも壊れてしまいそうな木の家だった


「結構古びてるわね…」

「そうだね」

「こんな所に本当に居るのかしら…」

「入ってみようよ」

「そうね」


手を伸ばし家の扉を開けると目に飛び込んで来た光景は探していた男が自殺をしていた光景だった


「ひゃぁ?!」


突然の出来事で驚いて少し震えてるローイズとは反対に表情1つ変えず遺体へと近付いて血を触る


「どうやら…私達以外に捕まりたくない相手でも居たようね。この血の固まってる感じからして数時間前にはもう旅立ったみたいね」

「で、でも…私達以外にって言ったって…一体…誰…」

「…まぁ…そうね。例えばこの男も脅されて事件を起こしていたとしたら…そのボス…ってところかしら」

「でもこの人は上に誰かいる感じはなかったって…言うのが渡された調査書の書いてて……」

「この国と私の居た国以外の国でこの男に事件の被害にあった国の全国王に書類のコピーもらって調べましょうか…これはきっと放っておけない事件でしょうから」

「う、うん、でも私…国王と面識なんて…」

「大丈夫、私に任せて」


ーー翌日


「え?!もう来たの?!手紙出したのは昨日の午後だよね?!」

「そうね、だけど来たものは来たのよ」

「いくらなんでも早いよ…」

「さ、調べましょうか」

「あ、うん」


その時弱い音でコンコンと鳴った


「どうぞ」


少しの隙間で扉が閉まっておらず開いていた為押すだけで扉はすんなりと開いた

扉の隣に居たのは小さな両手で扉を抑え、寂しげな表情で立っていたヴェディアルだった


「ま……まま…あ…ぁそぼ…」

「ヴェル…ごめんね…遊ぶ事は出来ないのママこれから大事な事調べないといけないの」

「!……っ……」


遊べないと返事を返されショックを受けてしまいプルプルと震えながら目からはじわじわと涙が出て来る


「ぁあ〜………ヴェル泣かないで?」


椅子から立ち上がりヴェディアルに近付き指で涙をなぞる


「遊ぶ事は出来ないけど今一緒に居ることは出来るから…」

「ゃらっ……ぁしょびゅ……」

「…ごめんなさい。イズ調べるのは今度でも大丈夫かしら?」

「大丈夫だよ!というか私が出来る限りで書類見て調べてみるよ。だからヴェディアルくんと遊んであげて」

「ごめんなさい…ありがとう。それじゃぁヴェル遊びましょうか」


そう言ってヴェディアルを抱きかかえて部屋を後にする


「……と言ってしまったけど…こんな大量の書類…1人で大丈夫かな私……」


ローイズが目をやった先には多数の書類が纏まった物が山のように置かれている

それらを見て自分の発言が自分の首を絞めたのを確信する


「……見栄…張り過ぎたかも…バカじゃん私……」


次回へつづく・・・

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